第3話 絶対に教えてやらねぇ!
会議が終わってから河野と一緒に部屋を出た
「あー、俺のせいで面倒なことに巻き込んじまったけどこれからしばらくよろしくな」
と、謝罪交じりにこれからの挨拶をした、すると
「さっきもいったけど気にしないで、というよりもその話はいいっこなしだよ?
とにかくこちらこそよろしくおねがいします」
と笑顔を浮かべながら返してくれた
んー、やっぱこれって役得じゃね?今日遅刻したのも悪くなかったか?
などと考えつつ廊下の窓から外を見ると少しずつだが暗くなっていた
「だいぶ暗くなってきたな、あぶないし送っていこうか?」
勘違いするなよ!今回のは下心なんかねんだからな!
「桜木君の家って駅のほう?反対のほう?」
「あー、それ聞いとかないといけなかったな、俺ん家は反対のほうだけど河野は?」
「あたしも反対のほうだよ、それじゃあおねがいしよっかな?」
そして二人で帰ることになった
「んー、やっぱこれから大変になってくるんだろうな~」
「みたいだよ、去年実行委員だった人から聞いたんだけど夏休みでも学校に来てたときがあるみたい」
「げ…まじかよ…」ん?待てよ?ということはもしかして…
河野と夏休みでも会える!夏休み返上は痛ぇけど代償はしかたない!
「それにあたしたちは一応リーダーだから他の人よりもそういう日が多いと思うな」
「そうだな、ま、選ばれたからにゃしっかりと仕事をこなしていきますかね」
と、河野が意外そうな顔で立ち止まりこっちを見ていた
「どうかしたか?」「えと、その~…」
言葉を濁している理由を考えて納得がいった
「ああ、いっつも行事に手抜いてたから意外だったんだろ?」
図星だったのか河野があたふたし始めた
「いや、本当のことだから気にすんな、でもやらなきゃいけねぇならしっかりとやるから心配すんな」
そういうとにっこりと笑ってくれた
気恥ずかしくなったから前を向いていった
「ほら、さっさと帰んないと本格的に暗くなっちまうぞ」「うん、そうだねっ」
多分、顔が赤くなってるのは前向いてるのと暗くなってきたので気づかれてないと思う
それからしばらくして河野の家に着いた
「わざわざ家の前までありがとうね」
「気にすんなって、俺から言い始めたことだし」
そう言って家に帰ろうとすると「あ、あの!」と呼び止められた
「ん?どうかしたか?」
「これから実行委員の連絡とかあると思うからメアドとか電話番号交換してくれないかな?」
男に番号を聞くのが初めてで恥ずかしいのかちょっと頬を赤くしながら言う姿がとても可愛く見えた
それを見ていて固まっているのを見て河野に「ど、どうしたの?」と心配されてしまった
「あ、ああ、番号だな、ちょっと待ってくれ」
そういって俺はポケットから急いで携帯を出した
「これでよしと、あたしね、男の子とメアドとか交換するの初めてでちょっと緊張しちゃった」
とはにかんで言うのを聞いた瞬間、テンションがMAXまで跳ね上がった
うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!俺が河野の初めての番号の交換相手だと!
なんてついてるんだ、俺ってやつは!
「そ、そうなのか、河野の番号ならほしがる男どもはすげぇいるだろうけどな」
「あ、勝手に教えちゃだめだからねっ」
と、言うのに対して
「絶対に教えてやらねぇ!死んでも他のやろうどもには教えてやらねぇ!」
と本音を出してしまったのでちょっと河野がひいていた
「ま、まぁとりあえずおやすみだ、また明日な!」
そういって家まで走っていこうとした
「ばいば~い、また明日ね!あとでメールするからね!」
と手を振ってくれた
家に帰ってから携帯を見てみる
河野から女の子らしく絵文字が混ぜられているメールが来ていた
《美咲だよ(^○^)/これからも色々とよろしくね!》
いいね!好きな子からメール来るって!
