61 番外編 赤ちゃんって、どうやって作るの?
タイトル通りの内容です。
苦手な方はご注意ください。
山にあるアノカミの小屋。そこで、トウコ、アヤカシ、アノカミの3人はいつものようにのんびりと過ごしていた。
トウコはアヤカシの膝の上で、読書を。アヤカシはそんなトウコをずっと見ていて、アノカミは茶をすすっている。
ここにいないクロはというと、一人で木の実を採りに行った。
アノカミは、飲んでいた茶に、茶柱がたっているのを見て、今日はいいことが起きそうだなと考えていた。しかし、和やかな心でいるアノカミは、急に固まった。
「ねぇ、アヤカシ。」
「なんだ?」
アノカミには、トウコの声が聞こえていた。なので、アヤカシにする質問の内容を知っている。全国のお父さんお母さんが困る質問だということを。
「赤ちゃんって、どうやって作るの?」
アノカミがちらりと、トウコが読む本を見れば、どろどろの三角関係を描いた推理小説だった。姿は変わらないがトウコも、もう20年以上生きているので、その本を読むことに関して何も言うことは出来ないが、なぜそんなものを読んでいるのかと詰め寄りたくなった。
確か、一人の男を二人の女性が取り合う物語で、女性の一人が赤ちゃんを作ってしまえばこっちのもの・・・というセリフがあった。それを読んでの質問だろう。
さて、アヤカシは何と答えるのか?
「・・・知らん。」
困った様子もなく、本当に知らないという顔をするアヤカシに、アノカミは信じられない思いだった。
「なんで知らないの!?シロっ!いったい君は何年生きているわけ?わかるでしょ、普通!」
「いや、そんなことを言われてもな・・・知らないものは知らん。トウコ、アノカミに教えてもらえばいい。こいつは知っているようだから。」
そんな感じで、回答権を得たアノカミは、特に戸惑うことはなかった。
人間なら困る話だろうが、神のアノカミが困ることはない。アヤカシは知らなかったが、願いを叶える存在として生きていたアノカミは、求められることもあったので知っていた。
「えーとね・・・」
ありのままを話したアノカミを、トウコとアヤカシは難しそうな顔をして見つめた。
「よくわからない。」
「そうだな・・・俺にもわからん。」
「え~・・・結構わかりやすい説明だったと思うけど。うーん、なら学校に行こうか。学校ならわかりやすい説明が書いてある教科書もあるし。」
立ち上がったアノカミに、アヤカシが待ったをかけた。
「いや、その必要はないだろう。実践してみればいい。」
「・・・は?」
「それもそうだね。」
「はぁっ!?」
あまりの言葉に、流石のアノカミも何も言えない。だが、これ以上の衝撃はないと思ったアノカミに、更なる衝撃が襲う。
「アノカミがトウコにやってみればいい。」
「そうだね。アノカミ、やってくれる?」
「・・・」
こいつ、何を言っている。トウコを膝に置くことだって許さないくせに・・・
え、何?マジでいいわけ?
「本気?」
「あぁ。」
「うん。」
許しを得たアノカミは、トウコを見下ろした。
トウコが、純粋な瞳で、アノカミを見上げる。
「・・・無理。」
アノカミは、真顔で言った。
「いや、トウコが無理とかじゃなくって、罪悪感がすごいっていうか・・・せめて、トウコが理解した状態で、それでもっていうなら喜んでって感じだけど。」
「な、なんだアノカミ・・・お前、ちょっと怖いぞ。」
「うん。・・・なんか、ごめんなさい。」
「・・・わかればいいよ。わかれば。」
微妙な空気が流れ、誰も何も言わずに元の位置に戻った。だが、トウコは本を読む気になれなかったようで、ちらちらとアノカミの様子を見ている。アノカミは、そんなトウコに気づいていたが、何と言えばいいのかわからず、気づかないふりをしていた。
「なんだトウコ、アノカミがどうかしたか?」
「・・・」
「・・・」
空気読めよ。
2人の心の声がそろった。
ガラッと音をたて、外からクロが帰ってきた。
「ただいま~大量だよ!」
帰ってきたクロは、すぐに空気が変なことに気づき疑問顔になる。
「どうしたの?・・・え、赤ん坊?」
クロは、トウコの心の声を読み、事態を把握した。
「なんだ、そんなこと。知りたいならクロが教えてあげるよ!」
おいでとトウコの手を取り、外へと連れて行こうとするクロをアノカミが止める。
「待って、どこへ行くつもり!?」
「え、だってここだと・・・こういうのって、人がいないところでするものだし?」
「それはそうだけど・・・って、そういうことじゃなくて!トウコと君がそんなことしていいと思うの!?」
「だって、トウコが知りたいっていうから・・・」
「うん、知りたい。」
「トウコは黙っていてくれるかな!?」
珍しくトウコに大声を出すアノカミに、トウコはおとなしく従った。
「いい?君さ、これ犯罪だからね!?」
「犯罪?関係ないよね、クロ妖だし。人間の法律とかそういうの関係ない。」
「それはそうだけど・・・もうっ!ここでは、僕が法律だっ!」
アノカミらしくない言葉を叫んだことで、3人はアノカミに従うことにした。彼を怒らせてはいけない。彼は、この中で一番強く、格のある・・・神なのだから。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
リクエストがなければ、これが最終話です。(リクエスト募集期間 明日のお昼12時)
※募集締め切りました。
他にも「門番天使と悲劇の少女」というものを連載しています。こちらも読んでいただけると嬉しいです。
次回作は、転生ものを予定しています。
「イケメンがフツメンに転生したけど、クズは直らない」という話をのせるつもりです。
これをタイトルに使うかも?
よろしくお願いします!




