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最高のアイドル。

作者: 彩上庄一

 俺はアイドルヲタクだ。何故か俺の推しメンは、ファンを裏切る。

 最初の推しメンは「市原まどの」ちゃん。屈託のない笑顔がとにかく可愛くて夢中になった。すぐに彼氏とのキスプリが晒された。

 次の推しメンは「夢河すず」ちゃん。握手会で、白魚のような手とはこのことを言うのだと思った。一生手を洗わないと本気で誓った。すぐにドラマで共演した俳優との自宅デートがすっぱ抜かれた。

 三番目の推しメンは「三垣ののか」ちゃん。ダンスPVを見て、すらっと伸びた脚はカモシカだろうがギリシア彫刻だろうが彼女には勝てないと思わせた。すぐに未成年飲酒をして補導された。

 四番目の推しメンは「桐間りんね」ちゃん。歌声を聴いた瞬間に天使だと確信した。すぐに喫煙写真が出回った。

 どうして彼女らはこんなことをするのだろう。俺を裏切って楽しいのだろうか?どうすれば裏切られずに済むのだろうか?散々悩んだ挙句俺は1つの案に辿り着いた。

 そうだ、自分で作ればいいんだ。最高のアイドルを。

 所謂アイコラというやつだが、「彼女」は俺を癒してくれる。まどちゃんの顔で笑い、すずちゃんの手を持ち、ののちゃんの脚で立ち、りんちゃんの声で歌ってくれる。「彼女」は俺を裏切らない、絶対に。

 そういえばかつての推しメンは、皆体調不良とかで休業中だ。ちょっと不気味ではあるが、俺を裏切ったのだから自業自得だ。

 今日も変わらず「彼女」は俺を癒してくれる。こちらを見つめ、手を差し伸べて、瞬きをして、口を開……





え?


「アリがトウ……。私モ貴方ノこト、好きヨ……?」

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