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案内人は異世界の樹海を彷徨う  作者: 月汰元
第5章 異世界のオリガ編
110/240

scene:108 偵察部隊の戦い 2

 訓練期間を終えた金光一等陸佐は、瘴気の森に向けて出発すると全員に告げた。瘴気の森の入り口までは錦織が案内する事になっている。

 出発する日の朝、ホテルの玄関先で荷物の点検をしていた金光一等陸佐に織部一等陸尉が声を掛けた。

「隊長、ベルトに挟んでいるのは何です?」

 織部一等陸尉が見慣れない物を金光一等陸佐の腰に見付け尋ねた。金光一等陸佐はベルトからパチンコを引き抜いて織部一等陸尉に見せた。

「倉木達に作って貰ったパチンコさ、これでも威力は有るんだぞ」

 見てくれは子供の玩具のようなので、魔物には通用しないように見える。だが、この武器で何匹もの魔物を倉木達が倒すのを確認している。


 織部一等陸尉は威力があると言う隊長の言葉をほとんど信じていないようだった。

「異世界に銃器を持ち込めれば、そんなものに頼らなくても良いんですけどね」

「愚痴は聞かんぞ。我々は素手でも任務を遂行しなきゃならんのだ」

 案内人の錦織が偵察部隊の為に用意した武器は、ショートソードと大型ナイフ、短槍と海軍刀である。その中でカットラスに似た海軍刀を装備する者が一番多く。五割が海軍刀と大型ナイフを身に着けていた。次に多いのが短槍とショートソードの組み合わせで、残りの二割が独自の武器を用意していた。


 その二割に倉木三等陸尉も含まれている。山刀甲虫から剥ぎ取った山刀角を使って倉木三等陸尉に長柄山刀、森末陸曹長に山刀鉈を作製した。四〇センチほどしかない山刀角のリーチを補う為に長い柄を付けた長柄山刀は、刀身に『衝撃斬』の源紋を秘めているので魔力を流し込みながら敵に撃ち込むと衝撃波を発しダメージを与える。

 森末陸曹長が持つ山刀鉈は源紋を傷付けないように短くし長目の鉈の柄を付けたものである。

 筧一等陸曹は一角水牛の角を使った短槍を作製し使っていた。このホーンスピアは貫通力も高く頑丈だった。その貫通力は安物の金属鎧なら貫くほどで、金光一等陸佐も欲しがり、もう一匹一角水牛を倒し提供した。


 先陣組の自衛官は錦織の用意した安物の革鎧からもっと性能の良い鎧に変更しているが、倉木三等陸尉たちは安物の革鎧のままである。

 防具も水牛の革と山刀甲虫の外殻から作ったスケイルアーマーを用意したかったが、出発までに間に合いそうになかったので諦めた。

 その他に五日分の食料と水筒、寝袋代わりのマントを入れた背負い袋を担いで出発した。


 樹海に入った偵察部隊は、北へと進んでから東に転じた。樹木が密生しているので薄暗く、頻繁に虫が飛ぶブーンと言う羽音がする。案内人の錦織は<魔力感知>が使えるらしく時々魔物の反応を確かめ情報を依頼人に伝えている。

「3時の方角に魔物二匹、脅威度4。気を付けてくれ」

 金光一等陸佐は織部一等陸尉に倒せるかと尋ねた。彼は「問題ありません」と返事を返す。錦織がランク付けしている脅威度と言うのは、魔物の魔力保有量から推し量ったもので正確ではない。だが経験から歩兵蟻に相当する魔物だと思い脅威度を4と判断した。


 偵察部隊の中で精鋭である織部一等陸尉と部下六人が、先頭に立ち進んだ。前方に巨大な蟷螂の姿を発見した時、織部一等陸尉は舌打ちをした。魔物の正体は足軽蟷螂であった。

 足軽蟷螂は硬い外殻を持ち防御力が高く武器である鎌は一撃で敵を殺す威力を持つ。織部一等陸尉たちの武器である鋼鉄製の剣や槍で倒すには装甲の薄い腹部を狙うしかなく、危険を犯して懐に飛び込む必要があった。二匹の足軽蟷螂をそれぞれ三、四人ずつで囲んだ。


