NOVA
いつか人は死ぬ。
―――万物に平等に―――
ねぇ、あの星は…いつまで生きるの?
ねぇ、この星も…いつまで?
…新星…
一瞬だけ、生まれて、そして死ぬ。
死の一瞬だけ…知らせるように、生きた証を…儚く…光ってみせて。
私も、あの新星のように…輝けるのかな?
『…ノヴァちゃん、眠れないの?』
「ぁ…シスター…」
『まあ…新星ね?あなたの名前とおんなじ。…もう少し早くくればちゃんと見れたのに、残念だわ。』
「また、きっと…うまれて消えていきます。」
そっと硝子越しに、闇夜に浮かぶ星を見上げた―――。
「…ゴホッ…ゴホ…っ!!」『ノヴァちゃん!!』
青ざめたシスターが、いつものように介抱してくれる。吐き出された血を見るのは何度目?
もう…生きても死んでも同じ…。死んだら、父さんや母さんに逢えるかな…。
目を瞑れば、そこは暗闇。
一ヶ所がぐにゃりと歪み、一人の男の子がカタチを現す。
…ああ…知っている。なんて懐かしい…
『…シャドウ…』
黒髪に碧い瞳。そっと微笑む姿…初めて見た、成長した弟の姿…。
近づこうとすると、彼は“来るな”と首を振る。
オレンジ色の瞳が哀しげに揺らぐ。
…“まだ生きろというの?”と。
もう、いいじゃない。あの時、私に生きろといってあの場所から押し出して…
一緒に生きたかったのに、キミは生まれてこなかった。
あの方が…私達を一緒に母に宿したというのに…運命は冷酷。
“生きたかった…
けど、ノヴァに…ボクの姉さんに、誰よりも生きてほしかったんだ…”
ああ…そうだ…。忘れていた…彼が、誰よりも私が生きることを望んでいたことを…。
この想いをたよりに、生きてきていたのに。
どうして見失っていたのだろう…
私の想いを悟ったかのように、シャドウは笑顔をむけると、ある方向を指差す。
光の…命の扉。
いつか…一緒に開いた、あの扉。
きっと開けたら…もうシャドウには逢えない。でも…。彼に後押しされるように、そっと扉のむこうへと歩きだした…。
作者が一時期、どうしても鬱から抜け出せなかった時期がありました。
その時に、ふと思い浮かんだ情景(夢だったかも?)です。
7歳くらいの痩せこけた少女が、瞳にもう一度命の灯を宿した瞬間、涙がとまらなくなりました。
自分が、思い出せるようにと、文に認めた所存に御座います。




