※波乱の幕開け、※
※落とし物は女子高校生ですか?※
「なあ、なんでこんな状況になってるんだ?」
「さあ、知ーらないっ!」
いつも通り散らかったソファー。そこには見慣れた顔の女子高校生がいた。幼なじみとは言っても
7歳も年上な元気はつらつ社会人男子の家に泊まったりなんか絶対ダメだ。
「ほら、お子様は家に帰れ。今何時だと思ってるんだ。母ちゃんに怒られるぞ」
「ダメダメ!家出中なんだから。今日は泊ってっていいでしょ?」
そんな顔してもダメだ。
、、、。キュルッとした目で女の部分を押しつけてもダメだ。て、手を握るんじゃないっ!!!
「理性、理性、理性。おまえ意外とでk、、、。」
「?本能殺してるとこ悪いけど声に出てるよ。私だって女だしね。」
「何年ぶりだよ、理子」
「3年ぶりだ、愚兄よ。」
――いつから俺は兄になったんだ?
※無防備は犯罪ですっ!!※
昨夜、そんなやりとりを交わし、無事にベッドを取られソファーにて朝を迎えた俺、斎条笈。
俺は、一流大学出、一流会社勤め、、、ではなく一般市民の普通の普通の男、、、でもない。日本の三大グループの一つ斎条家の御曹司である。激甘な父親と超怖えぇ母親を両親に、何から何まで完璧にこなす兄を持つ俺は、約一年前家出をしてきた。命令をこなす生活にはもうこりごりだ。そんなわけで誰
にも明かしていないはずの住所が幼なじみで実家の隣に住む
袮臣理子にばれているのはおかしいと思う。まあ斎条家の手にかかれば見つけるのなんか魔女でもない限り朝飯前のはずだがな。
実家にいる俺付きの使用人の顔をふと思い浮かべ、まだ寝ている眠り姫を起こしに行く。姫は圧倒的美脚で布団を蹴飛ばし寝息を立てていた。カーテンを開け姫に光を当てる。
「んんぅー」
俺の半Tとショーパンを着ている姫の胸元はさらに強調される。目をそらさねば!
これ無意識はそうとうやばい。
「被害者がたくさんでてるだろうに。」
「なんの話だ。愚兄よ。」
あのさ、そのくだりもうやめねえか?
※お酒は大人になってから!!!※
「とりあえず、話を聞かせてもらおうか。」
朝のゴタゴタがあってから、眠り姫に服を着せ、ご飯を食べさせ。そうこうしているうちに午後4時になってしまった。さあ口が軽い姫からお話を聞こうではないか。、、、。
まあ話し下手な理子の話をかいつまんで説明すると、
①可愛い理子たんは怖ーいお母様に愚兄の様子を見てこいっと言われた。
②美しい理子様は愚兄が今どのような仕事をしているのか、探ってこいっと言われた。
③ボン、キュッ、ボンな理子ちゃんは愚兄が今後家に戻ってくるのかどうか聞いてこいって言われた。
らしい。
「うん、理子がめちゃくちゃ自分が好きってことはわかったかな。愚兄はもうなにも言わん。あとね、、、
笑いながらお酒開けんじゃないよ!!!未成年でしょうが!!!」
うちのお馬鹿ちゃんが声を上げて笑いながらウイスキーの蓋を開けていた。
ちゃーんとお酒を取り上げたあと歯みがきをさせて無事寝かせつける。ソファーに寝転んでから姫にも
聞こえないくらい小さな声でつぶやく。これは俺の人生だ。俺の物語だから、好きなようにはもう、させない。
「絶対に。」
※揉め事解決にはアップルパイ※
翌日、珍しく早起きした姫は普段見ないような清楚な格好をして出かけていった。どこに行くかは口を
割らなかったので、5時には帰ってくると約束させマンションの下で見送った。久しぶりのお一人の時間
ができたので親友に連絡し、自宅にてちょっとしたパーティーをすることになった。
午後5時30分。時計の針が重なったその瞬間、俺はふと我に返った。久しぶりの親友とのじゃれ合いで
すっかり忘れていたが、理子は帰っていない。
「あんたの思い過ごしじゃなくて?ただの幼なじみにそこまで干渉しなくていいじゃない。」
