なんじゃお主、妾の話が聞きたいのか? 設定下書き
●「わたし、メイド、なりたい。」のキャラをほぼ移植、一部設定を変更。
●あらすじに書く内容
妾の話など、人に語るほどでもないのじゃが・・・。
まあよい。お主が聞きたいのであれば聞かせてやるのじゃ。
さて、となるとどこから話すとするか・・・最初からでよいか。
今から300年前に妾は生まれたのじゃが、ちと特殊での。
なんせ死んだと思っておったら、知らぬ土地で目が覚めたのじゃ。しかも妾の体は前と違い、狐の耳と尾を付けた幼い小童になっての。
不思議じゃろ? じゃが妾自身、どうしてそうなったのかよくわかっておらんのじゃ。
まあ、前世のことは後悔しておらんかったゆえ、このまま新たな人生を歩むことにしたのじゃ。二度目の人生じゃな。
これが事のあらましなのじゃ。まずはそこから――おっとそうじゃ。
先に言うておくが、妾の話の中にはちぃとばかし「猥談」があるのじゃ。
未成年の輩に聞かせるにはちと早い。その者は早々にここから出ていく方が身のためじゃ。
・・・ん。大丈夫かの?
では話すとしようか。妾、ハルカの人生をな――
◆ ◆ ◆
●主要キャラ
基本この三人による会話で話が進む。我が強いけど根は優しいハルカとそれに付き従うおちゃめなでクールなリンネ。そして二人の娘で天真爛漫なサイハテ。
★ハルカ(結婚後、ハルカ・トワニに改名)
この物語の主人公。前世では天下無双の武人として名を馳せていたが110歳を超えたあたりで大往生を迎えた。
筈だったが、その後、世界を管理している女神さまのいたずらにより転生され異世界で新しい人生を歩むことに。
性格
いい意味で大物、悪い意味で他人に無頓着。基本自分の生きたいように生き、他人からの強制を嫌う。前世の影響もあってか闘争本能が高く、強い相手を見つけると挑発や勝負を積極で気に仕掛けようとする。恋に鈍感ではないので、好意がある相手には自分の容姿を活かした誘惑でからかったりする。性欲には抗えない。
見た目
亜人種の獣人族の特徴に外れ、男性なのに体格が幼女に見間違うほど幼い。身長110センチの幼児体型。前世は2メートルほどの大男だったため、最初は戸惑っていたが、鍛練を積むうちに気にしなくなった。狐の獣人で、大きな耳と尻尾が特徴。そしてそれ以上に特徴的なのが、髪や肌、など全体が白い。唯一別の色があると確認できるのが黄金のように輝く眼。が、あくまでこれが本来の姿で、いつもは事情により髪の毛だけ真っ黒に染まっている。その黒さは光さえ吸い込んでいると思わせるほどの黒さ。指で梳いてようやくそれが髪の束だということがわかるほど。
服
異世界に来た直後は何も纏っていない裸だったが、最初に出会ったマオによってTシャツのような服を貰う。のちに稼いだ金で、服飾屋にオーダーメイドの和服を制作してもらう。背中むき出しの和服を着崩し、水色縞々マイクロビキニを着てその上から半分透けているスパッツを穿いている。かなり攻めてる衣装。実際知り合いから目に毒と言われているが、知った上でこのままにしている。指摘されるとからかう。
以下は服の変化
裸(生まれたばかり)→マオからもらったマント(マオと遭遇)→子供服(器核を売却した後)→デフォ服(オーダーメイドの完成後)
特徴
亜人種の獣人族、その中の狐の獣人族と分類されるが、その実、大昔の大戦で絶滅したと言われた「白狐」という神の使いの神獣の一種。女神さまの気まぐれで絶滅した種族を復活させたらしい、この事は誰も知らない。絶滅の名の通り、今はハルカしかいないので、当然その子孫は純血ではなくなる。神獣は魔力の生成量が他と桁違いなので、ハルカは自身の体に魔力を滞留させ自然漏洩する量を制御している。
戦闘スタイル
籠手による豪快な超接近戦と、自分の身長すら軽く超える太刀を振るう近距離戦を得意とするインファイター。が、あくまでそれは前世の「大男」だった時の戦闘スタイルで、この世界では慣れない体での戦闘で最初から満足に戦うことができなかった。鍛錬の末、魔法と組み合わせたトリッキーな動きを中心とした遠近の両方に対応できるオールラウンダーになる。籠手や、太刀の攻撃を魔法陣に封じ込め、それを遅延で発生させ斬撃の嵐を放つ。
武器デザイン
籠手…左右非対称の大きさ。右手は腕に合わせた大きさで、左手は太刀を装着しているため体の半分以上の大きさになっている。内側から手を入れ、装着する。左手は盾の役割も持つ。
