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神々の世界で学園生活~ライセンスゼロの私が世界最強!?~  作者: 牛
4章 あの記憶は、突然に。
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妹達とのこれから

修学旅行の間中、ヒルコちゃんからキスされたことをサクヤちゃんに悟られないようにするのが大変だった。

でも、時々私とヒルコちゃんの顔を見て赤い顔をしてたから、

なんか結局バレてしまったような気もする。


そして、修学旅行から帰ってきて数日。

私は一人ベッドに寝転がり色々悶々としていた。

おかしいなー……。

タカマガハラに来て半年ちょい。

日本じゃ色恋沙汰に縁もゆかりもなかったこの私が。

地味を地で行く地味子さんのこの私が。

このタカマガハラで何故か告白されまくっている。

女の子からだけど。

けれども超かわいい女の子達からだ。

一人は、私とは正反対なお洒落さんな妹から。

一人は、妹の様に思っていた清楚な女の子から。

一人は、本当に親友だと思っていた活発な女の子から。

しかもその子は彼女付。


どうしてこんなに女の子からもててんのおおおおお。

分かんない。

分かんないよー。

さすが異世界。

感覚が私達の世界とは違うのかもしれない。

はぁ……。

まぁ悩んでてもしょうがないか……。

あんな可愛らしい三人から好きだと言われて、正直悪い気はしない。

というより、めちゃくちゃ嬉しい。


嬉しいのだけど……。

なんていうか、これ、私めちゃくちゃ軟派な人ですよね。

いいのかな、こんなんで。

いくらこの世界が一夫多妻制だからといっても。

うーん……まぁいいか。

まだ彼女達は学生なのだし、この先どうなるかわからないか。

皆の気も変わるかもしれないし。

そもそもヒルコちゃんに至ってはカノと付き合ってるんだからそんな気にしなくて良いのかもしれない。

うん、もう気にしないのが一番だ、そうしよう。

こういう悩みまくりだけど前向きな所が私らしいちゃらしいんだろうなぁ。


―――


珍しく一人で日本風定食をぱくついていると、これまた珍しくジャージ姿のアカリが正面にやってきた。

何の用だろう、この阿呆委員長。

とても、とても嫌な予感しかしないんだけど。



「ねぇねぇ陽花(ひはな)に質問があるんだけど、いいかな」

「答えられる範囲でなら」

「じゃあさ、じゃあさ。モテモテの陽花(ひはな)さんに質問です。本命はどの子?」



ウキウキ声でそんなことをアカリは問うてくる。



「ほ、本命ってどういうこと?」



あえてモテモテという単語には触れないようにしながら平然を装う私。



「えっと、まず月依(つくよ)でしょ。で、サクヤにヒルコ」



何でバレたし。

って言うかどっから漏れたし。

サクヤちゃんは私の目から見てても、そのうちバレるだろうなぁとは思っていたけど。

ヒルコちゃんのことは本当にどこからもれたんだろう。

私が無言で黙っていると



「何でバレたって顔してるけど、そりゃまぁ皆を見てれば分かるよ。私の情報収集能力を舐めないで欲しいね!」

「カノの時はさっぱり役に立たなかったくせに……」



ボソっと私は恨めしそうに呟く。



「それは、それ。これは、これ。で、本命はどの子なのかなー、モテモテの陽花(ひはな)さん♪」

「ノーコメントです」

「えー……それって三股ってことなの?さすがに一夫多妻許されてるって言っても、今の時期からそれだとさすがの私もドン引きだよー……」



言いながらやれやれといった仕草をするアカリ。



「誰もそんなこと言ってないでしょ!!」



まったくこの阿呆委員長は人聞きが悪い。



「そもそもヒルコちゃんにはカノがいるんだからね。だから、あっても二股にしかならないの」

「お。二股はする気あるんだ」

「無いよ!!!」



声を張り上げ否定する私。

まったくもうこの阿呆委員長め。

とはいえ……。

月依(つくよ)とサクヤちゃんのどちらかを選べと言われると……。

選べる自信が全くない。うん。絶対に選べない。

あれ、てことはアカリの言ってることは正しいんじゃ……うーん。



「なんかさ、陽花(ひはな)の顔見てるとコロコロ表情が変わって面白いよね」



そう言ってフフリと微笑むアカリ。



「こうしてるとサクヤやヒルコが陽花(ひはな)に惹かれるの、なーんか分かる気がするな」

「そういうもんなんですかね……」



ため息を付きながら私は言う。

私自身にはそういうのさっぱりわかんないんですけどねぇ。

むしろ思ったことが表情に出るって結構マイナス面大きいと思うけどなー。



「ま、モテモテの陽花(ひはな)さん。三人とも大事にしてあげなよー」

「アカリに言われなくても分かってるよ、もう……」



私の言葉を聞いてニッコリとアカリは微笑む。



