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家に帰ろう

 ガイアスもちゃっかり席に座っているが、まあ、聞かれても問題ないだろう。リンとマシロに向き直り、話題を切り出した。


「風の大精霊フェリーゼ、ドワーフそしてトレント達からも頼まれたことなんだが、敵の兵器の無力化を俺にしてほしいとお願いされたんだ。大精霊に至って一月の期限を設けてきた。受けないと大精霊から何をされるか分からないから、受けることはほぼ確定なんだけど、リンとマシロにも意見を聞きたいと思ったんだ。リンとマシロはどう思う?」


「私もやりた~い。あいつら絶対に許せないもん!」


「リンお姉ちゃんはこういっているけど、ソラはその兵器を無力化するアイディアはあるの? それを聞いてみてからかな~」


 リンは鼻息荒くプンスカしてやる気満々だが、マシロは方法が分からないと何とも言えないと首を傾げている。俺は現状考えている中でもっとも効果的だと思うアイディアを提案する。


「まずは、飛行船を作って、空から強襲する。フェリーゼの話だと、空を飛ぶ兵器の話は聞かなかった。恐らくまだ空飛ぶ兵器は出来ていないんだろう。出来ていたら思考を読ませてくれた時に見せてくれたはずだ。それで空から俺の岩を飛ばす魔法で敵の拠点を攻撃して兵器を炙り出す。出てきた兵器も拠点を攻撃した魔法で一網打尽にする。これなら一方的に攻撃出来て被害は出ないと思うんだが、どうかな?」


 俺は周りを見回すと、リンは目をキラキラさせながら、「ねぇねぇ、飛行船って何? 空飛べるの? 私も乗ってみたい」と大はしゃぎしている。それに反してマシロとガイアスは口をあんぐりと開けたまま、唖然としていた。空を飛べる乗り物を理解できていないんだろう。


「ソラ。お主、空を飛べる乗り物を作ることが出来るのか? もしかしてそれをワシらに作らせる気ではあるまいな!」


「アイディアはあるが、実際に出来るかどうかは分からないよ。でも作るにあたって、大量の布とロープ、それに木材が必要になるからドワーフとトレントの協力は必要だと思ってるよ。俺は知識としてあることはわかっていても、構造は詳しく知らないからね」


 ガイアスは少し驚いた後、ニヤリと笑って、「その飛行船とやらを作るのを手伝ってやろう」と答えてくれた。内心、空を飛ぶ乗り物に興味があるに違いない。ソワソワして落ち着きがなくなった。リンはテーブルに手を付けながらぴょんぴょんと跳ねて、「私は絶対乗るからね。マシロいいでしょ~?」と聞いているが、「飛行船に乗るのは構わないけど、行くのはダメに決まってるでしょ」と返している。恐らくマシロは飛行船の懸念点を薄々分かっているらしい。俺に視線を向けて、「ソラ。万が一落ちた場合、乗ってる人はどうなるの?」と聞いてきた。


「そりゃ、地面に真っ逆さまだな。俺は空を飛べるから問題ないけど、リンやドワーフ、それにトレントが乗るとしたら、空を滑空する装備も作らないといけないな。パラシュートっていって、布を開いて落下スピードを軽減するんだけど、重いほど大きくなるからリンやドワーフはともかく、トレントのは作れないと思うな」


「ほらね。リンお姉ちゃんは万が一のことも考えてないでしょ。私、リンお姉ちゃんに何かあったら嫌だから絶対行かせないからね! でも、試運転はしないといけないと思うから、その時は乗ってもいいよ」


 マシロは試運転は乗っても良いけど、人間を攻める時に一緒に行くのはやだと首を横にブンブンと振る。それを聞いたリンは、「う~~~ん」と悩みに悩んだ後、肩をがっくり落として「分かったわ。飛行船は乗せてもらうけど、攻める時は一緒に行かないわ…」と諦めてくれた。


 リンとマシロのやり取りが終わるのを待っていたガイアスが、詳しい話を聞いてきた。


「それより、大量の布とロープ、それと木材だったか? それでどうやって空を飛べるんだ? どういう原理か分かっているのか?」


 原理は分かるけど、実際に飛行船を見たことはない。ゲームのF●シリーズやジ●リの魔女の●急便や天空の城ラ●ュタで出てきたのを知っているくらいだ。あとは試行錯誤して作るしかない。魔法がある世界だから、多少大雑把な作りでも行けると思っている。


「あぁ、分かっているよ。ガスって分かるかな? アルコールが気化した場合にも発生するんだけど、ガスは空気より軽いんだ。だからガスは上に上がっていく。それで大量の布で作った袋に入れていくと、袋が浮き上がるんだ。その浮き上がった袋にロープを色々なところに括り付けて船を吊り上げる。あとはプロペラを船の左右にでもつければ、進路も変えれると思う。一番の問題はプロペラをどうやって動かすかだな。その問題が解決しないと、空に浮いて風に流されるだけになっちゃうからね」


