戦神と皇龍と立ったフラグ
今回は月一は投稿しようという自分ルールすら守れませんでした。自分の筆の遅さに絶望しています。読者の方々におきましては、見捨てずに頂きまして非常に有難く思っています。
どうか今後ともよろしくお願いいたします。
村に帰って来た所、寝ていた二人が起きていました。
「クロエどの!!今さっき何かトンでもない力の爆発が!!」
「地皇龍が近くにいるかも知れん。気を付けないと。」
「ああ、さっきの自分ですよ。」
「「え゛」」
ふむ、この二人にも分かったということは・・・・・・少々派手にやり過ぎましたかね。【精霊撃】と【神霊素操作】はヤバイのは分かっていましたけど、そこまで目立つとは予想してませんでした。
とりあえずフリーズしている二人を、45度の角度から叩いて正気に戻して意見を聞いてみます。
「うーむ。さっきの力は感知系の技能才を持っておる者なら、かなりの広範囲の者達が何かを感じたと思うぞ。」
「どれぐらい目立ちゃいましたか?大体で良いんで分かりませんかね。」
「周囲500キロメルトルぐらいの人やモンスターが何か感じた程度で済むんじゃないかのう。実際ワシらは何かの力としか分からんかったからのう、これ以上距離が離れると感じても詳細は分からんと思うぞ。ただドラゴンとか神とかは分からん。アレらの性能は青天井だからのう」
「だが、ここ最果ての樹海では原因不明の力の爆発や破壊などは良くあることだからな。地皇龍もいるから余り気にはされないはずだが・・・・・何をやったんだオマエ。」
「少々派手な物を試したんですよ【神霊素操作】と【精霊撃】・・・・・。」
「「ちょっとまてえええええええええ。」」
あ、この反応はやっぱりヤバかったんですね、あの技能才。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・2時間35分45秒経過。
技能【体内時計】LV.5MAXを獲得した。
技能【討論術】LV.5MAXを獲得した。
やれやれ、えらい長い時間話しましたね。
・・・・・話を纏めると神霊素というのはこの世界全てを構成するとされる物で、これを操れるということはぶっちゃけ世界を操れることと同じらしいです。・・・・あれですね前世の量子力学でも同じようなこと言ってましたね。
特殊固有技能【魂魄量子コンピューター】LV.5MAXを獲得した。
【超高速並列情報処理】が【無限時空演算処理】にバージョンアップしました。
うわあ。また何かとんでもない技能才を手に入れちゃいましたね。インフレが止まりません。便利だから良いですけど。
とはいえ、しばらくは用心して拠点の整備をして過ごすことにしましょうか。最低限のインフラは整備しましたが前世に比べればまだまだ全然お話にならないレベルです。あらゆる技能才を駆使して徹底的にやりますよ。結界張って、城壁にも付与魔術で強化して、堀も深くして・・・・夢は広がりますね。題して「バルト要塞魔改造計画」。最終的には要塞砲とか装備したいですね。ふっふっふ誰も止められませないぜ!!
