欲と愛
「30になる女性の恋愛願望」
女30歳。そろそろ賞味期限というのが気になるときだ。
しかしここまで歳を重ねてしまうと、昔のように簡単には譲れないことがある。
それは「男」だ。
学生時代は「付き合う」ことだけが目標で、告白もデートもキスもセックスもすべてが遊びの延長だった。社会に出てからは合コンに紹介など、もっともっとましな男がいるのではないかと、付き合っては別れ、別れたら新たな出会いを求めた。
若い時代はあっという間に新幹線が間違って定着駅を間違えてしまったかのように、30歳というところまで来てしまった。
昔履いていたミニスカートは痛々しくて今じゃ鑑すらむき出しの足を映してくれない。
20代、男に困ったことのなかったはずが、今じゃどうだろう。
出会う男に全てにケチをつけ、言い訳しては中々特定の男にたどり着けないでいた。
そして日本人だけにとどまらず、世界のセクシーな男たちを求めてここまで来てしまった私は一体、これから先、何になりたいのだろう・・・?
ここで一人の例をあげてみよう。彼女の名前は中畑 岬。今年でとうとう三十路を迎える独身女だ。
ちょうど4ヶ月程前にアメリカ人の彼氏と別れ、多少人間不信になりながらも今は不特定多数の男性とデートだけの関係を楽しんでいる。
いや、正確にいうと真剣な恋愛の対象に見られていない女なのだ。
一人は一つ年上の日本人。名前は田中 浩二、プロのカメラマンだ。
彼とは偶然飛行機の中で隣りの席になり意気投合した。
見た目は華奢な男の子だが、夢に向かっている姿は何とも凛凛しい。
彼は今仕事でロンドンの方にいるが、日本を発つ1週間ほど前に告白された。
しかし彼女は答えを曖昧にしたまま彼を見送り、今は半遠距離恋愛をしている状態だった。
もう一人は4歳年上の中国人。名前はケイ、日本で青年実業家として独り立ちしている。
顔立ちも綺麗でスタイルも良く、何より優しい人だが、一度私たちが関係を持ったら彼女の中で燃えかけていた灯が音を立てずに消えてしまった。
毎日メールや電話がくるが、どうも何かしっくりこない。とりあえずデート中だ。
もう一人は1歳年上のタイ人。名前はPon、現在大学院の医学部にいて来年卒業の将来有望君だ。
背も高く、スタイルも良く、そして頭が最高にいい。
顔も好みで性格も良く、家族思いの言わばパーフェクト君だ。
しかしここに問題が・・・。インターネットで知り合ったため、ウェブ上でお互いの顔を見て話すことは多々あるが実際会って話したことはない。
インターネットでは殺人犯だって、牧師になれる。
他に4つ下のIT関係の日本人の子や、3つ年上の大学教授のオーストラリア人、そして最近知り合ったなんとかコンサルタントの2つ上の中国人だ。
こうやってあげてみると、中々人生を謳歌しているように見えるが毎晩一人酒をしているくらい愛に飢えているのが現実だった。
結局は自分に合う人はいなく、今はもう愛を求めること自体疲れてしまったと彼女は恋愛を全く楽しめずにいた。こんなに出会いが多く、よりどりみどりの彼女ですら愛を見失ってしまっている。
では一体どうやって「運命の男」を探し出せるのだろうか?
ある友達がとてもいいことを言ってくれた。「誰も自分を幸せにはできない。自分を幸せにできるのは自分だけ。」
確かにその通りかもしれない。
男性に幸せにしてもらおうと考えていると、予想外の出来事が起こるとイライラしたり冷めてしまったりする。
しかしもし絶対的に好きなものがあったらどうだろう。例えば大好きな芸能人や歌手がいたら、どんなに落ち込んでいても彼の笑顔を見れば一瞬で幸せになれるだろうし、猫や犬が死ぬほど好きだったら触った瞬間昇天できるのではないだろうか。
彼氏にはまるというのは時に素敵なことだが、彼の言葉や行動に一喜一憂するのは考えものだ。
自分というものがしっかりしていたら恋愛に重りをかけずに日々の生活を楽しみ、新しい出会いを受け入れ、古い相手に固執することもなくなるのではないだろうか。
いわゆる「自立」というやつだ。
もういい年だからこの人を失ったら次がいない、だから結婚して家庭を持って、友達と久しぶりのランチには嫌というほど愚痴を吐き出すのは考え物だ。
逆にもっといい男がいると信じて、付き合っては別れを繰り返す事は自分自身は若いままでも時とシワは待ってはくれない。
やはり自分の中でどうしたか、どういう未来を望んでいるかなど明確に考えるべきなのではないだろうか。
そして恋愛の相手に求める条件を紙に書き出し、どんな相手を求めているか未来設計の中にいる自分と組み合わせ考えてみたら将来はもっと明るくなるかもしれない。
ここで紹介した岬にこの話をしたら、さっそく彼女は自分の将来の旦那様に求める条件を紙に書き出した。
①O型で二男、または末っ子
②家族が離婚していない
③独り暮らしをしている
④タバコを吸わない
などなどあげたらきりがないが、自分に妥協しない程度に甘く条件を出したところ結局今デートしていた中にはいなかったそうだ。
しかし彼女は以前と違ってこう言った。
目標が定まった今、目標から程遠い人とデートしてる時間がもたいないわ。
そして彼女は以前より綺麗になり、「運命の男」と出会えるのかどうかと不安になることはなくなったという。
なぜならもう彼女の頭の中には運命の男は用意されているからだ。
あとは彼と会う時の為に自分を大切にすると彼女は言った。
そして数カ月が過ぎたころ、彼女は運命の男性とめぐり合い今は幸せにくらしているそうです。
そして私は彼女のように今まさに「運命の男」の条件を紙に書き出しているところです。