 自衛官たちより頭一つ分高い足軽蟷螂が四本の細く長い足を小刻みに動かし近付く自衛官を正面に捉えようと移動する。織部一等陸尉が海軍刀を足軽蟷螂の足に叩き込む。関節部分を狙った一撃は少し逸れ硬い外殻に弾かれた。

 足軽蟷螂が向きを転じ織部一等陸尉の首を狙って巨大鎌を振り切る。織部一等陸尉は身を投げ出すようにして躱した。空振りした足軽蟷螂に隙を見付けた隊員が腹部に短槍を突き入れる。

「よし、いいぞ」

 槍の穂先は腹部を抉りダメージを与えた。しかし致命傷には程遠い。自衛官たちの攻撃には一撃で倒すほどの威力は無い。けれども各人が確実にダメージを与え続け足軽蟷螂を弱らせていく。連携も巧みで、右側にいる隊員が海軍刀で足を攻撃し足軽蟷螂の注意を惹くと、絶妙なタイミングで左側にいる隊員が短槍を突き入れる。

 牽制役である隊員は鎌の攻撃にさらされる事になるが、ほとんどの攻撃は身軽に避けている。但し掠り傷程度は受けたようで肩や足から血を流している。


 足軽蟷螂が身体をふらつかせ始めた時、織部一等陸尉が『躯力強化くりょくきょうかの神紋』の基本魔法である<躯力増強>を使用する。全身の魔導細胞から魔力が流れ出し全身の筋肉を廻り、その力を強化する。

 十分に魔力が循環するのを感じた織部一等陸尉は、硬い地面に跡が残るほどの脚力で敵の懐に飛び込み、漲る力を振るって海軍刀で蟷螂の腹部を撫で斬りにした。足軽蟷螂が地面に転がり手足を痙攣させ始める。

「止めを刺せ!」

 織部一等陸尉の命令に短槍を持つ二人の隊員が足軽蟷螂に突きを入れ息の根を止めた。

 もう一匹の足軽蟷螂も隊員たちの連携攻撃で倒した。


「皆さん、流石ですね。素晴らしい連携攻撃で……ちょっと時間は掛かったようですが、見事ですよ」

 後ろで見物していた案内人の錦織が自衛官たちを賞賛する。ただ、その言葉の端々に自分だったら、こんなに時間は掛けないと言うような傲慢なほどの自信が滲み出ていた。

 それに気付いた金光一等陸佐が。

「いやいや、錦織さんのように強力な武器を持っていないので連携で倒すしか無かっただけです」

 金光一等陸佐は強力な武器さえ有れば、こんな苦労はしないと言いたかった。……だが、武器だけの問題だろうか。もし戦ったのが倉木三等陸尉たちならどうだろう。これほど苦労せずに倒したのでは……。


 体力を消耗した者を休ませる為に、金光一等陸佐は小休止を命じた。戦った者たちは全身から汗を吹き出し荒い息をしている。

 自衛官たちの実力はどれほどだろう。苦労していたようだが、魔法を使ったのが織部一等陸尉一人だけだったので全力を出していたとは言えない。迷宮に潜り始めた若いハンターたちより少し上で、ベテランのハンターよりは下という感じだろうか。


 一ヶ月にも満たない訓練期間で、ここまで実力を伸ばしたのは流石である。金光一等陸佐も誇りに思うのだが、偵察するオークは、足軽蟷螂とは比較にならないほど強い帝王猿を捕獲し、リアルワールドの人間を撹乱する為の手駒として使うほどの強者なのだ。決して油断出来ない。