「ガスとプロペラが良くわからんな。あとで見せてもらえないか? 簡単に原理が分かるやつが良い。それとガスを布にいれたら空気みたいに洩れるんじゃないか? そこはどうするか考えているのか?」


「布に漆かそれ似た樹脂がないかトレント達に聞いてみるつもりだ。それを布に塗ればガスが漏れにくくなると思うんだよね。ガスはそうだな。布で風船を作ってみるよ。プロペラは竹とんぼで良いと思うんだ。こっちも一緒に作って持ってくるよ」


「そんなに簡単に作れるものなのか!」と目をパチクリさせている。「材料があれば子供でも作れるんだ。直ぐに作れるよ」と答えると、リンが食いついてきた。


「はいは~い。そんなに簡単なら私も絶対作る! ねぇねぇ、マシロも一緒に作ろ!」


「うん。面白そう。ソラ。私達の分も用意してくれるかな?」


「じゃあ、ワシの分も頼む! 原理を理解するには作るのが一番だからな。ガッハッハッハ」


 結局、全員分の用意をしないといけないみたいだ。でもモノづくりが楽しいのはこっちの世界でも同じみたいだ。皆、笑顔でウキウキとしている。俺はガイアスに布の用意と木材の用意をしてもらう。ガスはアルコールから用意した方が良さそうだが、皆が飲んでいる様なお酒じゃ心もとないな…。ピナコに頼んだ方が良さそうだ。一度帰った方がいいかも知れない。樹脂はトレント達に聞けば大丈夫だろう。

 俺はリンとマシロに、ガスは帰らないといけないから、「一度帰らないか? エンデにも報告しないとだし、そういえば、ラピスとレイはどこにいったんだ? 戦闘が終わってから見かけていないけど…」


「あぁ、ラピスとレイは出来ることがあまりないからって、戦闘が終わったらエンデのところに帰ってもらったの。皆大騒ぎしてたから、言ってなかったね。ごめんね」


 どうやら、ラピスとレイは先に帰っているらしい。なら報告はもう済んでいるってことだな。ピナコのことは話せないし、むむむと悩んでいるとマシロが助け舟を出してくれる。


「鳥や未精霊達も心配だし、一旦家に帰りましょ。ガイアスおじさん、私達、挨拶が済んだら一旦帰りますね。お世話になりました。


「いやいや、お世話になったのはこっちの方だ。挨拶するなら酒場に皆を集めた方が良さそうだな。ドワーフ達はワシが呼んでくるから、お主達はトレント達を呼んで来てくれないか? 全員でなくてもいい。さすがに全員は集まれないからな」


「わかった。その時に漆や使えそうな樹脂がないかも聞いてみるよ。じゃあ、リンとマシロ、行こうか」


 「うん」と返事が返ってくるのを確認すると、俺達はガイアスの家を後にして、トレント達が休憩している井戸に向かった。

 井戸に着くと、トレント達はほとんどが立ちながら眠っていた。フェリーゼが来て酔いが覚めていたと思ったが、緊張が解けて眠くなったらしい。起きていたトレントが教えてくれた。俺はさっそく起きているトレントに耐熱性のある漆や樹脂みたいなものがないか尋ねてみた。


「漆? 聞いたことない言葉だが、燃えにくくて粘りのある樹脂なら心当たりがある。乾けば粘りも多少はマシになったはずだ。トレントの中にその樹脂を持っている者がいる。起こそうか?」


「いや、今は必要ないから、ゆっくり眠らせてあげよう。それより、俺達は一旦家に帰るから、皆に挨拶するため、ドワーフ達が今酒場に集まっているはずなんだ。トレントからも代表で誰か来てくれないか?」


 話を聞いてくれたトレントが「ワシで良ければ行こう」と立ち上がってくれて、一緒に酒場に向かってくれた。

 酒場に着くと、村の住民が全員揃っていた。大人達の中にはまだ飲み足りないのかお酒を飲んでいるものもいる。どんだけお酒が好きなんだよ。っていうかこんだけ飲んでいてお酒が無くならないとかどうなっているんだ? ふと疑問に思ったが、深く考えても無駄だと悟り、ゴミ箱にっぽいと投げ入れて忘れることにした。

 ガイアスが代表して前に出てくる。


「お主達のおかげで、森と村を守ることが出来た。飛行船作りも全力で協力する。トレント達にも協力を仰ぎたいなら、トレントもこの村に留まって欲しい。いいかな?」


 俺に挨拶をした後、代表として来てくれたトレントに向かってガイアスが提案をする。トレントは「ああ、分かった。もう少しお世話になろう」と了承してくれた。これであとはガスの確保が出来れば飛行船が作れそうだ。

 俺達はドワーフ達とトレントにそれぞれ挨拶をし、家に帰るための帰路につくことにした。

飛行船作りのアイテムを手に入れる為に、一旦家に帰ります。

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