ドラゴンとカブトムシとお肉の鮮度
6月中に投稿する予定が一週間以上も遅れてしまいました。戦闘描写に思った以上に苦戦してしまいました。コメントしてくれる奇特な方々は有り難うございます。ただ、作者はチキンなので出来れば手加減していただくと有難いです。
超越固有技能【魔術の深淵】Limit breakを獲得しました。
魔術系の技能が【魔術の深淵】に統合強化されます。
超越固有能力【万象の覇権】Limit breakを獲得しました。
自然制御系の能力及び【四象の支配者】が【万象の覇権】に統合強化されます。
超越固有技能【武天の極星】Limit breakを獲得しました。
武装を用いる技能及び近接格闘系の技能は【武天の極星】に統合強化されます。
新しい獲物を求めて樹海を奥へと進みます。上位種化後レベルが上り難く成りまして、強めの敵を求めてこんな所に来ている次第です。ココぐらい奥地になると出て来るモンスターも上位以上の強力なのが出て来てます。
ちなみに上位は人が相手に出来る限界と言われていまして、国とか滅ぼした話がゴロゴロ転がってるらしいです。というか国を滅ぼせるモンスターを瞬殺できる自分って・・・・・。
まあ弱くて食われるよりマシですか。ついでに強いモンスターの肉ほど美味いですし、昨日食べた上位の稲妻牛の肉なんて前世で一度食べた松阪牛に匹敵してましたよ!!・・・・・あ、正式名称はサンダ―バイソン、その突進は城塞を一撃で爆砕するそうです。・・・・・まあ、自分はそれにカウンター取って一発で沈めましたけど。後の先って素晴らしいですね。色々な流派で奥義とされているだけのことはありますね。
まあ、そんな感じでレベルアップと高級食材のゲットを兼ねて、こんな樹海の奥地に入り込んできました。
・・・・・独りで。
え、後二人ほどキャラ居なかったかって?あの二人は中位のモンスターが出てくる辺りで自主トレです。ハッキリ言うと・・・・・・付いてこれなくなりました。
まあ今の二人の実力では中位でもけっこう厳しいですけどね。ノルマが課してありますので手を抜いてはいないでしょうし、二人なら死ぬことも無いでしょう。いざという時のために色々アイテムも渡していますし、二人だけでも無いですしね。ノルマを達成出来なかったり、アイテムを無駄遣いしちゃった場合は晩飯のオカズがどんどん減っていくことに成っています。ちなみに昨日の二人の晩飯は一汁二菜。健康的ですね!!
色々とあの二人で試して見た結果、人に技能才を伝えられる【伝承】の技能なんですが、どうやら色々限界が見えてきました。無理をするとハムさんみたいに人格が壊れそうになったり、スーさんみたいに全然覚えられなかったり。・・・・コホン。まあ掻い摘んで言うと【伝承】で伝えられるのは才能という可能性のみ、後は本人次第ということですね。
え、時々不穏な単語が混じった?・・・・・チッ、気付かれましたか。
まあ、あの二人で色々実験を・・・・・技能才が複数発動できる様にしようと【超高速並列情報処理】とか覚えさせようと思いっまして、多少無理させたら何か奇声上げて凄い勢いで笑いだしてちょっとビビりました。あと、特にハムさんの方は症状重くてちょっと焦りました。
でも、お陰で二人に【並列化】という条件付きですが複数発動が出来る様になる希少技能をゲットさせられました。
どうやら特殊や固有は覚えさせようとすると、かなり劣化した物になる様です。森羅万象辞典で調べてみた所、本人の努力でより高位の技能才に成長させられる様です。が、どんな技能才に成長するかは、本人の生き方や努力によってそれこそ千差万別に違ってくる様ですね。なるほど、だから特殊とか固有というわけですな。
自分が与えられるのは種だけ、どんな成長させられるかは本人次第ということですな。
あ、あの後さすがにやり過ぎたと思いオムライスを作ってあげました。あと、すっごく手を抜きながら超越技能の【神速学習】を覚えさせてみた所、二人とも【初歩学習】LV.1という希少技能を特にトラブルも無く十分で覚えました。
やれやれ、どこぞの北風と太陽みたいですね。厳しくするだけじゃ駄目ってことですね。何だか脱力してしまい、その日の訓練は時間を半分以上残して終わりにしました。
あ、後、本人の今までの生き方とか努力とかは技能才の習得のスピードにも関係する様です。スーさんに【隠密】を覚えさせようとしたんですが、普通の技能才では数時間位で覚えさせられるんですが・・・・一日半も掛かりました。
一応、まっとうな魔法戦士なので【隠密】みたいにコソコソする技能才とは相性悪かったみたいですね。恐らく、これからのレベルアップも余り期待できないでしょうね。
