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ー6-

お待たせしてしまってごめんなさい!

手直しを加えてました><

今月上旬にはすべて投稿したいです。


「あのさ。俺たちの婚約って……」

その先を慌てて遮る。

「ヨハン?

不用意に不確かなことを言おうとしないで」

ヨハンは長子だ。

ダニエルがいなくなった今、長女の私が彼に嫁いでこの家を出るのは問題がある。

それで、両家が妥協点を探っていることは当然知っているけど、

それを素直に口に出してもリスクしかない。

「ごめん。

でも俺は君と結婚したいと思ってるよ。

ダニエルの件は、ごめん。

もう絶対傷付けるようなことしないから……」

「それはもういいって言ったでしょう?

婚約のことは私たちがどうにかできる問題じゃないし」


結果、ヨハンと私の婚約は白紙になった。

私には婿入りできる婚約者が必要だという事は分かっていたし、そんな気はしていた。

でも少し寂しかった。

ヨハンのことは昔から知っていて、大切な人であることには変わりなかったから。

それにしても、ヨハンはなぜあんなことを言ったのだろう。

私と結婚したいだなんて。


婚約がなくなった日、眠りにつく前に今まで無視できた感情に襲われた。

何なんだろう。

一体。

ダニエルがいなくなって、

私は聖女になれなくて、

他の公爵家の令嬢からは同情と妬みの混じった目で見られて、

ヨハンとは結婚できなくなって。

弟が聖女になったことを素直に喜べなくなって、

そんな環境が嫌になる。

こんなイレギュラーが起こったのは、誰かが仕組んだからじゃないのか、

と疑い出すと、怖くなる。


誰も悪くないのに、何でこんな目に合わなければならないのか。


私の婚約者探しは難航した。

公爵家の跡継ぎになりたいと躍起になった、

各家の令息は私に気に入られようと接触してくるようになり、

私は既成事実を無理に作られないように一層気をつけ、

私一人に付く護衛が堂々とまたはこっそりと周りを囲むようになった。


すべて面倒だった。うっとうしい。

もともと婚約なんてもの、私達にとっては親が決める以外の何物でもないのに。

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