太刀…前世の大男の時の身長すら軽く超えるほどの大太刀。長巻と言われる普通より柄が長い太刀。が、この太刀は異質で刀身が魔力でできている。前世では妖力だが、基本構造は同じ。明らかに長い鞘から小さい体で抜刀できるのは、抜刀する瞬間刀身を消滅させ、抜刀後に魔力で刀身を再構築させてるから。破魔の力があり、前世では妖魔を、この世界ではモンスターに対して特効がある。対人では本領発揮できないが、普通の太刀としても機能しているのであまり気にしない。斬る毎に魔力を消費し切れ味が落ちるので適度に魔力を補充する。
★リンネ(結婚後、リンネ・トワニに改名)
突如、空から墜落してきた女性型機人族。墜落の衝撃なのか、記憶がほとんど無くなっている。ハルカの助力により修復し、いごなつくようにハルカの仲間になる最初は戦闘の師従関係を目指していたが日を重ねるうちに機人族には見られなかった恋愛感情が生まれ、さらに性器を自己開発させ、ハルカへ求愛をするようになる。そして中盤でハルカと二人暮らしをし、リンネから神獣と機人族のハーフが生まれる。名前はサイハテ。
性格
一言で言えばオチャメな鉄面皮。機人族は共通して感情が少なく命令に忠実なため性格に個性が少ない。だが、一度大破して記憶回路すら破損した状態からハルカの並みならぬ魔力による修復で、少なからず魔力の元であるハルカの性格が遺伝している。さらに一ヶ月に一度の魔力補充でハルカの魔力を吸収しているせいか、だんだんハルカの性格に近くなっている。だが地の性格からブレることはなく、相変わらず少ない語彙でたんたんとしゃべっている。内容ははっちゃけているが。
見た目
身長170センチの美人モデル。髪は淡い桜色で目が翡翠色、ハイライトは少なめ。修復するときにハルカの不馴れな魔力供給のせいで胸の魔力タンクが異常発達し、下乳がヘソの辺りまである超乳になってしまった。生活に少なからず支障を来しているが、本人はハルカの魔力を保持している幸福感で全く気にしてない。月に一度、ハルカの精液を搾取している。理由は魔力の補充とハルカの溜め込んだ魔力の発散。子孫を増やすために生成される精液には質量が高い魔力が含まれており、手から魔力を流すより余程効率的に供給できる。が、これ自体特異で、そもそも器核の自然回復以上の魔力を保持している時点でおかしい部類に入るため、他ではまずみられない方法。さらにハルカ以外の魔力は受け付けることができない。因みにリンネのフェラチオは極上で、ハルカは最初の魔力供給の日、30回以上射精し翌朝ダウンした。
見た目
裸(墜落時に装備がほぼ破損)→マントの一部(ハルカのマントを裂いて部分的に隠す)→胸が閉められなかったメイド服(店員からのオススメ胸はビキニでごまかした)→オーダーメイドのメイド服(ハルカのオーダーメイドと同じ時)
外跳ねの癖ッ毛を持つ銀髪。瞳はディープブルー、瞳の中に宇宙があるような深い色の中にわずかに小さなハイライトがきらきら散らばっている。身長は170センチほど。
オーダーメイドした服はハルカ同様目のやり場に困るデザイン。圧倒的な胸の大きさによる攻撃方法で足を露出したフリルのミニスカ。コルセットでくびれを絞め、そこから背中むき出しのノースリーブのシャツ。中央縦にボタンがあり、その付近にフリルがあしらってある。が、首の襟には赤いネクタイが絞められていてネクパイが可能。当然ハルカは色気を出すために横乳の露出を乳首がギリギリ隠れるラインまでにすることに。だが激しい動きで外れるかと思うが、機人族の特性で着衣した服を防具に設定することで着崩れすることはない。この奇抜なデザインの理由は背中の外部ジェネレーターが普通の服だと引っ掛かったため。腕には白いレースの長手袋、足には白のガーターストッキングを穿いている。下着は白。靴は黒のピンヒールで、全力疾走してもバランスは崩れない。
※ 機人族は人間族の研究により誕生した半機械生命体。魂機関と人工器に魔力を充填させることで人と同じように活動できる。それが行われたのは一年前の大戦争で、終戦を境に新たな種族として人権を獲得した。
人間種として位置付けられているが繁殖力は無く、新たな機人族を生産するための国家があり、そこから生まれた機人族は各地に散らばって生活している。戦争での兵器から転用して、主に魔物の討伐や用心棒などの傭兵を生業にしている。
背中の外部ジェネレータと腰に接続するコンテナ、そのコンテナに積んである武器、脚部の移動補助ユニットの四つのパーツをつけることで兵器としての機人族を発揮できる。
追記:
この世界の機人族は元ネタ(ブレイカーシリーズ)の第一世代、つまり鈍重で動きが遅い前衛タイプ。
だがリンネはハルカの魔力の出力と、日々の鍛練により、元ネタの第三世代、高機動の遊撃タイプになった。
本来の機人族では不可能な魔力による高機動は周りから珍しがれてる。武闘大会でハルカと高速戦闘を見せたとき、見ていた人は皆驚いていた。