「錦織さん、私は魔導剣に興味が有るんです。よろしければ、あなたが紅炎剣を使う処を見せて貰えませんか」

 金光一等陸佐が頼むと錦織は簡単に承知した。モデルだっただけに自己顕示欲が強いようだ。

 足軽蟷螂から魔晶管・鎌などを剥ぎ取り、その場を離れる。魔物の死骸は他の魔物を引き寄せるものだ。剥ぎ取りが終わったら離れるのが樹海の鉄則である。


 東へ向かって移動し、小山に突き当たった。錦織の説明では小山をグルリと回り、もう少し先に進むと川に辿り着くらしい。

「この山には大鬼オーガが住み着いている。気を付けてくれ」

 錦織の言葉に、金光一等陸佐は顔を顰めた。武器を考えるとオーガは仕留めるのが難しい強敵である。

「倉木三等陸尉、オーガと戦った事があるか?」

 突然尋ねられ、倉木三等陸尉は驚いた。

「いえ、座学で戦い方を教わっただけです」

「ほう、因みにどう戦うのだ?」

「爆炎弾で両目を潰し両肩に氷結弾を撃ち込んで両手の動きを抑え、首を刈れと教わりました」

 えげつない方法である。伊丹から教わった戦闘術は、戦国時代に生まれたものを現代の格闘術や異世界の対魔物戦闘術を取り込んで編み出したのだそうだ。

「オーガの首は頑強な筋肉で覆われていると聞く。致命傷を与えられるのか?」

「強化武器を全力で使えば可能だそうです。ですから、山刀甲虫や一角水牛を倒し剥ぎ取った角で武器を作りました。まあ一角水牛のホーンスピアは強化武器ではないのですが、あの貫通力は凄いですから」


 伊丹から強力な武器となる魔物の部位も教わっており、一番に独自の武器を揃えろと指示されていた。教わった戦闘術を十分活かすのに必要だからだ。

 倉木三等陸尉は精鋭たちと言われる先輩隊員が戦う様子を見て自信が芽生えた。伊丹たちと比べると到底勝てないと思うのだが、この人達なら互角に戦えると思える。


 二時間ほど移動した頃、小山の反対側に到達した。

「ウアッ!」

 先頭を歩いていた錦織が出会い頭にオーガと遭遇した。この辺りには洞穴が多く、そこから出て来たばかりのオーガと鉢合わせしたのだ。

 頭に二本の角を生やした赤鬼、背丈は二メートル七〇センチほどで手に太い棍棒を持っていた。そんなオーガ三匹と瞬く間に戦闘状態となった。


『グウオオオォーーーッ!』

 オーガの一匹が肝を冷やすような威圧感が込められた声で吠えた。その吠え声を聞いた隊員の中に腰が引けた者は居なかった。だが、吠え声に含まれていた魔力に当てられた隊員の中には、頭の中に響いた吠え声が消えず苦痛を感じる者も居た。

「私が一匹貰います」

 錦織が紅炎剣を抜き駈け出した。同時に織部一等陸尉たちが二つのグループに分かれ、それぞれオーガを囲む。仲間外れにされたのは金光一等陸佐と倉木三等陸尉たちだった。


 紅炎剣を持つ案内人はジリジリとオーガに近付く、そのオーガが柱のような棍棒を高速で振り回す。錦織は大きくステップしひらりと棍棒を躱した。

 倉木三等陸尉は「ホオッ」と声を上げた。イケメンは避け方も華麗であるらしい。

 錦織は紅炎剣の魔導核に触れて魔力を流し込む。その瞬間、紅炎剣から炎が吹き出した。オレンジ色に輝く炎は剣全体を覆うように吹き出し、その炎はオーガを威嚇する。

 オーガは一瞬怯んだように呻き声を上げた。錦織が間合いを縮めると紅炎剣を打ち払うように棍棒を叩き付けてくる。


 ヒョイと棍棒を受け流した。体勢を崩したオーガに紅炎剣が襲い掛かった。炎をなびかせた剣がオーガの脇腹を切り裂く。切られた箇所は高熱の炎が纏わり付き追加ダメージを与える。

