第13章~合コン開始から1時間後の混沌
しげあきさんの話が終わると、先程届いたばかりの青リンゴサワーの入ったピッチャーを、けいすけさんとはるみさんが皆さんのグラスに注いでいきました。
ある「何か、風俗嬢が一生懸命なのが伝わってくるわね」
はるみ「心のケアまでしてくれるなんて健気じゃない」
しげあき「チャレンジが失敗に終わるとがっくりするからね」
かなえ「性的なサービスって全裸でしてくれるんですね」
しげあき「そうそう、風俗嬢は脱いだ下着を入れる為、小さな籠を持ってソファーに来るんだよ」
はつのり「因みに、2回目が成功した秘訣とかってあるの?」
しげあき「それは、腹式呼吸をしてリラックスする事だな、興奮して心拍数がガッと上がっちゃうと失敗するよ」
まさき「まっ、俺には無理そうけどね」
けいすけ「話は変わるけど、俺は性風俗のオプションでパンスト破りをやった事があるんだけど、あれって思いっきりやらないと破れないんだよね」
しげあき「うん、それは分かる」
けいすけ「ちょっと破れたから止めようとすると、もっとビリビリに破いて下さいって言われるんだよね」
しげあき「結局、あれって疲れるだけだよね」
(一同笑う)
ひでゆき「何でもいいけど、合コンでこんなエロい話ばっかしてんのうちらだけじゃない?」
ある「それもノーガードに近いよね」
はるみ「そうね、私達どっちの路線に向かっているんだっけ?」
かなえ「あれ~、何でこんな流れになったんだっけ?」
ここで、皆さんは今までの会話の流れを考え始めました。
その時です。
急に合コンの場が騒然となりました。
けいすけ「おい、しげあき!大丈夫か?」
しげあき「だーぶーぶ、だーぶーぶ」(大丈夫、大丈夫)(テーブルに突っ伏す)
けいすけ「いや全然ダメだろ!」
まさき「何だろ?急に落ちたよね」
けいすけ「ひで!水を頼むからそれまで持ち堪えられるか?」
ひでゆき「アメれ~す」(ダメで~す)(テーブルに突っ伏す)
けいすけ「おい、しっかりしろよ!」
はつのり「さっきのサワーが妙に濃かったのが原因じゃない?」
きらり「うぇー、何これ…、ピッチャーの半分以上が焼酎だったりして…」
りえ「もしかして、これを一気に飲んだんじゃ…」
けいすけ「有り得るな、元体育会系の奴らはこれだからな」
ある「ひで君、お水がきたから飲んで!」
ひでゆき「ふわああぁ、4秒らけ(だけ)休憩させて~」
けいすけ「しげ、水がきたぞ!早く飲めよ!」
しげあき「あと10分ひたら(したら)起きるからぁ」
けいすけ「おい、今は合コン中だぞ!起きろって!」(しげあきさんとひであきさんの肩を揺さぶる)
しかし、2人は全く起きる気配がありませんでした。
しばらくすると、けいすけさんが皆さんに向かってこう言いました。
けいすけ「今日集まってくれた皆さん!こんな事になってしまって本当にごめんなさい」(深々と頭を下げる)
けいすけ「宴もたけなわではありますが、俺が責任を持って2人を送り届けるから、これで解散にして頂けませんか」
(しばらくしてけいすけさんは顔を上げる)
けいすけ「かなえちゃんは分かってくれるよね?」
かなえ「え~、ちょっと待ってよ、合コンが始まってからまだ1時間しか経っていないじゃない!2人が起きるまでもう少しだけ待ってみない?」
はるみ「そうよ、注文した料理だってまだ届いていないじゃない」
ある「りえっちはどう思う?」
りえ「私なんてまだ40分しか飲んでないんですけど~」
ある「きーちゃんはどう思う?」
きらり「ひで君も言ってたけど、ここは休憩しろっていうお告げなのよ」(誰からのだよ!という突っ込みがはるみさんから入る)
まさき「じゃあ、小休止を取りますか」
はつのり「どうやら、皆さんは続行したいようですよ」
皆さんからの続行の意思に対して、けいすけさんは如何にも面白くなさそうでした。
せっかく、けいすけさんが2人の失態を問題視して苦肉の策を講じたのに、苦労の甲斐もなく水の泡になってしまったからでしょう。
この状況に耐え兼ねたけいすけさんは声を荒げて怒りました。
けいすけ「勝手な事ばっか言いやがって!俺はどうなっても知らないからな」
そう言うと、けいすけさんはカバンの中から文庫本を取り出し、皆さんに背を向けてじっくりと読み始めたのです。
その時有り様は、明らかに異様な雰囲気に包まれていました。
何せ、5対5の合コンで酔いつぶれている男性2人、皆さんを無視して本を読んでいた男性が1人いた訳ですから。
ここで新規入店したお客さんは、嘸かしぎょっとした事でしょう。
「あれって合コンだよね?」
「あの人何で本を読んでいるの?」
「何だよ、男2人は完全に寝てんじゃん」
「何この混沌は~」
どこからともなく、ひそひそ話が聞こえてきました。
ここで、矢沢君が隣のテーブルの異様さに気付いてこんな事を言いました。
矢沢「ねえ、何であの人は本を読んでいるの?」
吉村「何か、明らかに盛り上がってないよね」
天野「何で帰らないか不思議だと思わない?」
矢沢「俺だったら1人でも帰るわ~」
吉村「まあ、俺はこんなの見てるより競馬の予想の方が楽しいからな」
矢沢「そうだな、苦手な新馬戦じゃなくて9レースから予想しようよ」
そう言うと、矢沢君と吉村君は再び競馬の予想を始めました。




