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異世界犬妖精 -Demi god of talent-  作者: 亭恵
最果ての樹海の犬妖精
4/34

廃墟の過去と白骨死体と

目標は一週間で一話なんですが、やはり上手くいきません。もっと速く書ける様に頑張りますので、見捨てないでください。

振り向いたらソコに白骨死体がいました。

「悪霊退散悪霊退散アーメン南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏かしこみかしこみ・・・えーと、それから。」

あーもう、ホラー系は嫌いなんですよ。他に霊に効く物は何がありましたっけ。えっと九字切りとかは臨・兵・闘・後なんでしたっけ。

「いや、何やっとんだ。」

 何やってるって、霊とか霊とか霊とかお化けとか・・・・ってあれ??

「えーと・・・霊とかお化けとかでは無い??」

「まあ、アンデットではあるから一応は霊とかお化けとかでは有るんじゃないか。」

 きちんとした答えが返ってきました。アンデット?ああ、そういえばここファンタジーな世界でしたっけ。あーつまり白骨死体でなく・・・スケルトンってヤツですか?

 

 はい紹介します。スケルトンのスーさんです。

「はぁぁぁぁ。」

 なんでしょうスーさんが溜息ついて何か言いたそうです。いや表情どころか、顔がドクロですけど。

「何でしょうスーさん。」

「・・・そのスーさん辞めてくれないか。」

 何故でしょう。スケルトンだからスーさん。一分の隙も一切の無駄も無い素晴らしい呼び方です。

「何故??」

「・・・・いや、そんなに不思議そうにされても。私にはステラという名前が有る・・・。」

「やっぱりスーさんで良いじゃないですか。」

 ステラだからスーさん。どこが悪いのですかって、あれ?

「ステラというと、ひょっとして女の方ですか?」

 と聞いてみる。すると、スーさんは胸を張って・・・アバラ骨から向こう見えてますけど。

「うむ。このバルト村一の魔戦士のステラだ。御主もコボルトなら知っておるだろう。」

 と言うので間髪入れず。「知りません。」と返しておく。

 当たり前でしょう。この世界に生まれたの今朝ですよ!!そんなローカルな事情どころか普通の常識すら有りませんよ!!ということで、その旨を何故かショックを受け崩れ落ちてorzな状態なスーさんに伝える。なんか驚いてます。

 はて?コボルトってこんな感じで生まれるんじゃないんですかね。妖精ですし。え、そんなわけない?普通は親から生まれる?まあ、異世界転生ですから普通じゃないんですかね。一応、コボルトの横に原種ってありますから。

 というか、この世界の何が常識だかすら分からないんですよね。・・・・・とりあえず、そこで頭を抱えている情報源から取れるだけ情報取ってみますか。


 side out


 ステラことスーさんside

 私はステラ=アースレイ。最初に大地より生まれたコボルトの直系。その中で姓にアースを付けることを許された四氏族の一つ。大地の光アースレイを名乗る者だ。魔剣士の職業を持ち、コボルトの間だけでなく他の人間種にもその名は知れ渡っていた。

 アースレイ家とその配下のコボルトは、ここ最果ての樹海に位置するバルト村で暮らしていた。最果ての樹海はこの大陸の5分の1を覆う樹海で、この大陸で一番の危険地帯だ。だが、そこに居る怪物モンスターから取れる素材は希少で高価だ。また、村の奥には神殿が有り、そこから発する神気が怪物モンスターを近づけなかった。確かに危険ではあったが、200人ほどのコボルトの仲間達と一緒に頑張っていた。・・・・・・あの日までは。

 ドラゴン、地皇竜。それがバルト村を襲った生ける災害の名だった。竜種の中でも最高の防御力を持つ黒い鱗。地属性と火属性の2つの属性攻撃をLV.4まで使いこなす途轍もない知能。なによりも、その巨体が生み出す圧倒的破壊力。一頭で一国を壊滅させたこともある漆黒の暴君タイラントがこの村を襲ったのだ。