あと、技能才で覚えさせた時のレベルは基本は1で、今までそれに関わる努力とかをしていた場合、レベルが2とか3になるようです。他にも実験をやって色々分かってきましたが、まだ確証の得られない物もありますし、この辺にしておきますね。何故か【伝承】は森羅万象辞典で調べても全て情報が開示されないんですよね。多分、自分より高位の存在がこの技能才に何らかの形で関わってるんでしょうね。
まあ、分からない物は考えても分からないので放っておくとして、狩りに集中するとしましょう。油断一発、即死亡です。
とはいえ、今日の狩りは大当たりです。小さい丘程の大きさの擬態が面倒な陸上性の大ダコとか、色々な動物の混ざった合成獣とか、銀色の双角巨大狼とか、黄金の二足歩行の大山羊とか片っ端から狩って行きます。初めての獲物もありますし、味が楽しみですね。
上機嫌で樹海を進んでいると、ここ数日で慣れ親しんだ空気を感じました。この世界に来てから自分でも異常に思えるほど敏感になった闘いの気配です。
しかし、他人の戦っている気配は正直珍しいです。その理由は簡単で、自分はこの世界に生まれてモンスター以外に会ったことのあるのは、あの二人と植物と池のスライム達だけだからです。
基本この樹海、モンスターで溢れていますから、他の動物はスライム達がいた池の様な特殊な場所以外には生息してないんですね。あとモンスターは魔力に反応して襲ってくるので魔力を持たない種族は襲わないんです。
あとスライム達ですが異世界の野菜の残りとか与えて居た所、なんと位階上昇しました。今まで這ってしか移動でき無かった物がボールの様に跳ねて移動できる様になって、表面に目と口が出来て話せる様になりました。
元が非常に弱い種族だったので、魔力の強い良い餌を食べて一気に位階上昇したようです。色も個体によって様々になり、基本全員真面目なせいで訓練も一生懸命にやります。そのため戦闘力もすでに下位のモンスターなら集団で狩れるようになってしまいました。下手をすると、そろそろ今日辺り上位種化する個体が出るかもしれません。そうしたら全員に名前を付けようと思っています。頑張っているのに、いつまでもスライム達と纏めて呼んでいては悪いですからね。
下手するとスライムに戦闘力で抜かされるかもしれませんね、あの二人・・・・・・・。
おっと、急ぎましょう。戦っているのは気配からして片方はモンスターで片方は大型の動物でしょう。その内の一方の動物の方の気配が段々希薄になってきています。急がないと殺られちゃいますね。
・・・・・へえ、モンスターはかなり強いですね。今日会ったモンスターの中で一番かもしれません。しかし、このレベルのモンスターと戦えるとなると、相手の動物もかなり強いですね。スライム達みたいに仲間になってくれるかもしれません。
生い茂る樹木の間を擦り抜けて、全速力で現場に急行します。大体、平均速度約時速600km、時間にして10.7秒ほどで2キロほど離れた現場に到着して一瞬固まってしまいました。
赤い灼熱の皮膚、黒い皮膜を張られた蝙蝠の様な翼、ギロチンの様な鋭い爪、頭からは捻じくれた角が生え、口からは鋭い牙、そしてその牙の隙間からは時折炎が漏れて来ています。そう、それは正しく我々の思うドラゴンであった。
・・・・・いやあ、初ドラゴンですよ、感動です。この世界に来て何時かは出会うと思っていましたが、実物に会うと何かこう、込み上げてくる物が有りますね。男のロマンってやつですね・・・・・。
まずはステータスの確認ですね。
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フレイムドラゴン LV.25
属性:魔物
HP:12300/12500 MP:8500/8600
腕力:3850 守備力:1200
速力:1200 運:750
《攻撃方法》
爪(基礎攻撃力:2200 基礎命中率:85%)牙(基礎攻撃力:3500 基礎命中率:95%)
尻尾(基礎攻撃力:5500 基礎命中率:65% *広範囲攻撃)
《能力》
フレイムブレスLV.3 飛行LV.3 全魔術耐性LV.3 火炎無効LV.4 火炎制御LV.2 自己修復LV.3
◆炎属性のドラゴンで炎熱属性の攻撃は無効化、魔術に耐性、さらに時間を置くとHPが回復していくというドラゴン特有の固さに加えて、遠距離のブレスと地味に物理攻撃力が強い。攻撃力は高いが防御力は低いため、最も討伐された数が多いドラゴンだが犠牲者も最も多いドラゴンでもある。
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さすがドラゴン。ステータス上は今で見たモンスターの中でトップクラスですね!!
