作戦開始②
「あれあれーもしかして捜査室にも女子高生が居らっしゃるんですか!俄然やる気になってきましたー!!」
「「錦戸うるさい」」
八神と芳賀に叱られながら声を明るくした錦戸に列なって特殊機動部隊の四人が大河達の前で整列する。
「白鳥捜査官だ、今回が初任務になる。」
「よろしくお願いします!」
鮫島の紹介で頭を下げた、大河に櫻子も会釈をする。言葉で返さなかったのは、その間もなく鮫島が進行し始めたからである。
「早速だが今からふたてに別れる、錦戸と八神は俺と来い。残りは白鳥捜査官につけ。」
「了解」
ふたりを連れて行こうとする鮫島を芳賀が止める。
「おい」
「なんだ」
「西園寺は今日配属された新米なんだ、白鳥捜査官も初任務なんだろ?」
「だったらなんだ」
「なんだって……お前」
鮫島は時計に目を落とす。
「時間だ行くぞ」
「え?俺、白鳥ちゃんとも西園寺櫻子ちゃんとも別っすか」
「錦戸うるさいですよ」
「へいへい、じゃ、櫻子ちゃんがんばってねー!」
そう言って鮫島、八神、錦戸はさっさとX区画へ向かっていく。
取り残された芳賀、西園寺、白鳥。
「さて、白鳥捜査官。俺達はどうしますか。」
「えっと……」
芳賀に指示を促され、肩をビクッとさせる白鳥。
その姿を見た芳賀はハハッと笑い優しい声で
「なんて、冗談だよ。まあそう緊張するなって、白鳥捜査官。」
「でも私、いったい何をどうしたらいいか」
「まあ、その為にアイツは俺を残したんだろうけどな。デバイスの扱いは頭に入ってるか?」
「はい、大丈夫です」
「よし、なら後は、研修通りやればいい」
「研修どおり……」
「相手が攻撃してくるならデバイスを戦闘モードに切り替え、接近戦ならブレード、遠距離ならバスター、シールドデバイスは常に展開しオートにしておけ、シールドデバイスで防げないものがあるなら近付くな、機動スーツの俺が代わりに近づいて確保。それだけの簡単なお仕事さ。」
櫻子と大河はデバイスのシールドを展開する。
(デバイス音声)ーーセーフティ解除、シールドをオートで展開します。ーーー
手のひらサイズの四角い板の様なものが無数に身体の周辺に浮かぶ。
このシールドが弾丸や攻撃に反応し自動で防ぐ防御システムである。
「作戦やフォーメーションは無くて大丈夫なんでしょうか?」
「俺が突撃、君達は後方支援」
「あの、もっとちゃんと」
「まあ、任せとけってことだ。俺達はこう見えても、場数は踏んでる。でもなここの指揮官はあんただ。だから俺のやり方が気に食わなければ指揮権を機動隊に譲れ。俺達にも指揮官、オペレーターはいる。」
「そんな……」
「ああ、そう言えば紹介がまだだったな、この新米は西園寺櫻子、んでもって俺は芳賀ライハ、宜しく頼むよ。白鳥捜査官。」
そう言うと芳賀は歩きだした。
櫻子は何も言わずに芳賀に着いていく。
大河も少し間をおいて歩きだした。