武器
・武装がまだ完全でない頃(斧槍+大剣)
機体だけ修復できたが武装は別扱いのため最初は武器屋で購入したのを使っていた。ハルカの魔力により大きくなった胸が運動の邪魔になった。片手で扱えれるほどの怪力だと判明した後、ハルカから比較的無理のない動きができる斧槍と大剣を勧められる。ならば両方を同時に扱えればと、両刀で鍛錬し始める。
・完全武装(斧槍+大剣+突撃槍+大楯)
コンテナに大楯と突撃槍がある。これはハルカと出会う前に持っていた装備で、どうやら普通の武器とは違うらしい。鍛錬で再び平原に着た時落下地点から離れた位置に落ちていた。ハルカの武器とぶつけ合っても打ち負けないほどの強度を誇る。この二つをコンテナの補助腕に装備し、両腕と合わせて三刀というかなり異質な戦い方をする。
・魔力制御
ハルカの種族設定により通常の機人族をオーバーしている魔力。それをハルカと同じように意図的にセーブしている。こちらは魔力漏洩はないが、魔力の消費による廃魔の量がセーブしていないとスゴい量で排出される。廃魔とは魔力の滓で生命体に害をもたらす。日々の改良で最新型の機人族の廃魔はほぼ0になり苦情はない。が、リンネの廃魔は尋常じゃないほど放出しているため必然的にこうなった。
★サイハテ・トワニ
ハルカとリンネの二人の間に産まれた娘。本来機人族は子孫を残すシステムは無いので、子が生まれる自体あり得ないが、ハルカの遺伝子を凝縮した魔力(精子)を定期的に吸収していたため体に変化が起き、子を宿すことができた。マオ曰く初めてのことらしい。種族は神獣と機人族のハーフ。一応性別は女性だが、発情期になると男性器が生えてくる。
性格
天真爛漫。なんにでも興味を持ち、楽しさを見いだす純粋な子。二人の、というかほぼハルカの性格が遺伝している。まだ子供でわがままを言ったりするが、躾はちゃんとされている。マオが教育係で時々勉学を指導してくれている。発情期はハルカと同じく性欲に抗えずずっと興奮している。語尾に「のだ」とつけてしゃべることが多い。これについては本人も周りも原因がわかってない。
見た目
髪は桜色と白色のグラデーション。末端にいくほど桜色になっている。眼は碧玉色と金色のオッドアイ。魔力制御すると髪全体が金色に変わる。
獣人族特有の背が小さく胸は大きい(既に下乳でヘソが見えなくなってる)体格。しかし、ハーフである所以として狐耳が機人族のような機械になっている。あと背中に機人族の接続ユニットがある。が、その大きさは既存のと合わない。その理由が機人族に成長と言う機能がないため。なので体の成長が止まる(成人になる)タイミングで武装をリンネが作成する。その時は機人族の生産地である帝国に向かう。
神獣白狐としての遺伝子はハーフながらもそれなりに受け継いでいる。魔力は神獣並みに有し、四次元尻尾も使える。
服
やはりと言うか、ハルカの趣味により痴女が着そうな露出多目のエロい服。ロリ巨乳というアンバランスな体型を活かしたデザインになっている。サイハテ自身も親の服装が普通と思っているので嫌ってないが、周りは少し心配している。
●サブヒロイン
全編に登場しないが、そのときに目立ったヒロインたち。
★マオ
王都から外れた小さな町にすむ宿屋の看板娘。宿屋の娘だが、吸魔族の特性で時々ギルドからの依頼で禁域の森に足を運んだりしている。
★ウヅキ
★マリア
竜人族の娘。だが異常な魔力の量を持ち同族からは忌避されている。
武器(遭遇時)
自作した単発銃。戦闘スタイルは魔物の露出している器核を狙い打つ一撃離脱型。今までも魔物の攻撃を自身の身体能力でかわして器核のみ攻撃して討伐していたが、ダンジョンの最下層で遭遇したミノタウロスの群に限界を感じた。
武器(特訓後)
マスケット銃を中心に狙撃銃が多い。基本1発装填で撃ったら放棄する豪快なスタイル。
銃は自作できるため材料が枯渇しない限り戦闘は可能。しかも撃ち終えた銃は仕込まれた魔力により自壊され誰かに利用されることはない。
銃と弾に魔力が織り込まれ、発射する弾丸は貫通する魔力の塊。扱える属性は複数あるためいろんな魔物に対応できる。
取って置きの隠し武器があり、対魔物貫通狙撃銃はその名の通り体内にある器核を撃ち抜くために作られた銃はその一つ。殻喰竜の討伐に披露された。こちらは使い捨てではなく回収される。
★ノノン
★雫(前世の同名異人)
前世のハルカが所属していた領主の娘。齢10才にして才覚を発揮し民を導く。特に遥(現ハルカ)がお気に入りで、戦後はいつも暇さえあれば遊び相手に呼びつけていた。
