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一頻り泣いて、私は部屋に戻った。

「今日はこのままお休み下さい」

メイドは、そう言って一礼し部屋を去っていく。

あれだけ泣いて酷い顔になっているはずなのに、まだ涙は溢れそうになる。

けれど、考えなければいけなかった。

私には、後がないのだから。


彼との婚約は、お父様が用意したものだった。

貴族であるために、家同士の利権を加味して決めなければならなかった。

私は、他家の貴族の子達よりも早く生まれていたために難航した。

上は10以上も離れていて、既に婚約者がいる方々ばかり。

下は一番近くて3歳差。

けれども、その家の長子がほとんどで一人娘で婿を取らねばならない私の婚約者には出来なかった。

そもそもの話、侯爵位であるためにあまり位の低い家から婿を取るわけにもいかない。

難航した上に、我が家に不運が訪れたために先延ばしになってしまった。

私の婚約者が決まったのは、私が12歳になったところだった。

貴族の婚約としてはかなり遅く、交流は婚約に際する挨拶と神殿で行った婚約式、手紙のやり取り程度だった。

6つ歳下の彼を可愛いと思い、目を掛けていた自覚はある。

それでも歳の差というのは厄介で、

婚約したその年に私は貴族社会を学ぶために学園に通うことになり、卒業する頃には彼が学園に通うという、すれ違わざるを得ない状態。

これでもまめに連絡をとっていたつもりだったのに……



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