刻
掲載日:2014/12/24
あぁ、時計の針が止まる。
部屋に響くのは無機質な残響ばかり、考えるのも嫌になるほどの変わらない部屋。
残りわずかな命の灯火を消すまいと、必死になって生きていた日はいつの間にかとうの昔に過ぎ去ってしまっていた。
人とは愚かなものに過ぎない生き物だ。
自らの手の内にないものを求め生きる、それはいっけん生きていくための過程の事のように思えるが、果たしてそれは正しいのかはわからない。
今も尚、自分は生と言う名の物にすがって生きている。
だが、それももう終りになろうとしている。
生まれた時から共にいる懐中時計の電池が今まさに切れようとしている。
そして、針が止まった瞬間に自分の命の音も止むのだろう。
誰もいない空間に、虚しさが蔓延る。
孤独のまま天に召されるのは自分の生き様にぴったりだ、そう思いながら重たくなってきた瞼を閉じ、暗闇の世界に変わる瞬間を感じながら、嬉しく思う。
あぁ、時計の針が止まる...