ハルカが山奥で孤独死を望んでいると察したあとは、毎日のように小屋へ通い、老衰するハルカを世話をしていた。
しかしハルカの最期を見届けることなく終わってしまう。
★シズク
前世の雫の声と面影がとても酷似している別人。種族は精霊種、水霊族。水霊領の次期頭領として修行中。とある命により各地へ渡り歩いていたが、武闘会でハルカの魔力を知り、協力を求める。
性格
仕事熱心で雫と同じような性格。
★ウィン&ディー
★アッカネ…火霊領の当主。丁寧語で話すが暑苦しい。
★フミィ…水霊領の当主。口数が少なく小声だが博識。
↑の二人は仲が良く、よく会っているという。
★ハルカの訪れた酒場「モーギュー」
その経営をしている四人兄弟
長女、ヒーダ…看板娘で接客担当
長男、クロッゲ…しっかり者で厨房担当
次男、マッツ…美形で人気。接客担当
次女、オーミ…まだまだ見習いの会計担当
出すメニューは肉料理がメイン。
町の近くにある牧場から仕入れた牛肉を使い、豪快に焼き上げ肉汁たっぷりのステーキを振る舞う。
そのせいか客層は肉食動物に似た獣人族が多い。
冒険者ギルドのランク制について
ギルドは冒険者に合わせてランク別のクエストを発行している。
最初は★1から。ランク1と呼ばれ、駆け出し冒険者と呼ばれる。薬草などの採取クエから小型魔物の器核回収が主な内容。
★2、ランク2から依頼内容の難易度が急激に上がる。ソロでの履行は受け付けておらず、必ず2人以上のパーティーメンバーで行わなければいけない。
★2~★6のクエスト内容は通常ですら危険なエリアでの採取から、複数の中型魔物の同時討伐、さらに大型魔物の討伐がある。★6に至れば大型魔物の同時討伐、連続討伐が多くなっている。
それぞれのランクに合わせた危険度の魔物を選別しており受付嬢から適切な判断で履行される。冒険者は提示されたクエストしか受注できない。
時に冒険者の中に、桁外れの力を持つ者がいる。その冒険者にはギルド内で特に危険なクエストが提示され、そのランクは『D級クエスト』呼ばれている。そのD級にもランクがあり、最大で★3まである。★3は国家滅亡級のクエスト内容で、魔力を異常内包した大型魔物や、100年に一度発生する超大型魔物、めったに姿を現さない神話級の魔物などの討伐依頼がある。
ランク昇格条件は受付嬢に提示される昇格クエストを達成すること。冒険者のクエスト報告から吟味し、その冒険者にふさわしいクエストを提示する。
ストーリーの骨組み
(中略)
★第一章 ウヅキ
↓
昼過ぎ、ギルドに向かい冒険者登録を済ませる。その時、ギルドマスターからランク付けの実力を測る模擬試合をする。
↓
余裕で勝てると自負していたがどうもまだ新しい体に慣れていなかったのかギルドマスター相手に苦戦し、判定負けを言い渡される。
↓
実力と体の不整合さを指摘され悔しい思いをする。
↓
ギルドから出る。先程の敗北の悔しさから次の日から自己鍛練にいそしむことを決める。
↓
夕方、ご飯を食べた後にマオと勉強会を始める。今回は文字の勉強。
↓マオが勉強会でご褒美の頭なでのついでに言った会話
あ、あの!
なんじゃ?
もしよかったら、だ、抱いてもいいです!?
ん?お主、こんなこわっぱ相手にまぐわいたいのか?なかなか業のある娘じゃのう
ま、まままぐわう!?ち、違うです!私はただあなたに抱きつきたいだけです!
ほう、なるほどな
↓
次の朝、とにかく力を奮っていた強引な戦い方を止め、色々模索する。リンネも体術を身につけるために鍛錬に付き合う。
↓
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「さて、さっさと脱いで入りましょ」
「うむ。・・・む、うまく脱げんのじゃ。リンネ、脱ぐのを手伝ってくれんか?」
「ん。わかった」
「あれ、服自分で脱げないの?」
「この服の類いは初めてじゃからの。まだ勝手がわからんのじゃ・・・しょっと。ありがとなのじゃ」
「ん。どういたしまして」
下着に指をかけ、下へと下ろす。その時ウヅキの目が見開いた。
「・・・あれ? え? ・・・ハルカ、ちゃん? 男の子・・・だったの?」
「ん? 知らんかったのか?」
「え? え? こんな女の子みたいな体型なのに男の子なの!?」
「あー、妾の種族がどうやらそうらしいの。男でも女みたいな姿だったそうな。詳しいことは誰も知らん故、あまり詮索せんでくれると助かるのじゃ」
「そ、そうなんだ・・・うーん・・・」
「なにか不味いか?」
「え? あ、いや。その・・・。でもハルカちゃんの見た目なら、大丈夫、かなぁ・・・?」
――ん? 今の様子、妾が男と知ったとたんに慌てとったの。もしや・・・?
