一点のシミ
周りの友人達はが次々と子宝に恵まれて行くのをみて、デリックと相談してそろそろ自分達も家族計画でも立ててみようかと話し合った。
ピルを服用していた麻衣子は、ピルをやめた。
体調も整えた。
麻衣子は母親になりたいと考えていた。
デリックも同じ様に、良い父親になりたいと言ってた。
妊娠が発覚した時、デリックは大きく目を開けて驚いてた。
本当に出来たんだ。
男の人には分からないが、麻衣子の華奢な体の仲には確かに2人の愛の結晶が育ってた。
麻衣子の妊娠の事を知ったデリックの両親は、手放しで喜んでくれた。
妊娠も後期になると、ちょっとした事ですぐに麻衣子は不安になり取り乱した。
「うぇぇぇ…」
妊娠すると女性ホルモンが崩れて、情緒不安定になるって書いてあったけど…。
自分の感情が自分でコントロール出来ない。
チッ
え?
デリック?
今、舌打ちなかった?
「あたたたた…」
いきなり夜中に脚がつり始めた。
友達から妊娠中は妊婦は脚がつりやすいから、旦那様に(デリック)に摩ってもらいなって言われた。
デリックは仕事に毎晩追われていた。
いつも疲れているデリックに脚を摩ってなんて、言えなくって…
ついつい我慢してしまった。
この頃から、彼は夜になると1人で書斎に籠る様になった。
「ねえ、デリックお願いがあるんやけど……何見てんの?」
「ん?何? まだ仕事をしてるんだけど」
「あ…そ、そうなの…。ならいいよ…」
デリックの書斎に行くと画面を仕事の様に切り替えた。
何にもないよね?
デリック…
信じても良いよね?
私達夫婦の間に黒いシミが一点落ちて行った。
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