 オーガは濁声だみごえで悲鳴を上げ身を引いた。よく見ると紅炎剣が斬った跡は焼けただれている。錦織が畳み掛けるように剣を振るい始めた。オーガの腕・太腿・胸と連続で斬り付けダメージを与える。だが、オーガの再生力は物凄く最初に斬った箇所は傷口が閉じ治り掛かっていた。


「チッ、だから原始的な魔物は嫌いだよ」

 紅炎剣の炎が弱まって来た。錦織はもう一度魔導核に触り魔力を流し込む。この紅炎剣は魔法効果の発動に大量の魔力を必要とするのかもしれない。

 錦織は攻撃目標をオーガの右腕に絞って攻撃を開始した。何度も腕を紅炎剣が斬り付け、最後には腕の付け根から先を切り落とした。

 錦織はニヤリと笑って首に紅炎剣を叩き込もうとした。剣の軌道が少しだけ大振りになった。片腕となったオーガはドカッと地面を蹴ると錦織に前蹴りを放つ。

 一瞬早く紅炎剣がオーガの首に入り、切り裂くと同時に切り口から内部に炎を送り込んで焼く。そして、オーガの左足の先が錦織の肩を掠めた。

 錦織の身体が吹き飛ばされ空中で回転し地面を転がった。


「アッ」

 金光一等陸佐は錦織が吹き飛ばされたのを見て声を上げた。オーガは最後の一撃で息の根を止められたようだ。転がった錦織は、罵り声上げてから起き上がった。肩を痛そうにしているが大丈夫そうだ。


 一方、残りの二匹と戦っている織部一等陸尉たちは大乱戦となっていた。ちょこまかと走り回る隊員の中で二匹のオーガが巨大な棍棒を振り回している。

 やはり再生能力を持つオーガ相手では、普通の剣や槍だと仕留めるのが難しいようだ。折角ダメージを与えても時間が経つと回復しているのだ。しかもオーガは無限の体力を持っているように見える。

 疲れた隊員がオーガの攻撃を受け吹き飛ばされる。致命傷を居った者は居ないが、気絶した者が数名居た。

 このままでは犠牲者が出るかもしれないと金光一等陸佐は判断を下した。


「倉木、森末、筧。織部たちを援護する」


 見ていられなくなった金光一等陸佐が、号令を発した。

 倉木三等陸尉と森末陸曹長は<爆炎魔導印エクスプローズマジックマーク>を唱え始める。一方、筧一等陸曹と金光一等陸佐は<氷結魔導印フリーズマジックマーク>の呪文を唱え始め、ベルトに固定していたパチンコを取り出し、骨弾をセットする。


 呪文が完成し、それぞれの魔導印が骨弾に刻まれると金光一等陸佐が命じた。

「オーガから離れろ!」

 その声を聞いた隊員たちは反射的にオーガから飛び退く。

「爆炎弾発射!」と金光一等陸佐の声。

 倉木三等陸尉と森末陸曹長が同時にパチンコを放った。爆炎弾はオーガの顔に命中し両眼を焼く。二匹のオーガが悲鳴を上げた。

 金光一等陸佐が「凍結弾!」と叫んで走り出す。使い始めたばかりのパチンコで命中させるには近付く必要が有ったのだ。

 まず筧一等陸曹が凍結弾をオーガの肩に命中させ、その筋肉から熱を奪い血管を凍らせる。続いてもう一匹のオーガに金光一等陸佐が放った凍結弾が命中し棍棒を落とさせる。


 金光一等陸佐は確実に命令を実行する三人を見て、よく鍛えられていると感じた。三人を鍛えた伊丹という人物が指導者としても一流だったのが判る。

「倉木、森末、もう一発凍結弾だ。筧は私と一緒に突貫だ」

 倉木三等陸尉と森末陸曹長が呪文を唱え凍結弾を放った。二匹のオーガは両腕が使えなくなった。血管や神経が凍結し麻痺しているだけなので暫く動かないだけなのだが致命的だ。

