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ー3-

ここ少し長めです!


さらしなんて絶対意味ないと思うのよ、この胸に。

私より絶対大きい!なんで!!

「い、いたいいたい!!」

「?!ごめん!?」

いたい……?

つまり、え、まだでかくなるってことなの!?

それにしてもこの子こんなに感情表現豊かだったかしら……

心配だわ。


さらしを巻いても正直胸をへこますなんて無理だと思っていた。

だけれど、私の尽力によりまあまあ誤魔化せる程度にできたと思う。

感謝してほしい。頑張ったわ私。

しかし、一息ついて部屋を出ようとした瞬間、弟が叫んだ。

「おおおお、おねえちゃん……!?どうしよう!?なんかすごいここ光ってる!?!?」


「……」

折角巻いたさらしを外し、弟の胸を見たら、左に印が浮かんで光っていた。

絶句するしかない。

どうしてここにこれがあるのかしら。


結論から言おう。

弟は、聖女になった。

ええ、信じられないけれど。



この国には言い伝えがある。

昔、全知全能で女好きな神がいつものように人間界に降りてきて、

(神話にできない位ちょっとあれな話だから神話にはっていないのだけれど)

この地で絶世の美女と称えられたのにも関わらず誰とも結婚しなかった

平民のサラとワンナイトをしたのだと。

その時出来た子は、サラを愛するあまり気が触れた公爵家の男に連れ去られ、

サラと似て美しい女の子となり、

その男に自分好みに育てられ、生涯囲われたらしい。

我が子を失ったサラは安否は分かったものの、死ぬまでその子に会えなかった。

その悲しみから零れた涙はなんと浮遊し、

女の子の胸元に着地し、発光し、誰も見たことが無い紋章の形となって残った。

女の子がその紋章を体に刻んだとたん、男は死に、

逃げだした彼女はお忍びで散策をしていた王太子に助けられ、そのまま結婚した。

それから彼女の子孫のうち、代々に一人だけ、

胸元に紋章が現れるようになった。

彼女たちに共通していたのは、美貌と優れた能力。

いつの間にか彼女たちは優れた頭脳と愛される資質を持つ聖女として扱われるようになった。



聖女を持つ家は勿論優位に立てる。

力のバランスを取るために、聖女やその血を引く女子は均等に公爵家が娶った。

今の代の聖女はまだ現れていなかった。

私を含め公爵家の令嬢は皆、胸元に光る紋章が現れることを期待し願っていた。



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