変異結果
すみません、投稿が遅れてしまいました。
「面白いね。」
「驚愕ですよ。ミミズがたった1週間でここまで進化するんですか。」
リクカイクウをばら撒いて1週間、より驚く為に誰も外に出ないようにしていた。
1週間ぶりに外に出るとそこ新種の宝庫となっていた。
「凄いな〜、あれだけ大きかったミミズがこんな小さいのも生まれたんでしょう。」
コリーが砂に手を突っ込むと何かを掴んで見せた。
そこには糸のように細くなったミミズがいた。それも一匹どころか10や20とコリーの小さい手の中で蠢いていた。
「あれはトンボに似ているが、節が多いし足も多い。昆虫の定義じゃないよ。」
「色も様々だね。保護色から茶色が多いけど、警戒色で緑や黄色もいるな。」
一種から進化したにしては多種多様過ぎる事から何か他に原因があるのは明らかだった。
「あのオアシスの泉から微生物から進化したのだと思います。」
「ヴム、何か知っているの?」
ドライアド姉妹はこの1週間変異し続ける植物の管理に手一杯になっていた。
それも1週間もすれば慣れてきていた。
ヴムはその中でも外に少しだけ意識を向けていた。その中でオアシスにある植物に異変が起きていた。
それは変異ではなく食されたという危険信号だった。
それもミミズとは似ていない噛み傷からオアシスの泉を探ってみると泉の中はとんでもないことになっていた。
「泉の中は生物で溢れかえっています。微生物が進化してより大きく多細胞になりました。そこから弱肉強食を繰り返してより強いものが生き残る地獄と化しています。」
そこで負けた者や強者から逃げる為に陸へ適応したのである。
変異菌にはどの種とも変異菌による変異によって交配が可能となっていた。
だから、陸へ進出した種がミミズから進化した種と交配して新たな遺伝子を作っていった。
「この生態系が出来た要因は………」
「オアシスにあるね。」
「砂漠も変わったね。」
砂漠はアヨニ達が来てからずっとサラサラしていた。
それなのに今は土のように変化して色も赤色に変化していた。
それは砂漠のより深い所まで潜って鉄がある階層に辿り着いた種がいると言う事である。
そして、その排泄物には鉄が混じっているだから。砂漠の砂に混ざって酸化して赤くなっているのである。
「土壌の改良は進んでいるね。」
「ここまで行けばより多種多様な植物も生まれるでしょう。」
ヴムとしてはより良い種を産ませる為には多種多様な土地が必要だった。
この鉄砂は新しい土地として役立つと確信していた。
「おおーい、隊長!幾つか狩って来たぞ!」
「うへぇ、ベトベト。」
肉質など外部からでは分からないものも把握する為、隊員に適当なものを狩って来てもらっていたのである。
頭も良くなってきているのか、隊員達を警戒して運んでいる死骸を狙おうとしていなかった。
いつものミミズ達なら空腹から同族でも死肉を狙って来ていた。
このまま行けば罠など張る種も出るかもしれない。
具体的に言えば蜘蛛の様な糸を出して待ち伏せする種や草や岩に擬態してくる種も出てくるかもしれない。
「肉質も変わっていた。」
「血液も違ったよ。ミミズは赤だったけど、これは青色。」
切った感触からミミズにはなかった硬い筋肉の感触や内骨格のなり損ないの様な骨があった。
血液も赤色から青色へ変化していてより環境に適応した結果だと判断した。
「味はイマイチ。」
「これならミミズの方がマシだな。」
捕まえてきたのはムカデの様に足が多く、しかも全て二股に分かれてキモさをより倍増させていた。
ミミズより硬い装甲をしているが節が多くなっている為、弱点箇所も多くなっていた。
中身はミミズより硬くなっている上に味も落ちていた。
食糧としてはミミズの方が上だった。
「家畜を早く飼いたくなりますね。」
「そうだね……建造物ガチャも回せることになったから。試してみるのも良いかもね……」
未知の原生生物を多量に発見した為、色々とクエストがクリアになっていた。
その中に建造物ガチャの回数券も入っていた。