「もしやお主、男が苦手なのか?」
「え? あ、まあそうだね。さっきのうーちゃんの反応のことなら、半分はあってるよ」
「ん? 半分とは?」
「確かにうーちゃんは男が苦手だね。昔苛められていた時があって、そこからずっと避けてたなー」
「じゃが、お主と初めて会ったときは男とおったではないか」
「あれはその、半ば強引に組んだというか・・・。うーちゃんが困っていたところに無理やり頼み込んできて、というか・・・」
――そう言えば押しに弱いと言っておったの。
「なるほどの。いろいろ苦労があったのじゃな」
「うん。いろいろあったんだ・・・ほんとはあまり外に出たくないけど、うーちゃん的に冒険者が一番稼ぎやすいし、うーちゃん以外の女性冒険者もいるから、ね」
「それでもう半分はなんなのじゃ?」
「えっと。それを懸念してたんだけど、温泉は男湯と女湯があって、ハルカちゃんは男湯に行かなきゃいけないよねー、って思ってね」
「ふむ、男女別にあるのなら確かに妾は不味いの。ならばさっそく戻って――」
「あああでも! ハルカちゃんの見た目なら誰かと会っても隠していれば大丈夫だよ! 親子連れなら男の子でもオッケーだし!」
「そうなのか? 妾は誰かと水浴びをしたことがないゆえ、ここらの常識はわからん。お主に任せるのじゃ」
「うん。じゃあこのまま一緒に入ろうか。みんなで入れば楽しいしね」
◆ ◆ ◆
ウヅキに背中を押され、浴室に入る。
目に飛び込んできたのは白い湯気。朝特有の肌寒い空気。そして岩で囲われた浴槽。
「これが温泉か」
「ん。初めての、洗浄」
「洗浄って・・・。まあ、まず最初に体を洗おっか。二人ともこっちきて」
言われるままに移動し、目の前の椅子に座らされる。
「リンネさんは待っててね。先にハルカちゃん洗うから」
「ん」
「じゃあハルカちゃん目を瞑っていてねー、今から頭を洗うよー」
「う、うむ」
――妾と思っておる水浴びと違うのじゃが、いったい何が始まるのじゃ・・・?
言われた通り目を瞑る。すると頭に手が触れたのを感じた。
「いいよって言われるまで開けちゃダメだからねー」
(わしゃわしゃわしゃ)
頭皮を揉まれるように頭を洗い始める。
――おおお。なんじゃこの気持ちよさは・・・!!
指先から伝わる刺激が快楽となり、体を震わす。
「ふふ、痒いところはございますかー?」
軽い調子でウヅキに聞かれた。
「わ、わからぬ。だが今のままで良いのじゃ」
「はーい。・・・ハルカちゃん、もしかしてこういう風に洗ったこと無い?」
「う、うむ。なんとも言えん心地なのじゃ。頭を刺激するとこんなにも気持ちいいのか?」
「ふふ。ならもっと丹念にやらないとね」
(ごしごし)
頭が終わると次は髪の毛に移っていた。
「・・・ねぇハルカちゃん。気を悪くしたらごめんだけど、ハルカちゃんの髪の毛って、普通の髪の毛じゃないよね・・・?」
「うむ。これは"魔力制御"による影響でな、本当は真っ白い髪なのじゃ」
「"魔力制御"?」
「マオに教わった魔法でな。妾の溢れる魔力を抑え込むために常時発動しておるのじゃ」
「うーん、よくわかんないけどそのせいでこんなに黒いんだね。手で梳かさないと1本1本確認できないほどの黒さってすごいなぁって思ったんだ」
「ん。マスターの、魔力は、黒い。そのせい」
「え、魔力って色があるの!?」
「妾にもわからん。あとでマオに聞いて見るかの」
◆ ◆ ◆
髪の毛をお湯で洗い流し、体の方に移る。
「体はこの道具を使ってね」
「これは?」
「えーと、スポンジだったっけ? 最近王国でも出回り始めたヤツだよ。これにこうして・・・」
スポンジに白い粘液が垂れ堕ちそれを手で握ったり放したりを繰り返す。
すると白い泡が湧きたち、手全体を覆った。
「じゃあ背中からねー」
「――ひゃッ!? く、くすぐったいのじゃ!」
「ふふ、人に触られるのは慣れてないのかなー?」
「な、慣れておらぬ――うひ!!」
「ん。マスター、可愛い声、いい」
「お主覚えておれ・・・」
遠巻きで見ているリンネに恨みの視線を向け、背中からくるくすぐったさに悶えている。
「はいじゃあ次は腕ー」
片腕ずつ丁寧にスポンジで磨かれる。磨かれた後には泡が残り、そこから覗く肌が洗う前よりきれいになっていたのを見て取れた。
「じゃあ次は――次は・・・」
「ん? どしたのじゃ?」
「いや、うん。大丈夫、ハルカちゃんはまだ子供、まだ子供・・・」
一人小声で唱えるように呟くウヅキ。
「・・・よし。じゃあハルカちゃんこっち向いて」
「うむ」
「うわぁ。さっきは遠かったけど、近くで見るとこんなのなんだ」
「あまり見るでない。前世の妾より小さくてすこし恥ずかしいのじゃ」
「う、うーちゃん的にはこれくらいでも十分だよ! じゃ、じゃあ洗うね」
「く、くふ。くすぐったいのと人に股間をまさぐられるので心が落ち着かんのじゃ。わ、妾が自分でやってみよかったのではないか?」
「ううん。私がやるって言ったんだから。ここもちゃんとやるよ」
――意外と頑固なのじゃな。
「そ、そうか。なら手短に頼む――わひゃ!?」
◆ ◆ ◆
「ふう。じゃあ流すよー」
お湯の入った桶を首筋から流し、体に纏う泡と汚れを落としていく。
「なぜかどっと疲れたのじゃ・・・」
「ん。マスター、すごく、白い。きれい」
「そうだね。ハルカちゃん肌真っ白だもんね」
「髪も白かった時はもっと凄いぞ? 太陽の光で輝いておったのじゃ」
「それは見てみたいね」
「残念じゃがここでは"魔力解放"はできぬ。もっと人気のない場所での」
「はーい。じゃあ次はリンネさん。洗いましょ?」
「ん。お願い」
「じゃあこっちに座ってー。あ、ハルカちゃんはもう湯船に入ってもいいよ。ちゃんと肩まで浸かってね」
「うむ。先に行っておるぞ」
「ん」
◆ ◆ ◆
洗い場から離れ、ハルカは独り、湯船の中に体を沈ませる。
「ああぁ・・・これが温泉かぁ・・・」
温泉が体中に染み渡る感覚に、思わず声を漏らす。