それから無難な返信をしてその日は寝ることにした
-次の日-
「ういーっす、おはーよさん」
といつもどうりのテンションで教室に入るといたるところからやろう共の殺気をひしひしと感じた
「おー、桜木、やっときたか、みんなお前のことを待ってたんだぞ~」
と、いつも以上に気味の悪い笑顔で山田が肩を組んできた
「な、なんだよ朝から、暑っ苦しいぞ」などと言いつつ腕をどかそうとするが
がっちりとつかんできていてはずせなかった
「なぁ、君は俺たちに何か隠し事をしてないかい?」「何の話だよ、わけわかんねーぞ山田」
というと芝居がかった泣きまねをしてきた、いや、きもいことこの上ないんだが
「悲しい、俺たちは非常に悲しい思いをしている、一度ならず二度も裏切られるなんてな…」
そこでやっと気づいた、こいつらの俺に対するこの異常な殺気の理由に
気づいてしまったからにはすぐに教室を飛び出した
「逃がすな!皆のものやつの携帯をなんとしてでも奪うのだ!やつの生死は問わん!」
「「「イエッサー!」」」なんなんだこいつらは!
それから恵ちゃんが教室に来るまで俺と男子どもの(ある意味リアル)鬼ごっこが始まった
-昼休みを終えてHRの時間-
結局俺は昼休みの間もやつらに追いかけられて気づいたらその日最後の授業のHRになった
HRの授業、恵ちゃんは夢想祭の出し物を決めるといった
各クラスは2日目と3日目の出し物を出さなければいけない
1日目は近くのホールを貸しきってそこで劇などの発表をするが
毎年クオリティーのほうは高く、近所の人や学生が大勢見に来るほどだ
で、2日目と3日目は原則として何かしらの出し物を出さなければならない
「えー、本格的な準備は夏休み明けになるけど出し物のこと調べたりとか材料集めたりとかが必要でしょ?
河野、桜木、決めたりするのあとよろしくね」
おいおい、恵ちゃん横暴じゃねぇか?
「遅刻するようなやつには拒否権ないからね~」
読心術でも使えるのあの人?俺はともかく美咲は遅刻してねぇのにな
と思いつつも黒板まで行きクラスのやつらに案を出してもらおうとすると
「ハイ!ハイ!メイド喫茶がいいです!」黙って黒板消しを顔面に投擲、見事命中!
「うっさいぞ山田、本気でそんな案が通ると思ってんのか?」
いきなりそんな案を出してきた彼、山田総一郎は
見る分にはどこにでもいそうな一般男子なんだけど
口を開けばやれメイドだ、やれロリだ、やれ巨乳だ、やれetc…
とにかくオタクまっしぐらなやつだ(本人も否定しない、てか肯定する
「篤志!貴様にはわからんのか!この日本発祥のメイドのすばゲハッ」
本日2本目投擲、見事顔面直撃、今日の俺、コントロール抜群じゃね?
「メイドは日本発祥じゃねぇだろ、メイド喫茶はどうかしらんが」
「さ、桜木君さすがにやりすぎじゃ…」
なんて美咲が心配してあげたのでやつは即復活してきた
「ありがとう、河野さん!ボクは大丈夫さ!フッフッフッ」
やべぇ、黒板消し頭に当てすぎて最初から少ないネジをさらにとばしちまったか!
