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未精霊達の成長

 ミカの携帯食をリンとマシロが食べながら歩いて帰っている途中、何度も魔物と遭遇した。どうやら、この数日で魔物達は森に戻ってきているみたいだ。全てリンに返り討ちにされていたが…。そして鳥を見つけるな否や追い掛け回して捕まえてきた。今飼っている鳥と同じ鳥だ。両手に白い鳥が首根っこを掴まれている。雌を二羽捕まえたから当分卵には困らなそうだ。マシロが「リンお姉ちゃん有難う!」と目をキラキラと輝かせながらお礼を言っている。

 家に帰ると、畑に新しい飼育小屋が立っていた。ラピスが作ってくれたみたいだ。リンが畑に向かって新しい飼育小屋に白い鳥を入れていく。すると、すぐに卵を産んだようで卵を両手に持ちながら戻ってきた。マシロに卵を渡すと、玄関のドアを開いて「ただいま~、あれ? ラピスとレイが増えてる?」と先に家に入っていく。俺とマシロも続いて、家に入ると、ラピスとレイの形をした未精霊達がそこにいた。


 「おかえり~。貴方達、帰ってくるの早かったわね。畑に飼育小屋を作っておいたわ。それと見て見なさい。未精霊達があたし達の姿を真似てきたの! それに言葉もはっきりと喋るようになってきたわ。そろそろこの子達にも名前を付けた方が良いと思うの。ソラ、貴方がつけてあげなさい。この子達は貴方の眷属みたいなものなんだから」


 ラピスはそう言いながら未精霊達に向けて指を指している。未精霊達は「パパー、名前つけて、つけて~」とトテトテと歩き寄ってくる。形だけを真似ているだけで空は飛べないし、色も水色と黄土色だから、分かりやすい。どうやら水の未精霊はラピスを、土の未精霊がレイを真似ているようだ。精霊に性別なんてあるのかどうか分からないけど、水の未精霊には女の名前を、土の未精霊には男の名前を付けた方が良さそうだな。早速名前を考えてみる。


「水の未精霊はマリン。土の未精霊はノアなんてどうかな?」


 周りに視線を向けて反応を伺ってみると、皆がウンウンと頷いてくれた。これで未精霊達の名前がマリンとノアに決定した。マリンとノアは「パパー、有難う~」とピョンピョン飛び跳ねながら感謝している。相変わらずリンが触ろうとすると、逃げるのは変わらないみたいだが、その他とは上手くやっているみたいだ。もう自我も確率したみたいだし、未精霊ではなくなったのかも知れない。未精霊達も成長しているみたいだし、リンも成長というか、少しは大人しくして欲しいものだ。

 マシロが夕食の仕度を始めだした。外を見て見ると薄っすらと日が落ちてきている。もうそんな時間か…。俺は床の扉を叩いてピナコにお酒の進捗を確認する。ピナはすぐに上がって来てくれた。アルコールの強いお酒の増産は順調で一日に大樽一個分のペースで増えているらしい。俺はピナコに継続してお酒造りをしてもらうことを頼んだ。

 さてと、プロペラの原型とガスの準備はこれで大丈夫だろう。あとは何が必要かな? プロペラを動かす機構とバリスタくらいか? バリスタはガイアス達に考えてもらうとして、プロペラを動かす機構なんてガイアス達に分かるかな? 俺は簡単な構造で代用できないか考えてみる。う~ん、ミニ四駆くらいしか思い浮かばない…。モーター部分はどうしたらいいだろうか。自転車みたいにペダルで漕ぐとか? そういえば、俺以外の人員を考えていなかったな。考えると色々と必要なものがポンポンと出てくる。まずがプロペラを動かす為に、小型の飛行機をラピスにお願いして作ってもらおう。それでラピスやレイにペダルを漕いでもらってプロペラで空を飛べるかも確認してみるか。

 ラピスに思考を読み取ってもらって、飛行機の原型を木材で作ってもらうことにした。


「ラピス。お願いがあるんだけどいいかな? 竹とんぼを動力として使いたいから俺の思考を読んで、木材で飛行機を作って欲しいんだ。細かい部品はあまりないから作れると思うんだけどどうかな?」


 ラピスは「やれやれ、しょうがないわね。見せて見なさい。作ってあげるわ」と快く了承してくれた。ラピス先生、有難うと心の中で感謝して思考を読んでもらう。


「ん~。これなら直ぐに出来そうね。大きさはあたしとレイが乗れるくらいなのよね? あたし達、リンと違ってそこまで力仕事出来ないと思うんだけど…」


 ラピスが両手を組んで悩んでいる。


「飛行機は小さい程、軽いから大丈夫だと思うんだ。問題は耐久性だけど、魔力で強化すれば行けると思う。試作で動くかどうかだけ確かめたいだけだから、空を飛べるくらいまで漕がなくてもいいよ」