◆※◆※◆
「何だ?」
何か暇なので地上を観察していたら異常な神霊素の爆発を感じた。
「場所は・・・・・『始まりの場所』か。」
普通はそこで興味を失っただろう。実際他の気付いた奴らは興味を無くした様で、気配が引いていくのを感じる。だが、俺は今の爆発に俺の権能である『闘い』の匂いを感じた。何か楽しいことが起きそうな気がする。こういう時の俺の勘は非常に良く当たるんだ。
俺はまあ一言でいうと『闘い』の女神だ。ここ天界では正直厄介者扱いされている。だがまあ、『光』の屑みたいに『天』のクソババアに媚び媚びなんてのは正直胸糞悪くなる。
「さあてと。」
下界の奴らが最果ての樹海と呼んでいる所は本来『始まりの場所』と呼ばれるべき所だ。この世界を作った創造の女神が最初に作った場所らしい。これには裏話があって、御袋・・おっと創造の女神は実は世界創造は初めてであり、そのため最初は上手く作ることが出来ずに別の高位の神の力を借りたらしい。
あの『始まりの場所』にはその別の神の力が色濃く残ってるもんで原因不明の力の爆発やら。モンスターの大量発生やら、新しい種族や精霊の発生やらメチャクチャなことが良く起きる。まあ、あそこ自体が異界みたいなもんだ。
そんなことが下界の奴らに知られたら創造の女神の沽券に関わるってんで『天』のクソババアが隠蔽した結果、最果ての樹海なんて呼ばれ方している。
全く。そんなもんばっか気にしてやがるから『光』の屑みたいな奴がのさばるんだよなあ。奴らと取り巻きは最近下界で人間の差別主義者集めて宗教作ってやがるし・・・・・。地界の神の忍耐も無限じゃないんだぜ。『地』のバアさんが温厚だから他の神を抑えているけど・・・・天界と地界の大戦争なんてシャレにならんぞ。まあ、その時は地界に付くかな。御袋も別の世界に旅立つ前にもうちょっとキチンとしていって欲しかったぜ全く。
自分の腰まであるオレンジ色のクセッ毛を一本切り取り、神力を込める。自分のことながら、このクセッ毛は好きじゃない。いくら梳かしても跳ねちまうし、香油とかをベタベタ塗るのは気持ち悪い。正直始末に悪いんだよな。
まあ、そんなのでも術の触媒としては使えるもんで伸ばしている。今回それを使って作ったのは翼を持った獅子だ。在る程度戦闘力がないとあそこでは食われちまうから結構、神力を込めた。コイツの見聞きしたことは即座に俺に伝わる様になっているし、在る程度の自立した思考も出来る。命を下すと、翼をはためかせて『始まりの場所』に飛んでいく。
さあて愉快なことが起きるといいが・・・・。
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妙な力を感じて、まどろみの中から意識が浮き上がっていく。前回目覚めたのが十年位前になるか・・・・・此度の目覚めはかなり早い。
我は龍。かつてこの世界を作りし我が主創造の女神が、一番最初に自らの補佐とすべく作りだせし二匹の皇龍が独り。
この領域はかつての主が最初に作られ、新たな場所に旅立たれた場所。我は主に付いて行くことを望んだが、それは叶わず。さりとて、主の子らのこの世界の主導権争いに関するのも馬鹿らしく、主の力の色濃く残るこの領域に籠っている。主もなぜ一緒に連れて行ってくれなかったか・・・・・・いや未練だろう。我はこの場所でゆっくり朽ちていくのを待つのみじゃ。創世の力が残るこの領域には主の子らすら迂闊に手はだせん。時々鈍感な人間どもが不遜にも巣を作ったりするが、その場合は大きくなりすぎる前に駆除している。・・・・確か前目覚めた時、巣を一つ潰した様な覚えがある。
今回感じた力は何というか妙だ。正直生まれて此の方感じたことの無い神霊素の波長だ。神霊素は操る者によってその波長を変えるが、この世界に生まれた存在は精霊であれ、神であれ、主に創造された以上は似た波長になるが、あの力の波長は主とは掛け離れている。まるで主が創造したものでは無い別の世界の存在が発した力の様だ。
休眠状態だった心臓をゆっくりと活動状態に移行していき、それと共に全身に活力源である神霊素と補助として魔力、闘気が巡ってゆく。全身が戦闘状態に移行するまで数か月程かかる。即座に移行することも出来るが、何しろ全力を出せる状態になるのは数万年ぶりだから慎重に越したことは無い。直感が告げているのだ・・・・全力を出せる状態で行けと。
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一つの伝説の始まり。
最強の龍。地皇龍との決闘のフラグが立つ。
ゴールデンウイーク中にもう一話書きたいと思っているのですが・・・・無理かもしれません。
期待しないで待っていてください。




