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ー4-

今日ももう一度投稿します。長めです。

なのに。

有り得ない。信じられない、信じたくない。

ダニエルは伯爵の子だ、聖女の血を継いでいる可能性は低いとは思っていたけれど、

家系図を調べたら聖女の子の名前がダニエルの家にあった。

でも、聖女の血が濃い公爵家以外から聖女が出たのは前代未聞。

てか、男なのに何で。

体の性が転換したのはなぜだ。

意味が分からない。

それに弟を押し倒したのは私の婚約者だし最悪だ。

聖女の色気かなんかに眩んで押し倒してしまっただけだと信じてはいるけれど、

婚約者の不貞に近い現場を見てしまった。

私は混乱したまま眠り、朝を迎えた。


翌朝、私は混乱を抑えて、ダニエルの部屋に様子を見に行った。

いくら家族とはいえ血のつながらない弟と二人きりになるのは外聞が悪い。

昨夜と同じくらい気を付けながら入る。


ダニエルはベッドの上で上体を起こしてぼうっとしていた。

「おはよう」

「……おはようございます、姉さん」

「まずは父上と母上の所に行きましょう。秘密にしておくわけにはいかないでしょ」

「そうだね……」


両親に話したところ、まずは王に報告すると言われた。

聖女が現れると、すぐに王家に報告が行き、王妃が紋章を確認し聖女と認める

手続きが必要となる。

因みに偽装は出来ない。

王家が持つ石と聖女が近付いた場合、石が発光するようになっているため、

紋章を偽装しても石が発光しなかった時点で詐称の罪に問われる。


弟を部屋に送り届けて戻ろうとした時。

弟が小さく震えていることに気付いた。

自分のことばかり考えていたことを恥じた。

弟だって、不安なのだ。

突然女になって聖女にもなって。

「大丈夫だから、ね」

頭を撫でて励ますと、弟は少し照れていた。


すぐに弟は城に呼ばれ、無事聖女として認められた。

勿論男から聖女になったのは前代未聞だったから、

瞬く間に弟は注目の人となった。


家では祝福ムードに混じって少しどんよりした空気が流れていた。

跡継ぎがいなくなったことのショック、

娘の私達が聖女になれなかったことを気にする空気。

両親も今後について頭を抱えているのが分かる。


でも私達娘はそれどころじゃなかった。

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