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皆でキャンプ気分

 ラピスとレイが合流したので、畑の脇でキャンプみたいな状態になった。鉄板が出来たら皆でBBQが出来そうだ。俺は今後の予定にBBQを追加しておく。


「ラピスとレイも揃ったことだし、今日は外で食べてみないか? リンはみーにゃを連れてきたらどうだ? マシロはピナコに昼食を持って行ってあげてくれ」


「わかった~。外で食べるなんて軽食くらいしかないから、楽しみ~♪」


「うん。ピナコに持って行ってあげるね」


 リンとマシロが家に戻っていくのを見送りながら、俺はラピスとレイに視線を向ける。


「レイはこの家がどんな雰囲気か分かってきたか? リンが色々やらかすから慣れるまでには時間がかかるだろうけど、自分のペースで慣れていってね」


「うん。リンは苦手だけど、この家は居心地がいいよ。ラピスお姉ちゃんが色々教えてくれるし、頼りにしてるよ」


 レイはまだ恥ずかしそうにモジモジしながら答えてくれる。ラピスは頼りにされて嬉しいのか「えっへん」と胸を張りながら腰に手を当てている。いつの間にかお姉ちゃん呼びになっているので、レイとラピスは姉弟の関係になっているみたいだ。


「ただいま~」


 リンが走りながら戻ってくる。みーにゃも相変わらずリンの首に纏わりついている。マシロも後ろから水を持ってきながら帰ってくる。どうやらラピスとレイ用の水を持ってきてくれたみたいだ。気が利くいい子だ。


「ピナコにも食事は持って行ってもらったみたいだし、皆で昼食にしようか」


「さんせ~い。早く食べましょ食べましょ。体動かしたからお腹ペコペコよ!」


「うん。皆で食べよ。リンお姉ちゃん、スープのお替りはいっぱいあるから食べてね」


 リンとマシロは畑の横にある切り株に座り、食事の準備をし始めた。俺は食事が出来ないので今日も眺めるだけだ。

 今日の昼食は燻製した鳥のハムと野菜、リンが取ってきた茸と、野菜を炒めて作ったスープにオムレツだ。ラピスはマシロの左肩に、レイは右肩に乗りながら水を貰っている。どうやらラピスとレイの定位置は決まったらしい。傍から見たらマシロは妖精にモテモテだ。羨ましい。

 リンとマシロは、オムレツを食べながら燻製のハムや野菜、茸を食べていく。オムレツ単体ではいまいちだろうけど、一緒に食べることで良い具合に調和が出来ていると思う。二人とも美味しそうな満面の笑みで食べ進めていく。


「うわ。この青いお芋もちもちですっごく甘くなってる! 蜂蜜みた~い。生で食べるのと全然違うね。不思議~」


「ん~♪ ほんと美味しいね。 なんでこんなに甘くなるんだろ? 蜂蜜の代わりに色々と使えるかもね」


 どうやら青い長芋みたいな野菜は、サツマイモに近いものだったみたいだ。燻製されて火が少し入ったことにより、甘みが増したらしい。リンは余程気に入ったのか、ガツガツと食べ進めている。みーにゃも少し貰っては「んにゃ~んにゃ~」と目を輝かせながら食べている。みーにゃにもかなり好評のようだ。青い長芋がサツマイモに近いなら蒸したり焼くことでデザートが作れるかもしれないな。

 マシロはどう調理したらこうなるのか不思議がっている。あとで教えてあげるのもいいな。マシロと二人っきりで料理し合うとか最高のシュチュエーションじゃないか! マシロに料理を教えることも俺の今後の予定に入れておく。


「ねぇねぇ、この燻製した食材、スープにも入れたら美味しそうじゃない? ソラはどう思う?」


「食材によると思うけど、基本的には合うと思うよ。一通り味見した後に入れてみたら?」


 リンは「そうする~」と言いながら、次はスープに手を伸ばす。ズズズ~と音を立てながらゴクンッゴクンッと飲み干してお替りを頼んでいる。熱くないのかな? まだスープに湯気が出てるのに、俺はマシロに視線を向ける。マシロはリンにスープのお替りを渡した後、フーフーしながらスープをコクコクと飲んでいる。どうやら、まだ熱いみたいだ。リンが相変わらずおかしいんだと思う。


「燻製した野菜も美味しいけど、あたしはスープの方が好きね。野菜って炒めるとこんなに美味しくなるのね」


「うんうん、僕はあんまり食事してないからわからないけど、これすっごく美味しいよ」


ラピスとレイにはスープの方が好評のようだ。燻製は香がいいけど、味はスープには敵わなかったみたいだ。

 俺はマシロとラピスに「外にもキッチンスペースあるといいんだけどね~」と提案してみると、ラピスが後でエンデに頼んでみるそうだ。なぜ作るのにエンデに頼むのか疑問に思ったが、エンデは体の一部を変形させることが出来るらしく、家の中のキッチンや地下室なんかもそうやって出来たみたいだ。エンデも有能だな。寝てばっかりだと思ってたけど、考えを改めた方が良さそうだ。

