残酷で美しい
私「もうすぐねぇ...」
琴葉「そうですね。私は嫌ですけど」
私「...」
山々が綺麗に赤く染まる神無月。
村の者が最も忙しい時期。
そう、人身御供。生贄の儀式があるのだ。
その生贄に選ばれたのが...
琴葉「紅葉様...」
そう私なのだ。
もともと、代々生贄を捧げてる家系であり、その上巫女だからだ。
琴葉は、私の使い兼私の代わりだ。
その代わりの者が生贄になるのは
・その家に年頃の少女がいない
・急に病で倒れる
・許嫁か嫁入りしている
この三つが基本だが異例がありそれが
・生贄の儀式の時、生贄の少女が逃亡
というもの
立場から逃げるということはもう二度とこの村に帰ってこれない。
...バカバカしい
そんなことするなら、自殺すればいいのに。
そうすれば生贄として死ぬことはない。
忘れられることもない。
琴葉「私は最後の最後まで紅葉様にお仕えします」
私「...貴方だけね。私を追いかけてくれたのは」
私がまだ幼かった頃、私が生贄と決まった。
その時、屋敷から引っ越さなければなかった。
でも、
家来「いってらっしゃいませ」
と言いついてこようとしなかった。
その時
琴葉「わたくしもいきます!」
と言ってくれた。
もちろん、琴葉の母上は反対した。
それでもついてきてくれた。
その時の私はとても嬉しかった。
琴葉「当たり前です。紅葉様は私の恩人なのですから」
私「そう?」
琴葉「はい」
家来「三途川が見えてきました。ご準備してください」
三途川には神様がいるという。
昔、大洪水が起きそれは、神様が怒ったといって人身御供が始まった。
琴葉「行きましょう」
私「ええ...」
準備中----------------------------------------------------------------------
私「すごく上等物ね...」
上は白をベースにしており、中には群青色の着物を着ている。
下は青をベースにしており、裾には彼岸花の刺繍があしらってる。
頭の上から被る布でさえ刺繍がある。
琴葉「とてもお似合いですよ!」
と言いつつ琴葉もかなり上等。
琴葉も上を白のベースにしており、中には山吹色の着物を着ている。
下は淡黄色をベースにしており、裾には山吹の花が描かれている。
人身御供するときに被るお面ににも山吹の花が描かれている。
私「琴葉も似合ってるわよ!」
ふと思った。
なんでこんなにも笑えるのだろう。
もうすぐ死ぬのに。
この答えは、琴葉がいたから。
琴葉がいなければきっと...
私「琴葉...」
琴葉「?どうかされましたか?」
私は
孤独だっただろう。
だったら私ができることは?
最後に何ができる?
私「今までほんとにありがとう」
琴葉「!!それを言うなら私のほうですよ」
私「えっ?」
琴葉「((ギュッ
今までほんとにありがとうございました」
琴葉「私は紅葉様と居れてほんとに幸せでした」
琴葉「だから逃げませんか?
この村から遥か遠くまで」
私はこの村を救いたい。
でも琴葉と別れたくない。
どうすれば正しい?
どうしたい?
私「私はこの村から逃げるつもりはない」
琴葉「!!どうしてですか?」
私「私は今考えたの。どうすればいいのか」
私「そうしたらいい考えが思いついたの」
琴葉「何をするおつもりで...?」
私「だから...ごめんね?」
.。o○
これでいいんだよねカミサマ
こうして、二人の少女は永遠の眠りについた。
この事件はいずれ“心中”と言われるだろう。
この狂った“アイ”は
なぜそうなったのかはまだ不明。
さてあなたは解けますか?
この謎を
END