第15章~まさきさんの散々な過去
(ここからは、まさきさんの話しになります)
「それは、今から3年以上前になるかな」
「あの時の俺は400ccのバイクに乗っていたんですよ」
「バイト先に従業員用の駐輪場があったから、いつもバイクに乗って行ってたんだよね」
「あの頃は、長髪のトレンディ俳優が人気だったから、俺も真似して髪を伸ばしていたんですよ」
「だから、バイトは長髪でもうるさく言われない裏方の仕事をしていたんです」
「あの日も、いつものようにバイクに乗ってバイト先に行ったんですよ」
「ただ、その日は何かとトラブルがあって帰りが遅くなったんですよ」
「バイト先では後ろ髪をヘアゴムでくくっているんだけど、ヘルメットを被る時はヘアゴムを外して長髪を靡かせていたんですよ」
「あ~、今日は遅くなった…、早く帰ってお風呂でも入ろうと思ってバイクを走らせていたら、俺の後ろから改造バイクが煽って来たんだよ」
「そのバイクに乗ってる奴は、肩に掛かる位の金髪パーマで明らかにヤンキーだったんだよね」
「その時、俺はこう思ったんだよ」
「何だよ…、疲れてるんだから勘弁してくれよな…」
「とにかく後ろのバイクには関わらないようにしないとな…」
「それで、抜かしたいならどうぞって思って減速したんだよね」
「そうしたら、俺のバイクの後ろにピッタリ張り付いてきたんだよね」
「何だよ、俺が何かしたのかよ…、って思っていると、後ろのバイクの奴が何か叫んでるんだよね」
「何だろうと思って更に減速すると、聞こえてきた言葉がこれなんだよ」
「やーらーせーろっ、やーらーせーろっ!」
「マジか!此奴、俺を女だと思ってんのか?」
「ヤバい…、早く逃げないと!」
「そう思ったものの、信号待ちの度にあの声が聞こえてくるんだよ」
「やーらーせーろっ、やーらーせーろっ!ってね」
「そんな事になるとは考えた事もなかったから、俺は心底追い詰められたんだよね」
「それで、一気に振り切ろうと思って高速に乗ったんですよ」
「高速なら有料だしこれで撒けたんじゃないかと思ったんだけど、バイクの丸ミラーを見たら高速まで追って来ていたんですよ!」
(ここでりえさんは両手を胸にギュッと当てていました)
「俺はその時、ふと頭に過った事があったんだけどね」
「もし、このヤンキーが両刀使いだったら男も女も関係ないんじゃないかってね」
「結局、高速は1つ先で降りたんだけど、下道でも付け回されたんだよね」
「気が付くと30分以上もひっつかれていたんだけど、さすがに決着をつけないと体力的にヤバかったんですよ」
「その間もずーっと、やーらーせーろ、やーらーせーろ、って連呼していたから、どのみち捕まったら1発位はぶん殴られると思ったんだけどね」
「逃げてる途中で警察官が見えたんだけど、こっちの事には目もくれずにいたんだよ」
「だから、此奴が女狙いって事に賭けて、次の信号待ちでヘルメットを取ってこう言おうと思ったんだよ」
「まあ、待ってくれ!勘違いしていると思うけど俺は男だよ!ってね」
「だけど、知らない町まで来ちゃったんで、それを言うタイミングが無かったんだよね」
「だから、体力の続く限り持久戦に持ち込む事にしたんですよ」
「そうしたら、左側に細い脇道があったんで、本能的にそっちに曲がったんですよ」
「だけど、数秒もしないうちに行き止まりになってしまったんだよ」
「それも、その先が墓地になっていたんですよ」
「俺はそれを見た時、もう逃げきれないと思って頭が真っ白になったんだよね」
「それで、もうダメかと思ったんだけど、何故か無傷のままで帰って来る事が出来たんですよ」
「でも、あの時は怖かったな~」
「今までは感じた事が無かったんだけど、世の女性はあんな恐怖を味わっているのかと思ったら複雑な気持ちだったよ」