「そう。なら直ぐに作ってあげるわ。待ってなさい」


 ラピスが余っている木材を樹魔法で加工して模型の様な飛行機を作ってくれた。それを見たリンが興味深そうに近付いてきた。


「ねぇねぇ。これ前に作ってもらった玩具に似てない? 飛行機? だったっけ。見た目そっくりよね」


 玩具の飛行機を持ってきて、見比べている。


「似ていて当たり前だ。同じ飛行機だからな。外見は同じでも中身が違うんだ。こっちはペダルを漕げばプロペラが動いて移動できるはずだからな。ラピスかレイ、試してみてくれないか?」


 ラピスはレイに視線を向けてレイにお願いする。レイは恐る恐る、飛行機に乗り込み、ペダルを漕ぎだした。木で出来たギアがギャリギャリ音を立てると、プロペラが回り始めた。そして少しずつだが飛行機が前進していく。それを見たリンが、「これ、私も乗りたい! ラピス、作って!」とお願いしているが、リンが乗れる大きさの飛行機を作ろうとしたらここにある木材じゃ全然足りない。ラピスが返事をする前に俺が却下した。

 リンが頬を膨らましてブーブーと文句を言っているが、ラピスも「リンが乗れる大きさなんて作るのが大変で嫌だわ」と首を左右に振って断っている。そんなやり取りをしているうちに夕食の仕度が出来たようだ。マシロが「夕食が出来たよ~。冷めないうちに食べよ」とリンを慰めている。

 リンは珍しく静かに夕食を取っていた。余程飛行機に乗りたかったらしい。でもあれ玩具としては子供が乗るようなものなんだけどね。リンは見た目より年が言っている割には、精神年齢が低いように見える。まあ、エルフの里では腫物の様な扱いをされていた反動なのかな…。仕方ないから助け船でもだしてやるか…。


「リン。どのみちガイアス達に原理を理解させるために、作ることにはなるんだ。だからガイアス達に作ってもらえばいいだろ? 頑丈なものを作ってもらえれば空だって飛べるかも知れないぞ?」


 それを聞いたリンが俺に飛びついてきた。


「ホント! やった~。ソラ大好き~♪」


 俺はリンの頭をなでなでしながら、落ち着くように諭すと、自分の席に戻って夕食をガツガツと食べ始めた。マシロ達から軽い溜息が聞こえてきたが、元気のないリンを見るとこっちの元気もなくなってくるのだ。分かって欲しい。


「じゃあ、明日も俺とリン、そしてマシロでドワーフの村へ行こう。ラピスとレイは今日と同じくお留守番をしてくれ。鳥も増えたし、マリンとノアの世話を頼む。場合によっては数日あっちに寝泊りしないといけないかもしれないからな」


「わかったわ。こっちはあたしに任せなさい。マリンとノアも大人しくしてくれるようになったから楽勝よ」


 ラピスが胸を張って答えてくれる。

 夕食が終わると、リンは早々にみーにゃと寝てしまった。マシロも食器の後片付けが終わると、ラピスとレイと一緒に寝てしまった。マリンとノアは俺と同じで寝なくていいらしい。暇を持て余すのもなんだし、リンにあげた飛行機と車の玩具を与えて二人で遊ばせておく。

 俺はその間に、エンデに思考を読んでもらい、飛行機の設計図を描き起こせないか色々と試してもらった。結果、木の皮を紙の様にして書き起こすことに成功した。これを持っていけば、ガイアス達に飛行機を作ってもらうことが出来る。エンデにお礼を言って、家に戻ろうとする頃には辺りは日が昇って明るくなってきていた。

 玄関の扉を音が鳴らない様に静かに入ると、マシロが既に起きていて朝食の仕度を始めていた。ラピスとレイも起きている。マリンとノアは依然として飛行機と車の玩具で遊んでいた。珍しくリンだけが起きていない状況だった。


「リンお姉ちゃん、興奮してあんまり寝れなかったんだって。だからもう少し寝かせてあげてね」


マシロがクスクスと笑いながら教えてくれる。遠足前の小学生か! 余程飛行機に乗るのが楽しみだったようだ。この反動がどこかに現れなきゃいいけど、と思いながらリンが起きるまでマリンとノアの相手をすることにした。

未精霊達が成長してラピスとレイの形になりました。そして飛行機を作ったらリンが乗りたがりました。リンの体力なら空も飛べそうです。

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