 筧一等陸曹と金光一等陸佐は<魔纏マナコート>を唱え全身の筋肉を七割ほど強化する。ホーンスピアを構えた二人は驚くような速さで突貫し眼の見えないオーガの首に全体重を乗せた槍の穂先を突き入れた。


 突き刺した槍を捻って傷口を大きくしてから引き抜いた。二匹のオーガから大量の血が吹き出し、足をよろめかせる。だが、オーガの再生力はあなどれない。

「止めを!」

 倉木三等陸尉と森末陸曹長はそれぞれの武器に魔力を流し込む。長柄山刀と山刀鉈の刃に輝きが生じる。オーガに走り寄った二人は首に長柄山刀と山刀鉈を叩き付けた。

 オーガの首にそれぞれの刃が食い込んだ途端、オーガの魔力と反応し強化武器に秘められている源紋が力を開放する。刃から衝撃波が放たれ傷口を大きくする。オーガの首は半ばまで断ち切られた。


 二匹のオーガは致命傷を受け横倒しになった。それを目撃した隊員たちは声も出ないほど驚いた。

「よくやった」

 金光一等陸佐は倉木三等陸尉たちを褒めると他の隊員たちも口々に賞賛する言葉を倉木三等陸尉たちに贈った。

「何か照れるな」

 こういう機会が無かった筧一等陸曹は大いに照れ、女性自衛官二人も顔を綻ばせる。


 金光一等陸佐は情況を確認した。負傷した者たちが数名いる。すぐさま治療を命じる。

 そこに錦織と織部一等陸尉が近付いて来た。錦織が。

「彼女たちの武器は魔導武器なのですか?」

「魔導武器の一種である強化武器だと聞いている」

「強化武器? そんなものをいつの間に」

「何を言っている。この武器を作った職人を紹介したのはあなたですよ」

「ええっ、私が紹介した職人に魔導武器を作れるほどの技量は無かったはず」

「強化武器は魔導核を使わない武器だそうだ。普通の武器職人でも作れると聞いた」


「隊長、そんな武器が手に入るのなら教えて欲しかったですな」

 織部一等陸尉が文句を言う。威力の有る武器が手に入らず苦戦した彼らにすれば、正直な気持ちだろう。

「君らは躯力強化くりょくきょうかの持ち主だろ。修練すれば鋼鉄の剣でオーガも仕留められると聞いたぞ」

「それには長い修業が必要です。神紋レベルが5以上になれば可能だそうです。それよりパチンコから繰り出した魔法は『魔力発移の神紋』の応用魔法なのですか」

「そうだ。私も教わったが使い方次第で強力な武器となる。それはどの神紋も同じだろう」

「隊長は知っていたので『魔力発移の神紋』を選んだのですな」

「もちろんだ。君らが何故『魔力発移の神紋』を軽く見るのか理解出来なかったが、今日使った応用魔法は知られていないのか?」


 錦織が頷き。

「私も初めて見ました」

 金光一等陸佐が説明を求めるような視線を倉木三等陸尉に向けた。

「『魔力発移の神紋』の応用魔法は案内人のミコトさんとある研究者が共同で作り上げた新しいものだそうです」

「ほう、新しい応用魔法を作るとは凄い才能だ」

 この時を境にミコトは自衛隊から注目され、彼らからの依頼が多く来るようになった。


 オーガからの剥ぎ取りが終わり、治療も済ませた偵察部隊はベースキャンプとなるポイントを目指して移動を開始する。

 この一件で倉木三等陸尉たちを見る他の隊員たちの目が変わった。今までは単なる通訳だと思われていたのが、戦力となる一人前の仲間として扱われるようになる。

 


2016/6/3 誤字修正

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