「それと、アカリ、この事は言いふらさないでよね」

「あははは。さすがに私でもそれぐらいのTPOはわきまえてるよ」



本当かなぁ……。

今までの数々の悪行が脳裏をよぎる。

まぁ信用するしかないか……。

そう思うしかなかった。


―――


「ゲホッ……」



アカリと入れ替わるようにやってきたヒルコちゃんにさっきあったことを話すと、

ヒルコちゃんは飲んでいた味噌汁で思いっきりむせていた。



「なんでそのことがアカリにバレとんねん……」



今日は珍しく対面ではなく隣り合ってコソコソ話風に話をしている。



「わかんない……」

「おかしいなぁ……あの事はカノにすら話しとらんのに」

「あ、そうなんだ……」

「そら話せるわけあらへんやろ、カノはあれで焼きもちやきなんやで」

「へー……そうなんだ」



そっかー……あのカノがかぁ。

今度カノに会ったらからかってあげようかな。

カノはヒルコちゃんと付き合い始めてからは以前にも増してクールに決めてることが多くなったから、

久しぶりにムキになったカノを見てみたいかも。



陽花(ひはな)はん、なんかカノに変なちょっかいかけようとしとるやろ」

「え、ナンノコトカナー」

陽花(ひはな)はんは、ほんま顔にようでるから分かりやすいで……」

「えへへへ……まぁまぁ、別に変なことはしないからさ」

「ほんまかいな」



ヒルコちゃんにジト目で見つめられる、私。



「ほんま、ほんま。ほんまやよ」

「まぁええけどな……」

「それでさ、あとサクヤちゃんにもなんだけど。多分バレてる」

「あ~……それはそうかも知らんなぁ……。サクヤはんはなんだかんだで勘が鋭いとこあるしなぁ」

「そうそう。サクヤちゃんて勘鋭いからさ」



サクヤちゃんが少し心を読めるというのは絶対内緒だからそういう事にしておこう。



「にしてもサクヤはんはともかく、なんであの阿呆アカリにばれたんかなー」

「だよねぇ……」



もしかしてサクヤちゃんのとこみたいに、アカリの一族にも

秘密の能力があったりするんじゃないだろうか。

もしそうなら、納得がいくんだけど。

もしくは、私かヒルコちゃんのどっちかが憶見(おくみ)をアカリにこっそり使われてたか。

でもなー……まだ憶見(おくみ)は授業でやってないからアカリが使えるはずないんだよねぇ……。



「とりあえずさ、この事が月依(つくよ)にバレたらどうなると思う?」

「サクヤはんはともかく、ウチは間違いなく消されると思う」



え゛。消すって何?

物理的に消すとかそういうやつ?



「いや、さすがにそこまではしないでしょ……」

「わからんでー、あのお姉ちゃん好き好きオーラでまくりの月依(つくよ)の焼きもちなんてカノの比やあらへんかも」

「……そうかな」

「……そうじゃないとええけどな」

「私がどうしたって、お・ね・え・ち・ゃ・ん?」



突然背後からかけられた声に私達二人は恐る恐る振り返ると、そこには月依(つくよ)とサクヤちゃんが立っていた。

張り付けた笑みを浮かべた月依(つくよ)がサクヤちゃんと一緒に立っていた。

大事な事なので以下略。



「いやー……特にたいした話しとらへんよ、なぁ陽花(ひはな)はん」

「うん、そうそう。別に大した話してないよ」



どのあたりから話を聞かれていたんだろう……。

そしてこの、プレッシャー、以前にも感じたことがあるようなっ!



「それじゃ、反省室に行こうね。お・ね・え・ち・ゃ・ん♪」



だから。

その静かな口調のなかに冷たい威圧を籠めるのやめて……。

めっちゃ怖いから……。本当に。



「参りますわよ、お・ね・え・さ・ま♪」



ほら、サクヤちゃんまで真似しちゃうからさ……。

怖いよー二人とも……。

顔は微笑んでるのにめっちゃ目が笑ってないんですけど……。



「ほな、陽花(ひはな)はん、元気でな……」



ヒルコちゃんのその言葉を背に私は月依(つくよ)とサクヤちゃんに連れられて

反省室へと向かうのだった。

結局、私とヒルコちゃんの関係は、月依(つくよ)達の知ることとなり。

で、驚きだったのはサクヤちゃんとの関係は、既に月依(つくよ)が知っていたことだ。



「そりゃ分かるよ。私はサクヤちゃんの親友なんだよ?あんなあからさまな態度とられたら馬鹿でも分かるよ」



何て風に言われてしまった。

結局、そんな訳で私と三人の関係は三人ともが知ることとなったのだった。

因みに。

カノにもこの事がバレてしまい、ヒルコちゃんが反省室送りになったのはまた別のお話。


この話で4章は終了です。

次回から5章になります。

あと、11月3日の早朝に全体的に調整した関係で話数が一話増えていますが、

一話が二話構成になっただけですので、

最新まで読まれていた方はあまり気にしないでください。


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