男の娘問題
何度か見かけて、つい書きたくなったこの問題。
……と、自分が勝手に言っているやつ。
ある意味愚痴で、ある意味自戒。
男の娘って、ヤバいブツでした。
これだけを見ると、特殊な性癖を連想する事でしょう。
しかし。 しかしなんですよ。
物書きの多くが、やらかすんです。
大体がやらかすんです。
何をって?
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人影自身は興味が無いが、強い興味と執着を見せた、とあるやんごとなきお方からの極秘の依頼である。
本心ではこんな依頼などあまりやりたくは無いが、断れば首をとばすと脅されればやるしかない。
そんな人影が睨む先には、とある男の娘。
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やるでしょ? やらかすでしょ?
一度“男の娘”って特殊な属性を知ってしまうと、必ずと言って良い程そっちと勘違いするんです。
書く側はどっちか分かるんですよ。 書いた側なので、自分がどんな意図で書いたかなんて。
でも読む側は、間違いなく“男の娘”なんですよね。
実際には、男の娘なのに。
あ、男の娘についての過激派原理主義発言を失礼します。
男の娘はあくまでも、パッと見して女性にみえる男性であり、女性は男の娘ではありません。
ボーイッシュな女性は男の娘ではありません。
生物学的に男性であり、それでも女性に見えてしまう外見の男性が男の娘です。
男性っぽい女性を指す言葉ではありません。
なので、いくらホ○セをしても赤ちゃんは“絶対に”できません。
発言を失礼致しました。 戻ります。
これを回避するのは、至極単純です。
上記みたいにルビ振りをするか、男の“ムスメ”みたいに書くか、男が育てる娘 みたいに男と娘の間に文字を挟んで違う意味を持つものとして明確に分けるか。
男じゃなくて娘の方に付けるのも有り。
娘に実のとか義理のを冠として付けてやるとか。
それか娘の代わりに実の子や義理の子みたいに、子にしてしまうとか。
まあとにかく、男の娘は男の娘である。
文豪様達が名著を書き上げていた小説の黄金時代 (?)には無かったと思われる単語。
……あー、うん。 存在はしていたと思います。
紅顔の美少年
なんて表現も大昔から有りましたし、白黒のアニメだった時代に、リモコン式巨大ロボットを操る少年の名前からショタコンなんて単語も生まれた訳ですし。
少年にクる人が、驚くほど昔から居たのは間違いないですし。
少年に限らず少女であっても、異性っぽさを持つ中性的な魅力とやらでおかしくなる人は、現代じゃなくても男女問わず確実に居たのでしょう。
ほら、戦国時代には存在していたって言う衆道とか。
西洋騎士で言う従卒みたいな立場の、小姓とかっての。
その小姓は見目麗しい男児や男子が……なんて話を聞きますし。
現代では倒錯極まるヤベー趣味……と言いたいけど、否定したらしたで少数派の意見に耳を傾けないナンタラだーと言われるかもなんで、強く否定はしませんが。
具体的な属性名は無かったにしても、古来から有ったんでしょうね。
アレですよ。 悪ガキ共が使っている単語。
男女 とか 女男 とか。
男 (みたいな)女 や 女 (みたいな)男 と、悪口同然に使われる忌まわしき単語。
悪ガキ共は主に性格を指して言いますが、ネット辞書で調べると、異性の性質・特徴を持った~なんて出るんです。
意味だけなら、別に悪い単語では無いようで。
これを辞書の通りの意味で使っていたかも知れませんね。
予想のまま放言してるんで、本当のところはどうだか知りませんが。
閑話休題
この書かれたら間違って読んでしまう問題。
作者側はマジで気付きにくく、読者側からは簡単に釣られクマー。
いや、冗談抜きで。
上記にある2本の~~~~~~の間のを読んだ方で、釣られた方なら分かるでしょ?
でも作者として書いている時は、忘れるんです。 書いちゃうんです。
男の娘って。
男の娘なの?
男の娘なの?
ギャグやミステリーなんかでわざと誤解を招きたいなら絶好のネタですが、けっこうシリアスな場面で読み間違えてしまい、男の娘と読んでシリアスブレイク!!!(ついでに衣装破壊!)
しちゃったら、読者はもうシリアスな空気に戻れない。
他の単語もそうだったりしますが、作品を大切になさりたい作者様は、その辺に気を付けておいて正解です。
シリアスで、どダークな世界を書いてきて、ラスボスの壮大なネタばらしで
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「お前は私が昔に心の底から愛して、そして心の底から憎んだ、あの男の娘!!」
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なんて告白されてみい。
緊迫した場面になるか?
むしろ、ヒロインは男の娘(性別が男性)だったのかーーーーー!!?
なんて読み間違えて変なパニックが読者の脳内で暴れまわって、そのあとの盛り上がる部分が頭に入ってこない悲劇(いや喜劇か)になりますわ。
作中に男の娘が一人も出ていなかったとしても、ここで勘違いの読み間違えをして。
それを感想欄で読者が指摘しても、作者側は「ちゃんと男の娘って書いたじゃん」になる。 作者は正しい読みを分かってるから。
しかも作品のルビ振りを知らないとか、面倒だからしないとか、作風に合わないとか、作品としてこれが正しいから書き直さないとか、なんか理由を付けて修正しない。
間違っていると、思ってないから。
それで加速する、男の娘への勘違い・読み間違い。
……うーん、悲劇ですね。
ギャグでオチと言うか、更なるカオスへとブッ込むなら良いですが、どシリアスな作品でコレってねーわ。
何度も言いますが、作者として書いている内は“男の娘”で十分だと思うんですよ。
でも読者として他の方の作品を読ませていただく時には、必ず空見して読み間違えるコレ。
……読み間違える度に自分の心って、汚れているんだなぁと遠い目になる現実を、押し付けてくるこの些かに難物な御仁。
現代だからこそ悩まされる単語。
マジで厄介だよなぁ(遠い目)