 私達は精一杯抵抗した。だが刃は鱗に傷すら付けることが出来ず、魔法は触れることすら無く霧散した。絶望に囚われながら私達は必死に戦った。その甲斐あってや子供や年寄りなどの戦えない者達や、死ぬには早い若い戦士達は逃がすことができた。・・・・・地皇竜に立ち向かった勇士46名 全ての命と引き換えにして。私も皆が使った抜け道を塞ぐための仕掛けを作動させ、その入り口が崩れ落ちるのを見ながら息絶えた。

 地皇竜は生きる者がいなくなったら興味を無くしたのか去って行った。死後、私達はこの村を漂い続けていた。埋葬されなかった魂はいつまでも彷徨い続けると言われている。まさか自分が実践するとは思わなかったが。

 地下を通る通路を塞いでしまったので大きく迂回しなければならず、最も近い城塞都市ルーベンスからでも五日以上は掛かるだろう。樹海で五日も過ごすのは私達樹海に慣れた者達でも難しいし、途中には多くの危険地帯がある。だから、誰もこの場所には来れないし、私達も埋葬されないのでずっと村を彷徨い続けている。

 つらつらと思考を重ねる。避難した弟は大丈夫だろうか。まあ、ルーベンスで騎士をしているフィオの奴が何とかするだろう。・・あの二人付き合ってるの隠しているつもりなのだろうか。身分とか気にしているのだろうか。

 まあ、フィオは信用できる奴なのでこの機会にくっつけば良いだろうし、ルーベンスのライベル大公も避難した者達を保護してくれるだろう。ただ他の死んだ仲間達は私と違い意思や心が残っていないのか、辺りを悲しげに漂うのみだ。彼らを何とかしたいが同じ魂だけになった私にはどうすることも出来ない。だれかが来てくれて彼らを埋葬してくれるのを願うのみだ・・・・・。


 ・・・・・・十年程の時が経った。

 村には雑草が生い茂り、賑わっていた酒場も地皇竜の襲撃で痛んでしまい三年前に崩れてしまった。他の家々も痛みが酷く、多くの家が崩れて言った。

 最近になって意識が飛ぶことが増えて来た・・・・。いつのまにか夜になっていたり昼になっていたりする。他の仲間達は生前の形を取ることすら難しくなって来た様だ。以前は話しかけると何らかの反応を返してくれたのだが、今は話しかけられていることすら分からない様だ。このまま私も薄れて消えていってしまうのだろうか・・・・。

・・・また意識が飛んでいた様だ・・・何か物音がする・・・またホーンラビットでも入りこんで来たのだろうか。・・・・この魔力は・・・怪物モンスターでは無い!?急いで魔力を辿っていくと、そこに十歳くらいの少年がいた。

 容姿は見た事のない黒髪に黒目で伝説のハイエルフに匹敵するほど整っている。幼いのに可愛さが無く、ただ恐ろしいほど美しい。耳が犬の耳のため辛うじてコボルトだと分かるが、精霊や神と言われても納得しただろう。

 正直どんなズルをすればこんな容姿ができるのか、これはもはや自分どころか周囲の運命を巻き込む呪いの類だ。貴族や王族などは確実に放っておかないだろう。まさに傾国の美貌、まともな人生は送れないと断言できる。 だが、当然のことながらその美貌も怪物モンスターには通じない。怪物モンスターは同じ怪物モンスター以外の属性カテゴリーの者を無差別に襲う。属性カテゴリーは魂の形と言うべき物だから、属性カテゴリー怪物モンスターのこの行動は本能を超えた魂の部分で決定されている。美人だろうと醜男だろうとお構い無しだ。手助けしてやりたいが今の私では怪物モンスターに対して嫌がらせすら出来ない。こんな言い方はしたくないが、もはや大地の神ファーマ様に祈るしか無い。

 いや・・・・・何だあれは。瞬く間に複数の怪物モンスターを片づけてしまった。ホーンラビットの亜種やレッドホーンラビットなんてベテランの戦士でも苦戦するぞ。

 大地を操ったアレは【大地制御】(アースコントロール)か・・・。大地の加護を受けるコボルトにとっては幻の技だぞ。確か私のひい爺様が使えたという話を聞いたことがあるだけだ。