――体を洗う、か。・・・久方ぶりじゃのう。前の世界でも、ずいぶん前から水桶に入らんかったからの。
ふと思い出す。弱々しくなった体を小さなてで拭いてくれた少女の事を。
――もう動けんくなった時から、あ奴に毎日体を拭いてもらっておったのう。
「今こうして、温泉と言うのを担当できたのも、何かの縁かもしれんの・・・」
「ん。マスター、終わった」
「お、洗い終わったのか。ウヅキは?」
「今、自分の体、洗ってる」
「そうか、妾たちを優先にしてもらっておったからの」
リンネが湯船に入ってきた。彼女の裸を見るのは一昨日振りで、すこし懐かしさを感じる。
「そう言えば人形は水に浸かっても良いのか? もう洗ったあとに言うのもなんじゃが。腐ったりはせんのか?」
「ん。機人族は、体が機械だけど、濡れて故障とかは、しない。ただ、風呂には入らない、かわりに、メンテナンスで、体を洗浄する」
「ほお。のうリンネ。改めてお主の肌を触ってもよいか?」
「ん。いいよ」
――ん?
「お主、最初に会ったときより柔らかくなっておらぬか? なんと言うか、金属なんじゃが、やけに感触があるような・・・」
「あ、うーちゃんも気になったよ」
後ろから声が聞こえた。振り替えると洗い終えたウヅキがこちらに近づいている。
「機人族って、人の形をしてるだけで中身は思考できる兵器って学んだんだけど、リンネさんは全然違うよね。えーっと、人間臭いとか」
「ん。多分、マスターの、せい」
「妾が?」
「ん。わたしを、動かしている、魂機関は、ほぼマスターの、魔力。普通の機人族は、器核から精製した、いわば無個性な、魔力を、動力に使われる」
「すると、リンネさんのその性格は、ハルカちゃんの遺伝ってことかな?」
「妾はただ魔力を与えただけじゃぞ。それだけで変わるものなのか?」
「ん、確証はできない。でも、ライブラリと、照らし合わせた結果、これが答え、かも」
「もしかして、ハルカちゃんの魔力のせいでリンネさんの体にも変化があるってこと・・・?」
「・・・いやまさか。人形が人になるなど、ありえんじゃろ」
「ん。マスターの、言うとおり、そもそも機人族は、他の種族と、発祥が違う。進化もしていないし、遺伝しもない。あるのは模倣して作られた魂・・・」
「でも、体に変化が、あるのは、事実。わたし自身、わかる。この外装が、皮膚になりつつ、あると」
「・・・これ、マオちゃんに教えたらどんな顔するかな? 後ギルドのみんなとか」
「恐らくじゃが、信じられん奴と、興味が湧く奴に分かれるのう」
「ウヅキ。すまぬがこの事はまだ秘密にしてもらえぬか?」
「え、あ、うん。でもなんで? この事を教えればきっと理由がわかると思うんだけど」
「今はまだ事を荒立てたくないのじゃ。ただでさえ妾は目立つ。これ以上は生活に支障を来す恐れがある。話すのは後でも良いじゃろ」
「・・・そっか、そうだよね。これでリンネさんと会えなくなったらハルカちゃん一人になっちゃうもんね」
――別に一人が寂しいとかそう言うつもりで言ったわけではないのじゃが・・・。
「ん。わたしも、離れたく、ない」
「うん。ごめんね。この事は秘密にしとくね」
「」
(中略 ↑の温泉シーンをカットし、↓のマオと朝食の席で温泉での話を持ち出しハルカとリンネについて議論する)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
↓
後日先日売却して手に入れた資金が無くなりそうでギルドに顔を見せる。そこでウヅキが困っていたのを見つけると、ウヅキから依頼の協力を求められる。報酬をもらえるのを確約させ、後日、目的地に向かう。
↓
その時、パーティーを組むために機人族専用傭兵管理機器でリンネの登録を済ませようとしたがエラーが発生する。
↓
管理機器で調べているとどうやら出会ったあの時に大破(死亡)判定されて傭兵リストから削除されているらしい。
↓
再登録は現状をない。と言うか大破から自己修復で完治する自体あり得ないとのこと。
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ならば冒険者として活動すればいいとハルカから言われ、リンネはそれに従い冒険者の登録をする。ランクはハルカと同じにして貰った。
↓
後日、ウヅキを含めた三人は町から離れ、平原で徘徊している魔物を討伐しつつ、依頼の採取を行う。
↓
すると特殊な魔物が現る。空中で風魔法を駆使しながら体を縦横無尽に飛び獲物を翻弄させ狩る。
↓
これを見たハルカは自分の戦闘で使えると判断し、魔物の動きを真似ながら魔法の鍛練を行う。
↓
リンネとの共闘で討伐を完了するが、最後の相討ちで体に毒がまわり動けなくなる。
↓
ウヅキがとっさに癒術で解毒し、しばらく安静のためまたリンネにだっこされる。
↓
(中略)
↓
オーダーメイドの服を回収。ここでウヅキは話の中心から離れる。
↓
リンネの装備(腰のブースターと背中のジェネレーター)の入手について武器屋の老人店主に聞いたところ、王国で買えるらしい。だが販売価格は桁違いに高く、暫く町で稼ぐことに。
↓
◆観測者としての仕事◆
↓
稼ぐために片っ端からクエストを受ける。
この辺りからハルカの異常が見られる。主に体の火照りと気分の起伏が激しくなる。
↓
★第二章 マリア編
↓
依頼や器核の報酬で十分稼いだ金で、リンネの装備を買うために鍛冶屋がいる王都に向かう。
※リンネの体は自己修復出来るが、武装に関しては外部からのメンテがないと維持できない。リンネ自身で修理できるが道具と設備が無いので現時点では無理。なので王都に向かう。
↓
出発する前にマオから滞在期間を聞かれ、一ヶ月と答える。それに対し、マオは週一で手紙を送るよう言われる。その真意をハルカは分からず押されぎみに承諾した。
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移動は省略。王都に着いた。まず宿を探し、次に鍛冶屋の居場所を聞いて、早速向かう。