「そうだぜ。女の匂いがするからてっきりと思ったらよ、幼なじみとか期待外れ過ぎん。」
「おまえは黙ってろ。」
「なんだと、、」
このひとんちで喧嘩する二人が俺の親友だ。名前は佐嘉月詩帆、河森暁斗。バイト先の仲間だ。
それにしても遅い。約束したのに。
「お年頃なんだよ、高校生だろ。」
そうはいってもあの奥手少女が遊び歩くなんて考えられない。
電話しようかな、、、。
「やめなよ、笈。干渉しすぎ!らしくないよ!いつもクールな完璧笈じゃない。」
「帰ってくるまでここにいてやるから、な。」
どんどん夜は更けていき12時になった。コツコツ、コツコツ。遠くで音がする。ガチャッ。足音は
どんどん近づいていき、スッと扉が開く。
「浮気っ!!!!!!」
――おまえの彼氏になった覚えはないが、、、
この状況ならそうと言えなくもない。ここはベッドの上。隣で寝ているのは詩帆。その上詩帆が着ているのは俺の服。暁斗は明日バイトだと言って先に帰っている。つまりは、
「一つ屋根の下に男と女、ね。」
怒りマークを顔に並べた理子はソファーに座る。俺は正座させられ、、、なぜか詩帆もソファーへと、。
「なんで詩帆がそっちなんだよ!!!」
「だってー、はめられたんだもん。」
くっ、女に言われたら負けるな、こりゃ。
こうなったら機嫌取り作戦だ。
俺は冷蔵庫にしまってあったアップルパイを取り出す。
「ほらっ、やる。」
「うっわ明らかな機嫌取りじゃん!信じらんないんだけど」
「詩帆、余計なこと言うな。結構効くんだぞ、ほら。」
「わあぁぁ!!!!!!!!!おいしそう!!!!」
「あっちゃー、まだ子供だったわけだ。」
――ふふ、アップルパイは何でも解決できるんだ。
※姫のその後※
「可愛い寝顔。母性くすぐられるわ。」
ご機嫌を取り戻した16歳の姫の寝顔を眺めながら詩帆は言った。
いい母親になるんだろうな。暁斗が父親で。
二人は隠してるつもりだけどバレバレだ。たぶん俺のことを考えてくれてるんだろう。
まあ俺としてもそっちの方がやりやすい。
いつか二人が結婚するとき心から祝福しよう。
※甘い香りに惑わされるな※
「ほらぁー、早く起きてください!」
「んんぅぅー」
「めずらしいね、笈が起きないなんて。ま、まさか」
そのまさか、俺は39.3℃の熱があった。
「馬鹿は風邪ひかないと思ってたんだけどなー、」
「俺をバカ呼ばわりすな」
「むー、元気じゃん」
元気じゃないんだわ。いつもの完璧なツッコミが出来ないんだ
からな。
「いつも完璧じゃないじゃん」
「それ言うのやめて、俺いる意味無くなるから!!!」
高笑いしながらも看病してくれる所はいいんだけどな、
せめて、
もっといたわってくれません?
「ほら、愚兄よ、熱測るぞ」
「はーい」
ここは素直にね。
「おおーっ!!!」
「うるさい」
「微熱じゃん!下がったじゃん!!!!」
「うるさい」
「これで私の女子力が証明されたな!!!!」
「うるさいし、女子力でもなんでもないです。」
「えぇぇぇ!!!!!!!!」
「だからうるさいって」
「あぁ、ごめん。気づかなかったー(棒)」
「嘘やん」
ま、ご飯は美味しかったよ。後、添い寝はそそられるな。
、、、。
うん、墓場まで持ってこ!
「そういえば、こんなチケット貰ったんだけどさ、」
「これ、、、。ドリームリゾートのチケットじゃん。どこで
貰ったんだ?」
「なんか、道歩いてたら貰った。」
「?日付指定されてんじゃん。待って、明後日なんだけど」
「え、行こうよ!」
うん、分かってる。明らか罠じゃん。
だってドリームリゾートの親会社は斎条グループだから。
「もったいないじゃーん!行こーよー!タダだよ!!!!!!」
「しゃーないなー。風邪が治ったらな」
「やったーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」
「うるさい」