 さらに最後にレッドホーンに止めを刺した魔術は何だ??いや、あれはただの魔術では無いだろう。魔術を魔力で作った弓で射出するなぞ聞いたことが無い。ついでに使用した魔術も十歳程の少年が使って良いレベルと威力では無かった。

 いや、最もおかしいのはソコでは無い。最初鉈を構えた時の印象は、魔力は大きいが未熟で短剣の類はそこそこ使えるかと言う程度だった。だが、戦っている内に明らかに凄まじい勢いで強くなっていった。今の印象は魔術師としては一流で短剣は達人級といった印象だ。最初は強さを隠していたのかと思ったが、それにしては不自然だ。信じられないが一回の戦闘で素人から一流の戦士になったのだ。そんなことはあり得ないが、そうとしか考えられない。それ以前に戦闘においてあの落ち着き様は明らかに変だ。疑問は尽きないがともあれ、上手く彼と話せれば仲間達を埋葬してもらえるかもしれない。

 さて、そうと決まれば何とかして話して・・・って怪物モンスターの死体が光に包まれたと思ったら素材に成ってる!!!!!何て便利な技だ!!って驚いている場合じゃ無い。どうすればこちらの言葉が伝わるか。っていつの間にかあんな所に。・・・一瞬で防壁の穴を塞いだ!!!ああもう驚くのが追いつかない!!!って驚いている間に見失った。何処へ行ったくそっ。

 結果だけいうと・・・・話す必要無かった様だ。なぜなら、少年は飯を食った後に自発的に死体の埋葬を始めたからだ。結構広い村中を走り回り、分かりにくい所にある死体も簡単に見付けだして、技も使いながら凄い速さで埋葬していく。僅か3刻もしない内に全ての埋葬をあらかた終えてしまった。今は墓石を立てているが、その全てに名前が刻んである。いや、正確に言うと刻んである状態の墓石を作り出したのだ。

 ・・・・・本当に今日は何度驚いたのか分からない。あれは恐らく神使か精霊の類だと思うことにした・・・・おもに私の精神のために。そうこうしている内に全ての埋葬が終わった様だ。村を当ても無く彷徨っていた仲間達もこの墓所に集まっている。埋葬された魂は一様に安らかな表情を浮かべている。これから魂によって差があるが、数年から数十年掛けて浄化され魂の円環に戻っていく。時間は掛かかるかも知れないが、もう心配することも無いだろう。

 少年が墓石を前に掌と掌を合わせている。どうも祈りの形らしいが普通は指を固く組み合わせるので、あのような(合掌とでもいうのか)形の祈り方は見た事が無い。だが、次の瞬間鮮烈な波動が周囲を突きぬけた。状況も分からないまま、周囲の仲間達が礼を言いながら魂の円環に還っていくのを見上げている。これはかつて、伝説の聖王と神託の巫女が使ったという浄化の御技ではないかと気付いた時には意識が遠のいていった。

気が付くと暗闇の中にいた。魂の円環に戻ったのかと思ったが、久しく忘れていた体の感覚があることに気付いて驚いた。体を動かしてみると、何か重い物が上に乗っている。力を入れて起き上がってみるとバサバサと音がしてそれは落ち、同時に視界が開けた。そこは先ほど少年が作った墓地だった。上に乗っていたのは土と墓石で私は墓の中から甦ったらしい・・・・どこかの演劇で見た事あったぞ、こんな場面。

 とりあえず私は甦ったらしい。骨で・・・・。正直どうした物か・・・。

 自身のステータスを確認してみる。技術スキル 【ステータス閲覧】LV.3使用。


【ステータス】

 

 名前      : ステラ=アースレイ 

 属性(カテゴリー)     : 不死アンデット・祖霊 

 種族      :スケルトン(祝福) 

 年齢      : 20+10

 レベル     : 30

 HP(体力)  : 2000/2000(1500+500)

 MP(魔力)  : 416/416(320+96)