一通り感動した所で次のロマンの探究に掛かるとしましょう。それは・・・・・・ドラゴンステーキです!!!いやあ、こればかりは前世でも在りませんでしたからね・・・・この世界では強いモンスターの肉は旨いという法則があるので、期待に存分に応えてくれることでしょう。きっと旨さの余り口から光とか出るんでしょうね。あ、涎が(ジュルリ)。他にも骨や角は良い素材に成るらしいですし、竜晶石という特別な魔石も取れるそうです。何しろドラゴンの素材が一つでも市場に流れると経済が混乱するとさえ言われており、実際に国がニ三個滅びたこともあるそうです。
おっと、闘っている相手がもう危ないですね。相手の見た目を一言で言うと、牛ほど大きさの三本角のカブトムシです。翔翅をフルに使い、三次元的な機動でドラゴンを撹乱しながら闘っています。
が、残念ながら地力が違いすぎますね。ドラゴンの攻撃が彼を捉え始めています。ですが、二本の角を折られながらも、それでも闘志が尽かせずにドラゴンに向かって行っています。その根性は大した物です。
感心して見ている内に、ついにドラゴンの尻尾の一撃がカブトムシを捉え地面に叩きつけました。固い外骨格に守られて耐えることが出来ましたが、ダメージが大きく足取りが覚束ない様です。何より翔翅が破損し、生命線だった機動力が無くなってしまいました。近づいて止めを刺すべく一撃を繰り出すドラゴン。
とりあえず、その攻撃は自分の張った障壁で防いでおきます。行使された魔力を感知したのかドラゴンがこちらに胡乱げな視線を向け、一方の虫さんは驚いた視線を向けます。
疑問や不審を含む絡みあった二つの視線に対し、ヒラヒラと手を振りながら満面の笑顔を返してみました。すると、片やドラゴンの方は怒りの咆哮を上げ、片や虫さんは自身の知覚を総動員してコチラの動きを伺います。
ドラゴンの評価はダウン、逆に虫の評価はアップですね。
ドラゴンの方は明らかに自分を格下だと思っています。確かに魔力を抑えていますが、それで簡単に騙されてしまう辺り、明らかに自分と同格かそれ以上の相手と闘った経験が無いですね。
逆に虫の方は自分をドラゴン以上の脅威と見抜き、ドラゴンへの警戒は一才捨てて自分に集中しています。闘い方から勝手に猪武者かと思っていましたが・・・予想以上に見込みがありますね。
何にしろ方針は決定しました。ドラゴンは肉と素材、虫の方は仲間にする方向で。あちらさんも限界のようですしね。ドラゴンの野郎は思いっきり息を吸い込んでいます。明らかにアレの体勢ですね。虫を巻き込まないためにドラゴンを挟んで反対側に移動します。あれ?・・・・どうやらドラゴンは移動しただけで自分を見失った様で、慌てて周りを探してます。コイツ・・・魔力での感知に頼り切って居ますね。自分が戦闘態勢に入って、ちょっと本気で魔力を隠蔽しただけで見失っていますよ。
トチ狂って虫の方に攻撃されると困るので居場所を教えてあげます。
「・・・・・オイ、こっちだよ。」
ドラゴンは自分の掛けた声に振り向き、驚き、混乱しながらも、闘争本能に従って溜めていた力を解き放ちました。灼熱のブレスがこちらに迫ってきますが、既に防御障壁は完成しています。保険として
もう二十枚ほどの追加の障壁の準備と、氷による相殺も用意出来てるのですが・・・・・・必要なさそうですね、一枚で十分です。
何か簡単に防がれて驚かれてますね・・・・ と云うより、さっき自分のスピードなら見たでしょうに、かわされることを全然考えていないですね。出来れば一芸をいれる位の創意工夫が欲しい所ですが・・・・。肉体の性能は確かに今までのモンスターの中でも文句なしのトップなんですが、それだけです。これで頭が付いて行ってれば結構苦戦したでしょうに、今までその性能でゴリ押ししかしてこなかったんでしょうね。
