衝突
読んでいただけると幸いです
最初の一撃は、
森を焼いた。
獣人領の外縁で、
火柱が立ち上る。
木々が爆ぜ、
地面が抉れる。
「……始まったな」
城の高台で、
ザイードが低く呟いた。
風に混じる、
焦げた匂い。
「王に伝えろ」
影が走る。
*
城の奥。
リオは、
遠くの衝撃を、
身体で感じていた。
胸が、ざわつく。
歪みではない。
だが、
世界が乱暴に揺さぶられている。
「……魔術……」
誰かが、
この場所に向けて、
力を振るっている。
それだけで、
十分すぎるほど、分かった。
*
ガルドは、
城門前に立った。
背後には、
迎撃配置についた獣人たち。
「境界線は越えさせるな」
短い命令。
「殺すなとは言わん。
だが、深入りはするな」
――追い返す。
それだけが目的だった。
*
人間側の第二波が来る。
雷撃が、
森を裂く。
獣人の前衛が吹き飛ばされ、
地面を転がる。
「――来るぞ!」
咆哮とともに、
獣人たちが突撃する。
剣と爪がぶつかり、
魔術障壁が砕ける。
血が飛ぶ。
悲鳴が上がる。
だが、
獣人側は引かない。
*
ガルドが、
一歩、前に出る。
それだけで、
空気が変わる。
王の魔力が、
大地に重くのしかかる。
魔術師たちの詠唱が、
一瞬、詰まる。
「……っ、圧が……!」
火球が、
逸れる。
雷が、
地面に吸われる。
打ち消しているわけではない。
ただ、
通りにくくしているだけ。
それが、
王の威圧だった。
*
城の中。
リオは、
窓辺に立ち、
遠くの戦場を“見て”いた。
歪みではない。
だが、
魔術が放たれるたび、
世界の輪郭が荒れる。
それが、
痛い。
「……やめて……」
無意識に、
歪みを抑える。
戦場の周囲で、
魔術の余波が、
わずかに和らぐ。
誰にも気づかれない程度に。
*
人間側の指揮官が、
歯噛みする。
「押し切れない……!」
「獣人王が出ている。
これ以上は損耗が――」
判断は、早かった。
「撤退!」
角笛が鳴る。
*
獣人たちは、
追わない。
境界線で足を止め、
武器を下ろす。
それだけで、
十分だった。
ガルド強すぎ
なに!?あの王の威圧だけで敵の攻撃が弱まるやつ
設定間違えたかな(笑)