 STR(腕力) : 204(120+84)

 DFE(防御力): 240(150+90)

 INT(知力) : 72(60+12)

 TEC(技術力): 120

 DEX(速力) : 130(100+30)

 REC(回復力): 65(50+15)

技術(スキル)

 【ステータス閲覧】LV.3 【(クロー)】LV.2 【下位属性魔術】LV.2 【剣術】LV.4【盾防御】 LV.3 【スラッシュ】LV.2 【三段突き】LV.2

能力(アビリティ )

 【直感】LV.3 【状態異常完全無効】LV.1 【地属性耐性】LV.3 【獣化】LV.3

『職業』

 戦士LV.60 魔戦士LV.20 獣戦士LV.50


 スキルも問題なく使える様だ。ふと村の奥を見ると煙が上がっている。そちらに進んでいくとさっきの少年が火を使って何かしている。さてどう声を掛けた物か・・・・・・。と、先に気付かれた様で少年が振り向くと同時に。

「「ミギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア。」」

 悲鳴を上げられた。

 ・・・・・・泣きそう。


side out


 ・・・・スーさんの話を聞いた後の感想。

「えーと、つまりずっと見ていたと。」

 この村を歩いている時、何かに見られている様な視線を感じていましたが・・・・・コイツでしたか。水浴びの最中にも視線感じたんですよね。

「・・・・ま、まあ、そうなるな。」

 よし自白 O.K.

「・・・・・・・・覗きかよ、変態。」

グッサアアアアアアアアア、簡潔ゆえに鋭い言葉の刃がスーさんのハートにクリティカル!!!!

「・・い、いや、っそ、それはその。い、いや違う。」

「変態はみんなそう言いますよね~~~。」

 とりあえず・・・・トドメ。スーさん、ピクピクしています。瀕死です。HPはもうゼロです。

 まあ、これぐらいで辞めときましょう。貴重な情報源ですし。

「まあ、スーさんの変態性はともかくとして、もうすぐ夜です。話は明日にしましょう。」

 またホラーな展開は困りますし。得に夜になってからなんて御免こうむります。

 するとスーさんはニヤリと笑って(フィーリングです。骸骨ですので)。

「なるほど・・・・怖いのか。確かにさっき悲鳴上げていたからな。」

 ・・・・・なるほど、変態扱いの仕返しと言うわけですか。良いでしょう・・・、とくと聞くが良い。かのジュ〇ジ・イナガワの怖い話十連発。

「ほう、つまりスーさんは怖い話を聞いても大丈夫と言うわけですね。」

 ・・・・その時の笑顔はステラにはそれはそれは邪悪に見えたそうな。

 結論。薬効きすぎました。

「待て。待て。入れてくれ。」

扉の所にスケルトンが張り付いています。どこのホラー映画ですかコレ。

「なんですか、家作ってあげたでしょう。そこで寝れば良いじゃないですか。」

「待て、待て、今日は一緒の部屋で寝よう。ほら、少年もまだ生まれて一日だしな。」

「別に大丈夫ですよ。男女が一緒の部屋で寝る方が問題ですよ。」

 まあ、骨だからソッチ方面で襲われる心配は皆無ですけどね。でも、同じ部屋で骸骨が寝てる・・・あんま気分良くないですよね。

「そんなこと言わずにな!な!!頼む。」

ハア、しょうがないので部屋に入れて床に毛皮敷いて寝かすことに。・・・・スケルトンも寝る必要あるんですね。

「あ、少年。明りは私が寝るまで消さないでくれ。」

「あんた、どんだけビビってるんだ。」





 

 



ようやく主要人物の一人が出せました。会話の描写がうまくいかず苦戦し、結局2週間も経ってしまいました。。待って頂ける方には申しわけないのですが。次の話の前にスキルや職業をまとめた設定を書くつもりなので、さらに遅くなることが予想されます。調子に乗って色々増やしすぎたので一旦纏めないと収集が付かなくなると思うので・・・・。

出来れば、気長に待って頂けると有難いです。



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