ま、とりあえず殺りましょうか。正直殺るだけなら苦労はしないんですが、肉として考えると結構難しいですね。まず、出血で鮮度が悪くなるので武器での攻撃は駄目、組織が痛んでしまうので打撃でも駄目、同様の理由で魔術は論外です。・・・・・さて、どうしましょうか。
そういえば、こういう時にピッタリな暗殺拳とかありましたね。指先一つでダウンとか・・・・まあ、駄目で元々、失敗しても今後に生かせますし試しにやってみましょうか。
検索でデータを参照しながら相手の肉体の外見、意識と無意識の筋肉の動き、魔力の波動、魂の震え、などなどからドラゴンの肉体の構造を割り出していきます。
特殊能力【超精密解析】LV.5を獲得しました。
解析終了と。神経の分布と魔力の流れ、筋肉の付き方と体の強度、それから導き出された一撃で即死させ得る弱点は・・・・・・・喉元、逆鱗ですか。この世界の竜にもあるんですね逆鱗。はあ、重要な神経と魔力の流れが集中していますね、しかも覆っている筋肉の量が少ないです。スーさんとかなら当たりさえすれば倒せるかもしれません。ま、サクッと殺るとしますか。
ドラゴンがブレスを吐き始めて7.75秒、あと3.62秒で限界が来ます。障壁の強度は十分、あと1時間は耐えられます。
・・・・・・・・3.62秒経過、ドラゴンのブレスが止みました。障壁を0.01秒で解除して攻撃に移ります。攻撃目標は相手喉元の逆鱗、真っ直ぐ目標に直進し突きを放ちます。稲妻とほぼ同じ速さの踏み込み、それによって弾き飛ばされた爆風が感覚を撫ぜていきます。
それに対する相手の次手は右前足爪による薙ぎ払いです。・・・・悪手ですね。そもそもソレでは間に合いません。やるのなら牙による噛付きを選ぶべきでしょう。自分が喉元を狙う以上近づかざるを得ませんし、ブレスで口の開いた体勢なら殆んど体勢を変えずに攻撃できます。
やはりギリギリの戦いをしたことが無いことが致命的なミスを生んでいます。自分も技能才に頼り切りだと同じように成るかもしれません。もっと修行しないと、そんな自省を込めて一撃を逆鱗に叩きこみました。
希少技能【暗殺術】LV.5MAXを獲得しました。
【武天の極星】に統合強化されます。
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神経と魔力の流れを寸断され即死したドラゴンを亜空間に放り込んで、虫の方と話しをすることにします。まずは状態を確認するためにステータスを確認します。
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メガサンダービートル LV.12
属性:甲鎧蟲
HP:50/600 MP:200/200
腕力:550 守備力:700
速力:1800 運:1500
《攻撃方法》
爪(基礎攻撃力:600 基礎命中率:99%)体当たり(基礎攻撃力:700 基礎命中率:85%)
雷角(基礎攻撃力:1000 基礎命中率:90%)
《能力》
全魔術耐性LV.1 雷電無効LV.2 雷電操作LV.4 魔力障壁LV.2 飛行LV.5MAX 甲鎧強化LV.3
《状態》
翔翅破損:飛行不可
角破損:角を用いた攻撃30%ダウン。雷電操作攻撃威力20%ダウン攻撃精度40%ダウン
甲鎧破損:防御30%~50%ダウン
