第16章~はるにゃんルール
ここで、けいすけさんが立ち上がりました。
けいすけ「そろそろ30分だな、2人を起こさないと!」
はつのり「そうですね、少しは休めたんじゃないですか?」
けいすけ「おーい、そろそろ起きろ!」(2人の肩を揺らす)
しげあき「う、ううう…」
ひでゆき「あ、あっ、あ~」
けいすけ「おい、大丈夫かよ?」
しげあき「あれ…?確か俺は…」
ひでゆき「う~、頭がくらくらする…」
けいすけ「やっと起きたんだな、お前ら合コンの途中で酔いつぶれて寝ちゃったんだよ」
しげあき「マジか…、最悪だな俺は…」
ひでゆき「ヤっバ、何という失態…」
けいすけ「あと30分で合コンが終わるけど持ち堪えられるか?」
しげあき「いや、それは無理だと思う…」
けいすけ「おい、しっかりしろよ!ここで温かいお茶でも飲んで酔いを覚ませよ」
ひでゆき「悪いけど動けるうちに帰るから」
しげあき「俺もそうするわ」
はるみ「ちょっと待ってよ!合コンの最後にカップル発表があるからそれまで待てない?」
しげあき「本当ゴメン…、今回は辞退させてもらうわ…」
ひでゆき「確かにね、そんな気分じゃないからね」
しげあきさんが立ち上がった時、幾分後方にふらつきましたが何とか持ち直しました。
ひでゆきさんは柱に手を付いて立ち上がりました。
しげあきさんは、財布から1万円を取り出すと、それをけいすけさんに渡そうとしました。
けいすけ「おいおい、もう会費は払っただろ!」
しげあき「いや、これは迷惑料だよ!2次会に行くんならこれで楽しんできてよ」
けいすけ「別にそんなの要らないよ!今のところ2次会に行く予定もないからさ」
しげあきさんは、けいすけさんの制止を無視してひでゆきさんにも迷惑料を出すように言いました。
しげあき「帰るならお前も出せよ!少しでも悪いと思うなら誠意を見せろよ」
ひでゆき「じゃあ、俺もこれで…、皆ゴメンね…」
しげあきさんは、迷惑料として2万円をけいすけさんに渡そうとしました。
しかし、けいすけさんはそれを受け取ろうとはしませんでした。
そこで、しげあきさんは迷惑料の2万円をはるみさんの前にサッと置いて、ひでゆきさんを引き連れてそそくさと帰っていきました。
皆さんは、しばらく呆気に取られていました。
はるみ「これは私が預かっておくけどいい?ずっとここに置いておく訳にはいかないから」(皆さんは黙って頷く)
きらり「カップル発表はどうしますか?」
まさき「いや、うちらも帰りましょうよ」
りえ「そ、そんな~」
けいすけ「俺もこれ以上傷口が広がらないうちに帰った方がいいと思うよ」
はつのり「でも、はるみさんが言っていた高確率でなんちゃらとかも気になるけどね」
かなえ「どうすんのよ?私はどっちでもいいけど」
はつのり「せっかくですし、ここは1人でも希望者がいたらやるっていうのはどうですか?」
きらり「賛成~!」
はるみ「じゃあ、私が考えたルールに則って、カップル発表をやりたい人はいますか~?」
きらり「は~い、是非やりましょう!」
りえ「当然やるわ!ここで帰るなんて許さないわ!」
ある「ヤバっ、こんなに気合いが入ったりえっちは初めて見たわ~」
はるみ「そう、じゃあ今からルールを説明するわね」
(ここからははるみさんのお話になります)
「私はね、彼氏が出来る前には、神頼みをしていれば何もしなくても誰かが幸運を授けてくれると思っていたのよ」
「だけどね、実際は失敗しても傷ついても目的に向き合っている人にしか幸運は訪れないのよ」
「それでね、いろいろと出会いの門戸を叩いたのよ」
「最初は何をするにも夢中だったわ」
「だけど、途中からある事に気付いたのよ」
「それはね、男女はこうあるべきだという先入観に囚われ過ぎていたんだってね」
「特に、恋愛においては性別に関して盲目になりがちだからね」
「何が言いたいかっていうとね、要は男女関係なく肉食系か草食系かって事なのよ」