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途中、エロい店からの勧誘(主にリンネ) されるがさっさとあしらい加治屋に着く。
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機人族の修理ができる職人に会うが、材料の鉱石が足りないと言われる。
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ギルドに向かい、必要な鉱石が眠る近くの地下ダンジョンへの許可を得る。
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順調に進み、目的の鉱物がある最下層まで来た。だがそこで多数の大型魔物が暴れていて、中には瀕死の冒険者が数名倒れていた。
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見てしまったからには放っておけない二人は冒険者を助けることに。唯一喋れた冒険者曰く、とある姫を連れ戻しに来たが、予想外の魔物の数に返り討ちにあってしまったらしい。
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冒険者はハルカの観測者の称号を見つけ、姫は今も戦っているが、じり貧なので助けて欲しいと頼まれる。
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承諾した二人はすぐさま戦闘中の姫と合流。彼女は竜人族のマリアと言った。撤退を促すが頑固にも退かず、目の前の魔物と戦い続ける。
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一体一体倒していくが、ついに姫の体力が尽き、倒れてしまう。二人はすぐに駆けつけ、観測者として仕事を為すことに。
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まず敵の排除。と言いたいが数が多く、"今の"ハルカでは難しいと判断し、"魔力解放"をする。ハルカの指示でリンネも"魔力解放(リミッター解除)"する。
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自然漏洩した魔力は周りの魔物たちに吸収され強個体になるが、それ以上の魔力を持つハルカにとって差異はなく、リンネと共に全てを屠る。
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マリアと護衛を救出し、祖父のヨセフに謁見する。
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ヨセフの叱りとマリアの弁解。二人の口論にハルカは口を挟む。曰く、マリアの修行をさせたいと(日常に支障の無い、空いた時間に城で稽古をする)。
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ヨセフは孫を救ってくれた恩と観測者の実力を知ってもなお渋っていたが、近日始まる武闘会で優勝すれば許可をすることを約束した。
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リンネの装備が完成したので町に戻る。装備とはリンネの腰につけるヤツと、背中の外部ジェネレータ。
武器は大剣に関してはハルカが打ってくれた。槍は武器屋で購入。
決勝戦でようやく骨のある相手と戦ったがほどなくして勝利。若干上がった高揚感が冷めないので大会が和の許可を得ずリンネに相手をしてもらう。
「リンネ」
(ばっ、ひゅるひゅるひゅる、すたっ)
「ん、何、マスター?」
「妾の火照るからだが未だ冷めぬのじゃ、だからお主、今から付き合うのじゃ」
「ん、了解」
「こ、こら、君! 突然何を!」
ーーあそこにおるな。
「ヨセフ、妾はまだ満足しとらんのじゃ!」
「・・・じゃがのう、あんまり騒ぎはすきじゃないんじゃが」
「お主の孫娘が惚れた、妾の力、見とうないのか!」
「な、何を言い出すのですわ! わ、わたくしはそんな気は・・・」
「お主の気持ちなど、手に取るようにわかるのじゃ、見ておれ、お主が求める強さに、再び惚れるのじゃ! いくぞリンネ!」
「ん、いつでも」
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帰宅後、マオから始めに出会った森(禁域の森)に出没した魔物の群れの討伐を依頼される。理由はウヅキへの手紙でハルカとリンネの実力を知ったため。
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リンネの武器を試すのにちょうどよかったのでこれを了承。ギルド経由で以来を受け、森に向かう。
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★第三章 シズク編
↓シズク編導入のシーン
『遥。此度の戦での活躍、実に見事であった』
『は。ありがたきお言葉』
『よって、妾から個人的にお前に恩賞を与えたいと思う。なにかあるか?』
『は。身に余る光栄。しかし私は与えられた命をこなしたまで。お言葉ですが、その件は――』
『ふ。お前の謙虚さは知っておる。だが戦争を終わらし、武勲を立てたお主に何も与えんのは妾の気が収まらん』
『は。・・・でしたら、一つだけ』
『うむ。申してみよ』
『町外れの山に、小さな小屋を建てていただけませぬか?』
『山に小屋とな?』
『はい』
『訳を聞いても良いか?』
『は。私は、この後の人生を独りで過ごそうかと思っております』