とか思っていると、山田がどや顔で話しはじめた
「学園側が許可を出さないと思っているのか?去年も実現させたクラ「多数決をとる」最後まで言わせてくれよ~」
面倒になりそうなので話を遮った
山田、お前にまず学園レベルじゃないんだって現実を見せてやるよ
「メイド喫茶でもいいっつー人は手を挙げてくれ」
なんと!2本の手が上がった!もちろんひとつは言うまでもなく山田だ
もうひとつは…出したのと反対の山田の手、要するに2本とも山田の手だ
凍りつくクラスの空気、山田一人白熱していたが
「…なぁ、恥ずかしくねぇか?そんな小学生みたいな真似して…」
結局メイド喫茶はボツになった(あたりまえか
てか去年やったクラスってどんだけそういう趣味のやつが集まってたんだよ…
「あー、他になんかいい案ないか?」するとそれぞれが意見を言い始めた
「メイドは嫌だけど喫茶店は?」「でも食べ物関係の店って多くない?クラスじゃなくて屋台もあるし」
「あの……」「何か調べてそれを発表するのは?」「つまんないに決まってんでしょ!」「ですよね~」
「あの…」「劇とかは?」「それやるんなら初日でしょ?いま2日目のだからそれだと教室だよ?」
「あー、狭いし無理か~」ん?さっきから小さい声で「あの…」って聞こえるような…
「あの!」今度は大きな声でクラス全員が振り向くほどだった
「え!?あ!その…」みんなに振り向かれたからかとてもテンパっていた
「あー、小田切もなんか案があるのか?」さすがにそのままはかわいそうなので聞くと
「あ、あたし、お化け屋敷がやってみたいです!」というと
「いいんじゃない?」「おもしろそ~」「やってみる価値はありそうだな」などと
ほとんどのやつが「メイド喫「てりゃっ!」ウギャッ」賛成みたいだった
「んじゃ、2年1組の出し物はお化け屋敷ってことでいいな?」
全員(一名気絶)が賛成したので出し物はお化け屋敷に決定した
「さて、どういう構成にするかだけどどうする?」
「なら桜木がどっかのお化け屋敷見てきてそれを参考にするってのは?」
といつのまにか復活した山田が復讐のつもりかそんなことをいい始めた
「おい、山「賛成の人は手を挙げてくれ!」てめっ、こら!」
うちのクラスはいい意味でも悪い意味でも団結力が強いようだ
ほぼ全員が手を挙げたので決定してしまった…
「はぁ…見てくるからには参考にできるようにするができなくても文句言うなよ?」
そういうと大きな声で全員そろって「は~い」なんていってきた、ここは小学校かっつーの…
キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン
話し合いが終わるころに丁度授業がおわった
「んぁ~、よく寝た、ん?なに、もう授業終わったの?出し物決まったの?」
あんた授業中に寝てたのかよ…先生としてそれでいいのか?
「先生が爆睡してる間にみんなでしっかり決めましたよ…」
「ん、上出来上出来、結局何になったわけ?」
「お化け屋敷ってことになりました」
へ~、とつぶやくとにやりとわらった
「さぞかし出来のいいもの作れるんでしょうねぇ~」
そう言うと恵ちゃんはニヤリと口を歪めた
「な、なんすかその意味ありげな笑いは…」
「いや~、いままでお化け屋敷やってたとこって表彰されてんだよね」「え!?」
夢想祭には1日目の劇などの発表と2日目・3日目の出し物の人気投票を行い
それぞれ1位から3位までを表彰している
恵ちゃんの話では過去にも何度かお化け屋敷を出展したクラスがあったらしい
そしてそのいずれのクラスもすべて1位をとっているらしい
「さ~て、あんたらにそれが出来んのかしら?」
「ったり前じゃないっすか、やるからにはとるに決まってるぜ!なぁ!みんな!」
そういってみんなに呼びかけてみると
「当たり前だ!」「当然よ!」「やってやるぜ!」などと
みんな(山田ですら)やる気を出していた
「どうっすか、恵ちゃん、これが俺ら2年1組のやる気ですよ」
恵ちゃんはふっ、と笑いながら言った
「あんたたちのやる気、しっかりと見せてもらったよ!あたしも出来ることは手伝ってやるからね!」
この一言でクラス全員が盛り上がりすぎて隣のクラスの先生から注意されたのは別の話だ
みなさん、梅雨ですねー
雨はめっさ降るしそのせいで蒸し暑いし
電車が運休を起こしてしまうし
ほんと勘弁願いたいですね…
いままでこんなにひどい梅雨あったかな?
まぁそれはおいといて、無事に3話目も投稿できました
これからもしっかりとペースを落とさずに頑張っていきますねー
それではまた次回お会いしましょうー