◆メガビートルの特殊個体。雷属性への耐性と甲鎧による高い防御力を誇る。高い知能とスピードを武器に10匹から20匹の群れでの狩りを行なう。上位のモンスターすら獲物とすることがある。
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とりあえず害意が無いことを示すために回復魔術をかけまして、折れていた角と翔翅が元に戻って行きます。傷が治った所で、まずは出来るだけ警戒させない様に話しかけてみます。
「や、大丈夫だった?」
少々軽過ぎましたかね。まあ、技能才のお陰で言ってる意味伝わるとは思いますけど。
(・・・・・感謝。)
おや、彼は言葉を理解出来るようですね。
(・・・・・・頼み)
そう言いながら彼は踵を返して歩き出します。
(・・・・・こっち。)
・・・何と言うか、エライ断片的な物言いというか。警戒されてるんでしょうか。まあ、いきなり現れてドラゴン秒殺ですから、傍からみると怪しさ大爆発ですねえ。
彼に連れられて来た場所は大木の洞、しかし周囲に所々に焦げ跡や破砕痕があります。典型的な襲撃跡ですね。彼の同種と思われる死体が転がっています。
(・・・・治療。)
成るほど、ドラゴンを振り切れる機動力が有りながら逃げなかったのは、このせいですか・・・・。
なんとかしてやりたいところですが・・・・・。
「・・・・・自分でも死者を生き返らすことは出来ません。」
(・・・・・やっぱり。)
・・・・そりゃあ落ち込みますよね。
この世界では死んだ者の魂は一定時間が経つと輪廻に戻ります。輪廻に戻った魂を無理やり戻したりすると魂に重大な障害が発生したりします。下手をすると今後の輪廻に、とんでもない悪影響を与えたりするので絶対やらない方が良いですね。
彼らは既に輪廻に戻っていま・・・・・・・。
アレ?
「って、何人か生きてるじゃん!!!!」
って人じゃ無いから人って数えるのは違う、いやそんなこと、どうでも良くて。
うわあ、虫系生物の生命力舐めてたよ!!そういえば前世では昆虫は頭部だけに成っても数時間は生きてることも有るって言われてたし!!
慌てて全域に広域回復魔術を掛けて時間を稼ぎ、ダメージの大きい方から治療していきます。三本角の彼には生きている方の上に折り重なった死体を退かして貰ったり、千切れた部分を探して貰ったりして貰います。
10分くらいで四名の生存者全員を助けることが出来ました。・・・・いやあ焦った焦った。
全員メガビートルと言う頭に一本の角の生えた大きなカブトムシの様な種族です。内訳はオス一匹メス三匹です。三本角の彼は特殊な個体のようですね。
生き残った全員で死体を埋葬して一息ついた所で、今後のことについて話すため、生き残りの中で纏め役をしているメスの個体と話し合いをすることにします。
(いやあ助かりました。あのままじゃ死んでましたわ。)
アレ?何か三本角の彼とはエライ雰囲気が違う様な。
(ああ、兄とエライ雰囲気違うから戸惑ってんですな。兄は昔から無口でしてな。いっつもあんな感じなんですわ。)
成るほど彼は無口キャラでしたか。別に嫌われてるとか警戒されているとかじゃ無かったようです。
(まあ、おかげで妹のワタシが兄の分まで、えらく御喋りになってしまいましてな。この前も・・・・・・)
その後一時間休みなく無駄話は続き、見かねた無口な彼が止めるまで彼女のマシンガントークに付き合わされました・・・・・・・・・。今後のことはその後3分もしないで決まったことだけを記しておきます。
予定していた所に中々辿りつきません。というよりキャラの数が予定より多くなってきています。収集が付く様に頑張ります。