 昼食は皆満足したようだ。完食している。リンに至ってはスープがなくなるまでお替りしていた。お腹がパンパンに膨れておへそが見えている。いつもながらはしたない。マシロもいつも以上に食べたせいか目がトロンと眠そうな顔になりながら、調理器具や食器の片付けをしている。俺はマシロの手伝いを買って出た。マシロには好かれていたいからね。

 リンはみーにゃを連れて早々に家に帰ってしまった。昼寝をするに違いない。リンの行動はもう読めてきた。ラピスとレイはまた空地へと向かって森の中へ消えていった。まだ、教えることがたくさんあるのだろう。そんなリンやラピスを他所に俺とマシロは調理器具と食器を片付けを続ける。

 片付けが終わって家に帰ると、リンとみーにゃはスヤスヤとお昼寝をしていた。良いご身分だ。まあ、少しは働いていたし、良いんだけどね。マシロも調理器具と食器を片付けたら自分のベッドに入り、「少しお昼寝するね。ソラは未精霊や鳥の世話をお願いね」と言い切ったら寝てしまった…。可愛い。俺はリンとマシロの寝顔を交互に見ながら気分をほっこりさせた後、お願いされた通り、未精霊と鳥の世話をすることにした。


 まずは未精霊達だ。キッチン脇の井戸から水を汲み、指で混ぜて魔素の濃度を上げておく。そして未精霊達に水を上げようとしたところ、俺は未精霊達に変化があることに気づいてた。水の未精霊はスライムみたいな丸い形状になっており、ポヨンポヨンと跳ねている。土の未精霊も丸い形状だが、泥状の体をしているためか、ベチャンベチャンと跳ねている。まだ喋れないみたいだが、明らかに自我が芽生え始めているようだ。

 試しに水を上げてみると、口をあけてガブガブと飲んでいる。口は一つになっているので、前の様な気持悪さはない。まだ喋れないみたいで、未精霊達は口をパクパクしているだけだ。もう少ししたら何か喋れるようになるかもしれないな。リンやマシロはまだ寝ているし、未精霊達のことは起きてから報告しておくか。


 未精霊達に水をあげたら、次は鳥達の世話だ。俺は家を出て畑にある飼育小屋に向かう。黒い鳥は飛躍的大人しくしているが、白い鳥は俺を見るなり怯えだした。そういえば、鳥達の前で卵の調理とか始めたから母親としては怖いのだろう。子供を殺してるようなものだしな。案の定、卵がたくさん産まれていた。心なしか白い鳥は衰弱しているようにも見える。俺は畑から適当に野菜を見繕い、白い鳥には黒い鳥より多めの餌を与えておく。

 黒い鳥は餌を食べ始めたが、白い方はビクビクしながら怯えるだけで、餌を食べようとしない。どうやら、俺がいるせいで食べる気がでないみたいだ。俺は畑を後にして、家に戻ることにした。


 家に戻ると、入口に未精霊達が出迎えていた。どうやら入っていた木の箱から這い出したらしい。あの小さい木の箱じゃ今の未精霊達じゃ小さいかもな。どうするか迷っていると、水の未精霊はむーむーと喋り、土の未精霊はンヴァーンヴァーと喋り出した。さっきまで喋れなかったのに早すぎじゃないか? これも与える水の魔素の濃度を上げたせいだろうか。俺は水の未精霊と土の未精霊を持ち上げてみる。

 水の未精霊はスライムの様な感触だが、土の未精霊は水気の多い粘土の様な感触だ。水を餌として与えているせいだろう。ん? なんか手から魔素が出ていく感覚がある…。さてはこの子達、俺の手から魔素を吸っているな…。俺はテーブルの上に未精霊達を置くと、未精霊達はテーブルから飛び降りて俺の方へ向かって移動してくる。家の中を移動してみると、俺の後について来る。デジャヴかな? 前にもこんなことがあった気がする。まあ、あの時は鳥や狼だったけどね。

 俺の体は魔素の塊みたいなものだから、餌に見えているに違いない。俺は未精霊達が必死に追いかけてくるのを逃げながら眺めていると、ラピスとレイが家に戻ってきた。ラピスは呆れたような顔をしながら、溜息を吐いている。


「はぁ~、未精霊達がなんか元気になってるみたいね。それにソラを追いかけてる? ソラの魔素を水に入れてたせいで餌扱いされてるわね、きっと」


「それは薄々感じてるから言わないでくれ。それよりラピス。この子たちが這い出さない様にもう少し大きめの木の箱を作ってくれないか? さっきからずっと追い掛け回されてるんだ」


「はいはい、ちょっと待ってなさい。レイも手伝いなさい。練習には丁度いいわ」


 ラピスはレイと一緒に樹属性で前より少し大きめの木箱を作ってくれた。これなら今の未精霊達でも出てこれまい。試しに出来上がった木箱に未精霊達を入れてみる。未精霊達は這い出そうと試みているが、箱の中でひっくり返って出てこれなかった。少し余裕もあるみたいだし、今はこれでいいだろう。問題なのはこの変化を知ったリンがどういう反応をするかだな。俺はラピスと目を合わせると、二人して大きな溜息を吐いた…。

皆でワイワイ燻製と鍋料理を食べました。マシロが感動してます。そして未精霊達に変化が…。この先どうなることやら。

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