「はい、お話はこれでおしまいです」
(しばらくシーンとなる)
まさき「あれ?何か感想とか質問は?」
きらり「最終的にはどうやって逃げたんですか?」
まさき「それが、ずーっと無視して走っていたら、いつの間にかいなくなっていたんだよ」
はつのり「それって、途中に警察官がいたからなんじゃないですか?」
まさき「いや、それが警察官の横を通過する時には、確実にヤンキーのバイクがミラーに映っていたんだよ」
ある「じゃあ、その後って事になるわね」
まさき「多分、脇道に入ったのが運命の分かれ道だったんじゃないかな」
はるみ「それにしても、行き止まりが墓地とはね…」
まさき「そうなんですよ、アスファルトの道が急に土になったからおかしいとは思ったんですよ」
かなえ「もしかして、どこかの御先祖様が助けてくれたんじゃない?」
まさき「そうかもしれませんね」
はるみ「あれ~?りえっちの感想は無いんですか?」
りえ「あ~良かった~、ヤンキーに掘られなかったのね!」
はるみ「はぁ~?やっとこさ出た感想がそれ?」
かなえ「まさ君の事が心配だったのよね」
まさき「因みに、体目当てでヤバい奴に追い回された事ってありませんか?」
(女性陣は一斉に首を横に振って)「無い無い!」
きらり「そもそもバイクに乗らないからね」
ある「もし、私がそんな事になっちゃったら即事故りそう…」
まさき「じゃあ、俺は相当運が悪かったって事になるね」
(何とも言えない空気が流れる)
はるみ「ところでさ、何でりえっちはさっきからくねくねしてるの?」
りえ「え~、そんな事してないですよ~」
きらり「はっ!もしかして、りえっちの体の芯に火がついちゃったんじゃないの?」
ある「りえっちは欲情にかられてくねくねしていたのね」
りえ「なっ、何て事言うのよ!」
きらり「それに、あんなにエッチな下着を付けてたら、女の部分に食い込んじゃうじゃん!」
きらり「あ~、さっきからあのシースルーのショーツが頭から離れない~」
りえ「営業妨害するな~!まさ君が引いたらどうすんのよ~」
ある「それだったら、さっきの感想もかなりぶっ飛んでたけどね」
はるみ「ギャッハハハ~!ヤバい~、お腹痛い…、もう止めて~」
かなえ「はるにゃんが笑いのツボに入った~」
はるみ「合コンで女の部分が疼いているとか言っちゃう?」
きらり「疼いているなんて言ってないですけど~」
はるみ「同じようなものじゃない、ムラムラしてた事には変わりないんでしょう?」
きらり「りえっちは分かりやすいからね~」
りえ「ねえ、まさ君!」
まさき「はい、何でしょうか?」
りえ「お近付きの印に…、首筋にキスマークを付けてもよろしいでしょうか?」
ある「ヤバい!りえっちが壊れた~」
まさき「あの、それは…」
かなえ「早速まさ君にマーキングする気ね」
きらり「まさ君をロックオンしたのは分かったから」
はるみ「ちょっと待ってよ、まさ君の意見もちゃんと聞かないとね」
はつのり「まっさんもこんなに好かれた事ってないんじゃないの?」
まさき「まあそうだね、それにしても今日の合コンは強烈だな~」
きらり「別に無理しなくてもいいのよ、“俺はこんなにエロい女は嫌いだ!お仕置きしてやる~”って言って、りえっちのお尻をパーン、パーンって引っ叩いちゃってもいいんじゃないの?」
ある「りえっちにそんな事をしたら、寧ろご褒美になっちゃうじゃない!」
はるみ「プっ!あ~ダメだ~、もう言わないで~」
(一同釣られて笑う)
りえ「言っとくけど私は本気よ!」
はるみ「分かった分かった!絡みはデートが出来るようになってからね、今日は私が高確率でくっ付けてあげるから」
きらり「私の時もお願いしますね」
はるみ「2人が起きたところでカップル発表だからね!」
皆さんは、その言葉を聞いて俄然やる気が出てきました。