『・・・。っな!? 何故じゃ!? 今の待遇に不満でもあるのか!?』
『は。恐れながらも申し上げますと、戦は終わった平和な国に私のような血に染まった者がいれば、世間は忌諱な目でしか見れないかと思われます』
『う、うぐ。たしかに分かるが・・・な、ならば妾が民に直接!』
『そのような私情で民を振り回すのはいけません!』
『だ、だがお主を自らそのような地に行かすなど、妾は・・・』
『は。ご心配なく。齢100の老人が一人暮らしていると思えば良いのです。自生活も幼少から慣れているゆえ』
『そうじゃったな。お主は平民上がりではなかったのう・・・』
『だから私の恩賞は、山に小さな小屋を建てる。これを所望します』
『・・・うむ、考えておく』
『ありがたきしあわ――』
『じゃが! 独り暮らしは許さぬ! 妾がお主の話し相手に通う! これは決定なのじゃ!』
『・・・は。承知いたしました』
(ちゅんちゅん)
ゆっくりとまぶたを開ける。寝ぼけることなく冴えた状態での起床は、直前の夢を鮮明に思い出させる。
「・・・姫」
一言呟き、ため息をつく。顔に手を当て俯いた。
――後悔・・・せんと思っておったのじゃがなぁ・・・。
◆ ◆ ◆
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大会から三ヶ月後。マリアの修行は順調に進み、自身の戦闘スタイルを身に付けつつあった。
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宿屋に小さな来客者が来る。精霊種の水霊族、シズクは先日のハルカの実力を見て、その力を貸して欲しいと頼みだす。
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話を聞けば、教国の一つである水霊領付近に、巨大な魔力溜まりが滞留しているらしく、調査を進めたところそれは魔物化する前兆であることが数日前に判明。その魔力が魔物化したら周辺に災厄を招く可能性があるため、事前に魔力溜まりを霧散させる作戦を立案。そしてその作戦の協力者を求めているらしい。
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ハルカは始めは受ける気はなかったが、話す相手の話を聞けば聞くほど前世の雫の面影を思いだし、とうとう折れる。
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道中を馬車で旅の気分を味わったり、ハルカの発情期の精処理の現場をシズクが目撃したりあった。
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定期連絡に水盆に写る水霊領の水霊族と話しているとき、緊急事態が起きる。魔力溜まりの動きが活発になり予定より早く魔物化するとのこと。
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それを聞いて焦るシズク。ハルカは遊び気分を捨て、リンネに四次元尻尾から出した輸送コンテナにシズクを入れ、目的地に全力疾走する。
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到着したのち、現状確認をすると事態は悪化していた。魔物化したそれは神である龍に模した邪龍に分類される殻喰龍と言う。
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魔物は種族の持つ魔力を求めさ迷い喰らう性質がある。図体がでかいほど、補職する対象がでかくなるように、今回の殻喰龍の獲物は水霊領そのもの。真っ先に向かってくる敵を、ハルカは自身の魔力解放により注意をそらす。その間に敵の器核を探り、早々に砕くがの今回の作戦。
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土地神様との契約で力を得たシズクは巨大な氷像を操り敵を拘束しようとする。その間にハルカとリンネは見つけた器核の破壊に向かう。
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★第五章 マオ編
ハルカとリンネが教国に向かっていた間の話。禁域の森では魔物の異常発生が起きていた。
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禁域の森とは、森の中心にある神殿の廃墟から溢れだす魔力が原因で封鎖されたところ。時々魔力が現れては近くの冒険者に依頼をだし討伐に当たらせている。
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が、今回のそれは異常で、何かにあてられたのか魔力の滞留が激しくなり魔物の数が増えていった。
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帰還したハルカたち。ギルドはさっそく彼らに依頼をだし、魔物討伐に向かわせた。
二作目
帝国編
サイハテが生まれ、半分機人族のため彼女の精密検査のため帝国に赴ハルカ一行。しかしそこで思わぬ事件に・・・。
大戦編
ある日突然警鐘が鳴り響く。その音に絶望の顔を浮かべる住民たち。そしてハルカは知る、これから起こる戦が残酷で理不尽などうしようもない運命だと
月兎編
人口増加により起きた大戦から数ヶ月。一番の傷を受けた王国にある悲報が届けられた。月兎と名乗る集団から、数日後この地を占領する、と。
魔王編
今までいろんな出来事があった。それはどれも忘れられない出来事であり、忘れたくない出来事だった。だがもうこれ以上語ることは何もない。今お主たちの目の前に写るのは敵だ。今までの勇者のように、妾を討ち滅ぼしてみろ。妾は魔王ハルカだ。