表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神々の世界で学園生活~ライセンスゼロの私が世界最強!?~  作者: 牛
7章 このチカラは、突然に
83/121

最強で最凶

「で、結局のとこどうなん?」

「何が?」



カノを膝枕しながら私に問いかけてくるヒルコちゃん。



陽花(ひはな)はんの新しいカムイのカードのことやよ。結局、使いこなせそうなん?」

「ん~……一時間おきに一個使う分には正常に発動するし問題ないよ」

「一時間おきに一個って……。学園の外じゃあんま役に立ちそうにないなぁ……」

「そうでもないんじゃないの?だって正式ライセンスは通ってるんでしょう?」

「うん、ちゃんと通ってるね」

「どういうことなん?カノ」

「わからないの?ヒルコ。つまり陽花(ひはな)は学園の外でも暴発カムイが使えるようになったっていう事よ」



ヒルコちゃんのふとももの上からヒルコちゃんの鼻先を突きながらカノはそういう。



「は……!?それってある意味、最強なんやないの……」

「ほんと最強にして最凶ってやつよね。カムイのシステムやっぱり見直した方が良いんじゃないかしら……」



言いながらふうっとため息をつくカノ。



「今までは学園内だけで済んでたから、まだ笑い話で済んどったけど……。学園外でもってなるともう笑い話にはならへんな……」

「いやいや、さすがに暴発カムイを学園外で使いまくるなんてことはしないからね」



さすがに私そんな見境ないことはしないから。

全くこのカップルは二人揃って失礼な。

そして毎度二人で居る時はカノはなんでヒルコちゃんに膝枕されてるのかな。

そこまでして私達にイチャイチャ振りを見せつけたいのか、問いたい、問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。

あんたらイチャイチャしたいだけちゃうんかと(以下略



「でもまぁ、カノが言う通り、お姉ちゃんは最強で最凶かもしれないね」



月依(つくよ)もカノの言葉を受けてそんなことを言う。



月依(つくよ)までそう言う……」

「だって、お姉ちゃんのカムイは正常に発動する状態じゃ、私達が普通に発動した時より数倍の威力が出るんだよ?それに暴発カムイでも使いようによっては有効に使えるのは、去年の『(たま)入れ』で実証済み。そして暴発カムイの中には正常に発動するよりも遥かに威力が高いカムイが存在する」

「それはそうだけど……」



確かに『乱岩弾(らんがんだん)』の正常な効果は無数の岩を目標物に射出するっていうカムイだけど、私が発動した暴発カムイの『乱岩弾(らんがんだん)』の効果は無数の溶岩弾をランダムに射出とかいう危険極まりない効果だった。



「正直、私、まともにお姉ちゃんとやりやって勝てる自信ないよ?」

「いやいやいや……それはさすがにないでしょ」

「そんなことあるから、最強にして最凶っていってんのよ、私達は」



そっかー……私、月依(つくよ)より強いのか……。

いまいち実感がわかないなぁ……と考えていると。



「とりあえず、今度アカリが陽花(ひはな)に何てあだ名を付けるか皆で予想しましょうか」



なんてことをカノが言いだした。



「ん。そうだね。私がつけるなら『歩く人間爆弾』とかかな」

「なかなかいい線行ってるわね、月依(つくよ)。じゃあ私は『脅威の爆弾娘』なんてどうかしら」

「おー……。それもなかなか捨てがたいね。ヒルコはどう?」

「せやなー、うちはやっぱり『歩く神々の鉄槌』かなー」



ヒルコちゃん、それ前もいってたよね。

そもそも神々の鉄槌ってそんな物騒じゃないからね!



「あははは、神々の鉄槌とかスケール大きすぎるでしょ。サクヤちゃんはどう?」

(わたくし)は……『最凶爆弾娘』でしょうか」

「サクヤちゃんもなかなか良い案出すね」

「いえいえ、それほどでも……」



本人が黙っているのを良いことに、ひと様のあだ名で盛り上がる四人娘達。

月依(つくよ)やカノやヒルコちゃんだけじゃなくてサクヤちゃんまで一緒になって酷い……。

私のガラスのハートはほんとにボロボロだよ!

という話をしていると。



「聞いたよ、聞いたよ!陽花(ひはな)が最強で最凶なんだって?」

「でもでも本当の意味で最強はテラスちゃんなんだけどね!」

「うむ……。私が最強というのはやぶさかではないぞ、桜花(おうか)よ」



騒がしいアカリに引き続いて、桜花(おうか)とテラスちゃんが続いて生徒会室へと入ってくる。



「で、皆で楽しそうに何の話してたの?」



私は全然楽しそうに話してなかったからね。

その辺勘違いしないでよね、アカリ。



「あなたが陽花(ひはな)に付けるあだ名についてよ」



カノがアカリの問いかけにそう答える。



「ほうほう。皆がどんなあだ名にしたのか興味はあるけど、実はもう決めちゃってるんだよね」



ですよね。

私が何といおうと今までもアカリの一存で勝手に決まってきたもんね。

今回もそうだろうと思ったよ。



「ほー。今度はどんなあだ名にしたんかいな」



他の皆は興味津々といった感じでアカリ達の方に視線を向ける。

私も死んだ魚のような目をしてアカリ達を眺める。



「それでは発表します。桜花(おうか)も一緒にいくよ」

「うん。それじゃ、せーのっ!」

「「狂う気と書いて、『狂気の爆発娘』!!!」」



二人は楽しそうに声を揃えて、私の新しいあだ名を口にする。



「そんなの嫌ああああああああああああああああああああああああああああああああああ」



その言葉に、私の叫び声が生徒会室に木霊する。


なんなのさ、その狂う気って。

私そんな狂ってないじゃない!

むしろ狂ってるのアカリの方じゃない!

後半の方は否定しないけどさ!

まったく酷い言われようだよう……。

そもそも桜花(おうか)、あんた私の高校の頃からの親友じゃない!

ほんとにアカリに毒されまくっちゃって、私は悲しいよ!



「相変わらず、騒がしいやつらじゃのう……」



そんな様子を見ながら、テラスちゃんは苦笑し、笑みをこぼすのだった。


そして。

その新しいあだ名が学園中に広がるまで三日とかからなかった。

アカリめ……。

そのうち絶対にぜーったいに、なんか面白そうなカムイ有ったらアカリを実験台にしてやるんだから。

オボエテロ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