「出会いにとって重要なのは、肉食系の積極さと草食系の懐の深さなんだってね」
「これからのルールは、私が肉食系と判定した人は草食系の人を選ぶ権利を与えます」
「選ばれた草食系の人は拒否権がありません」
「但し、肉食系の人は翌日には草食系の人に電話をして、10日以内にデートをしなければなりません」
「何でこんな事をするのかっていうとね、カップルになっても連絡先を交換しただけで何もしないで帰って行く人がいるからなのよ」
「あと、ルール上での縛りだと、デートをしなくてはならないのは初回限りだからね」
「これは、初回のデートで大炎上した場合の救済措置になります」
「だから、草食系の人は2回目のデートが嫌だったら、ルールに則って拒絶してもいいって訳なのよ」
「ここで、よくある質問なんだけど、男女共に肉食系だった場合はレディーファーストという事にして下さい」
「じゃあ、草食系同士だったらってなると思うんだけど、メンバー全員が草食系だったらこのルールは無効になります」
「あとは、肉食系の人が誰も相手を選ばなかった場合は、カップル率が0%になります」
「この考えに至った経緯なんだけど、草食系の人って何をするにも判断が遅いから、そこは肉食系の人に委ねようって事なのよ」
「皆さんはこのルールについて質問がありますか?」
きらり「はい!このルールの名称は何ていうんですか?」
はるみ「う~んとね…、そこまでは考えてなかったわ…」
かなえ「だったら、はるにゃんルールでどうかな?」
ある「あら、それいいわね」
かなえ「では、はるにゃんルールに決定しました~」(パチパチパチパチ)
きらり「それじゃあ、はるにゃん先輩!肉食系と判定した人を発表して下さい!」
はるみ「そうね、私とけい君を除いた4人の肉食系を発表するわね」
りえ「何か緊張するわね…」
はるみ「この合コンの肉食系の方は~、しげ君とひで君ときーちゃんとりえっちでーす!」
一同「おー!」
はるみ「だけど、しげ君とひで君は途中退場していないから、きーちゃんから草食系男子を選ぶかパスするか決めてね」
きらり「は~い」
はるみ「あと、誰かを選ぶ時には一言お願いね」
きらり「え~、はっちゃんにもっと占ってもらいたいです!それと、異性運が悪い者同士で仲良くしたいです!よろしくお願いします」
はるみ「はい、カップル成立おめでとうございま~す!」
はつのり「えっ、それで終わり?そっか、拒否権が無いんだっけ?まだちゃんと把握してなかったけど、とりあえずお知り合いになったって事でどうぞよろしく!」(パチパチパチパチ)
はるみ「え~、続きましては~、りえっちから草食系男子を選ぶかパスするか決めてね」
りえ「は~い」
りえ「あの~、まさ君!今度上野とかで洋服を見に行きましょう!あと、まさ君とは他でもいっぱいデートがしたいです!よろしくお願いします」
はるみ「はい、カップル成立おめでとうございま~す!」
まさき「ええ、近いうちに上野に行きましょう!こちらこそよろしく」
はるみ「りえっちさ~、何か凄い欲張ってるけど、ルール上でのデートの縛りは1回だけだからね」
りえ「了解で~す」
はるみ「本日のカップルは2組でした~!ありがとうございました~」
はるみ「カップルになった皆さんは連絡先を交換して下さいね!それと、明日には草食系の方に連絡がいきますので電話をする時間を決めといて下さいね」
きらり、りえ「はーい!はるにゃん先輩ありがとうございました~」
はるみ「いや~、これで私が来た意味があったんじゃない!ホッとしたわ~」
隣席の合コンでは、2人の男性が途中で帰るとういうハプニングがあったものの、ここでは強引にくっ付けた感が満載のはるにゃんルールのお陰で盛り上がっていました。
これで、合コンはめでたくフィナーレを迎えるものだと思われましたが、この直後から暗雲が立ち込めてくる事になったのです。




