シークレット5 本当の始まり
もう目の前に迫っている獣ルイドには迷ってる時間はなかった
「ウァァァァァアーーーミラーーーー‼︎‼︎」
叫ぶ彼女に言われた通りに彼女の名前を
閃光、あたりが真っ白になる…
そして幾分かして閃光がおさまりそこに一人の少女がいた
「妾がアーミラじゃ!」
あの世界で見た通りの少女がそこにいた
獣は急に閃光をあびて驚いたのか急停止そして急に人が出てきたのに困惑しているのか
動かない
「よく呼んだの!ルイド!妾がアーミラじゃ!」
「それ聞くの三回目なんだけど」
「大事な事は三回言うことにしているのじゃ!ほら、仏の顔はブサイクっていうじゃろ?」
「なんだか知らないけどそれは多分大きく間違っている気がする!」
獣は呆然としている普通魔物の前でこんな会話なぞ呑気にはできない
現状はたいして変わっていないということだ
獣と戦闘状態である
それでもなお…
「いやー、此方の世界に出てくるのは何年ぶりじゃったかなぁ?妾がまだ若かったころぐらいかのぉ?」
「いや、今でも十分若いと言うか幼いと言うかそれ言わす為だけに言っただろ?」
「そーか!そーか!ルイドは妾にメロメロか!そこまで言うなら受けとめてやらんこともないぞ!さあくるのじゃ!」
「断る!!!」
それを聞いていた獣は誤解した
隙だらけだとチャンスだと
獣はすぐに行動した
自分の足に力をこめ跳ぶ!
ルイドがそれに気づく
「き!きたぞ!」
「ぬ?邪魔」
アーミラが空中で軽く手を振る
パァーン!!
恐らく獣には理解できなかっただろう
自分の頭が吹き飛ばされた事に殺されたことに、アーミラにとって自分は敵ではないということに気づけなく、あっさりと死んだことに
鮮血が舞う
あわわ…という感じのルイドと殺した事に何も思わないのか特に何にもという表情のアーミラ
こうしてルイドはアーミラと出会った
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「それで、結局お前は誰なんだ?」
「うん?四回目が必要かの?」
あれからルイドとアーミラはレイアを抱えてすぐにギルドに帰った、レイアの傷は酷かったがアーミラが回復魔法であっさりと回復させてしまった
団長には適当に説明をして逃げ帰った
そして今ある宿の一室にアーミラとルイドは話し合っていた
「回復魔法使ってたよな、しかもあれ相当強力なやつじゃないのか?」
「うぬ、まあ、お主ら人間で言う上級魔術じゃな、それがどうかしたのか?」
「なんでそんなのが使えるんだって聞いてるんだよ」
魔法には初級、中級、上級、王級、がある
そして上級を使えるのはほんの一部である
王級になるともっと少ないが…
この他にも精霊級があるがこれは比べものにならない、なぜならそれは精霊の主にしか使えない魔法なのだからだ
「それを説明するとなるとやはり四回目じゃが?」
「なんだアーミラだからできるのか?」
「うぬ!妾は大精霊アーミラじゃ!よろしくな主!」
「は?」
うすうすルイドは気づいていたが大精霊といえ言葉を聞いて思考が一瞬止まる
精霊というのは主が産まれた瞬間にわかるから精霊の主は運命の子とも呼ばれているのだ
しかし目の前にいるアーミラは今まで一回も見たことない
「えーと、つまりそれはどういうことだ?」
「まあ、驚くのも無理じゃないの~、急に精霊と言われたらどうゆう反応するのかと思えば意外と普通じゃな」
「まてまておかしい、俺は精霊を使役するほどの魔力なんて持っていないぞ!だからお前が精霊というのは嘘じゃないのか?」
「それは問題ない今妾は妾の魔力で足りている、しかしいずれルイドから魔力を貰わねばこの世界にいられなくなるの~」
「俺は、そんなに魔力持ってねぇよ」
「そこは安心せぇ、ちゃんと鍛えてやるぞ」
ルイドには理解できなかった、魔力も生まれた時に決まっているものだということを知っていたからだ
「主よ、魔力は生まれた時に決まるものではないのじゃ、鍛えれば増える、まあ、この世の人間は知らないようじゃがな」
驚きの新事実だった
「まあ、主だから大幅に上がることができるのじゃが…
まあ、よい自己紹介はこれぐらいでよいじゃろ、さっさと本題に入りたいのじゃ」
「本題?」
ルイドは何の事か理解できなかった
それにたいしてアーミラは質問する
「主よ、あの魔物について疑問などはうかばなかったのか?」
「……何が?」
「何故、あんなところにあのような魔物がいたか疑問には思わなかったのかと聞いているんじゃよ」
「偶然じゃないのか?」
「主よ、あの魔物はな魔人大陸の魔物じゃ」
ルイドは酷く驚いた
「なんでそんなものがこんな所にいるんだよ!?」
「そう、そこなのじゃ、何故あのような魔物がいたのか心当たりはないのか?」
「………」
考えてみたがルイドにはわからなかったようだ
「うーむ、では質問を変えよう、ここ最近で何か大きな事が起こらかったか?それか起ころうとしているか?」
「あぁ、それなら7日後シルミンドで大きな行事がある」
「ほーう…、襲われるな!確実に!」
「は?」
「そこで魔人どもが攻めてくると言っているのじゃ」
「なんでそうなるんだ?」
「あの獣は魔人大陸の魔物だった、そんな魔物がここにいるというのはおかしいのだ、きっと誰かに連れてこられてこの地に着いた時に逃げだしたのではないかと妾は思うのじゃ!」
「いや、流石にそれはないだろう…魔人って言えば恐ろしく強くて普通の人間では全くかなわないって奴だろ?」
「そうじゃ、恐ろしく強い、普通の人間では勝ち目はないようじゃの」
「その魔人が攻めてくるっていうのか?」
「その通りじゃ、おそらくその行事にお偉いさんがくるのじゃろ?」
「あぁ、その通りだが…」
「そこを魔人は獣を使って殺しにかかると妾は予想する」
ルイドは信じられなかった
だいたい魔人との戦争はもう長年行われていないそのため伝承だけが残り魔人は恐ろしいもの魔人大陸には近寄るなぐらいしか知らないのだ、だがその伝承が強く残っていることから人々はそれを信じているのだ
「でも、何の為に?」
「おそらく魔人侵略のお知らせみたいなもんじゃろ、ついに我らが立ち上がる~!みたいな感じじゃろ」
「そ、そうか」
「とゆー、訳で修行じゃな」
「ふぇ?」
「魔人は普通の人間では太刀打ちできん、だからこそ精霊とその主が頑張って戦うのじゃその為の精霊なのじゃからな!今日と明日は身体を休めるんじゃ!じゃあの!」
「あ、おい!」
アーミラはそして消えてしまった
余りにも展開が早すぎてルイドは頭痛がするので何も考えずに寝ることにした
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暗い森の中でヒソヒソと話し声が聞こえる
「無能な部下がジョルフタイガーを一匹逃がしてしまったようです」
「逃がすのは構わない、あまる程いる、だが、今回の計画が失敗するような原因を作る可能性がある、そいつは排除し、ジョルフタイガーの方も消しておけ」
「了解しました」
一人暗き森の中に消える
「さて、平和な時代も飽きた頃だろう…刺激があった方が面白いだろう…?
楽しまないとこの世は損するだけだろ…?
フフフ」
暗き森の中、誰もそれを聞くものはいない
誤字脱字なのあったら気軽に教えてください