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無関心、あるいは殴打。- ンアの世界神話に関する手記 -

作者:
掲載日:2026/01/29

 - ンアの世界神話 -


 ンアは白い玉であり、たまに黒い玉になる物体だ。黒い玉はまれに緑色に発光する(シホを放出しているため)。

 ンアには三体の双子(二つのシホ( 母であり、左にいたため左を意味する)が宿っている物体を指す)の妹がいた。ンア(この世界では上二人は同名になるらしい)とンア(長女と次女は同名になるらしい)とドンゲランバランガランゾラングリグリだ。ンア(長女のほう)はとてもやんちゃだったため、ンア(左耳(左耳は大地を指すらしい)と左くるぶし(左くるぶしも大地を指すらしい)が大地の白い玉のほう)に殴られて大地に還った。その時に放出されたシホが空気になり、のちに最初の種族であるチチ理族が誕生するきっかけとなった。

 チチ理族の最初の長は理だった。理はとても聡明だったが、果物の種を喉に詰まらせて大地に還った。その後、木が生えたが枯れた。

 チチ理族には「ピー」しか生まれなかった。しかし、ンア(玉の方)に無関心だったドンゲランバランガランゾラングリグリが膝を叩いたことで、相反する「ーピ」が生まれ、チチ理族に新たな「ピーーピ」が誕生することとなった。

※つまり、雌しかいなかった種族に、雄が誕生したということだ。「ピーーピ」は第三の性別を表すらしい。


 ---


 ここまでがピーーピ誕生の話だ。

 最初に誕生したピーーピは翌日死んだ。死、つまり大地へ還らなかったのは、ピーーピがドンゲランバランガランゾラングリグリ(長いため今後はドと略す)のンア(玉)への無関心によって生まれた存在だからだ。無関心とはあなたの言う愛である、とチチ理族の末裔は話していた。

 チチ理族に寿命があるのは、彼らがシホそのものに類似した物体であり、シホを宿しているわけでは無いからだ。ピーーピが早くに死んだのも、シホが無かったからだと考えられる。大地は母であり、母は大地(つまりンアの左耳と左くるぶし)、つまり空気であるため、チチ理族は大地に還らないのだ。


 ンア(次女)の方はと言えば、ンア(大地に還ったほう)を必死に探していた。とても繊細な物体であり、普段からよくンア(大地に還ったほう)と一緒に行動していたからだ。ドから殴られていた時も、ンア(長女と書けばいいことに今気づいた)がいつも助けに来てくれたのだ。ドは生まれるのが少し遅く、長女と次女からはぶられており、構って欲しいがためにちょっかいをかけていたのだ。

※その後末裔に聞いたところ、普通に恋敵だから殴っていたらしい。


 翌日、私は例のウッンヌ族のとある女性のもとへ話を伺いにとある場所へ行った。


「はじめまして」

「はじめまして」


 その女性が言うには、三姉妹双子は実は三姉妹双子と一単子(単子とは一つのシホを宿す物体)だったらしいということだ。どうもチチ理族は、その単子について隠したい情報があるらしい。


 翌日、私は例のチチ理族のとある末裔のもとへ話を伺いにとある場所へ行った。


「こんばんわ」

「こんばんわ」


 私は回りくどい会話が嫌いだったため、早々ウッンヌ族のとある女性の話の真偽を尋ねた。普通に殴られた。どうやらタブーらしい。


 ンアの世界神話を調べ直した。結論から言えば、どうやらドンゲランバランガランゾラングリグリは、ドンゲランバランガランゾランとグリグリの二人だった可能性が浮上した。ドンゲランバランガランゾランが、まだ幼かったグリグリを殴り名を騙ったらしい。理由は恋敵だったから。


 - ンアの世界神話 ピーーピ死亡後 -


 長女を殴ったンア(玉)は、酷く落ち込んでいた。普段は大人しかったンア(次女)も、その時ばかりはンア(玉)に掴みかかり、涙ながらにこう訴えた。


「※泣き声」


 申し訳なく思ったンア(玉)は、ンア(長女)を探すため、ンア(次女)に左耳(左くるぶし)を見せることにした。

 しかしこれをよく思わない物体がいた。ドだ。

 ドは、ンア(玉)に掴みかかり涙ながらにこう訴えた。


「私はそのようにあなたの無関心が欲しいとそのよう思っています」


 - チチ理族から盗んだンアの世界神話の断片 -


 ドはグリグリを殴る直前、同じように言い放った。


「私はそのようにオ(兄(ンア(玉))の敬称)の無関心が欲しいとそのよう思っています」


 ドはグリグリを殴り、土に還した。その時に得たシホによって、ドはピーーピを生み出した。

 ピーーピは直ぐに死んだが、微かにグリグリの一部を残した。それは長い時間をかけて、新たなピーーピと呼ぶべき物体へと変化した。


 ピーーピはウッンヌ族の祖先に当たると考えている。なぜなら、ウッンヌ族の名前の八割がピーーピだからだ。

 つまり、チチ理族がグリグリの存在を隠そうとしたのは、殴られて土に還るような存在が自分たちの結婚種族(シホから誕生したチチ理族と、ピーーピから誕生したウッンヌ族は、必然的に惹かれ合うのだろう)の先祖だと恥ずかしい、というプライドのためだったのだ。


 - ンアの世界神話 -


 ンア(玉)が左耳(左くるぶし(大地))を見せたことによって、ンア(次女)はンア(長女)を見つけることができた。ンア(長女)は大地の奥底「シホ(シホ(母)ではない)」で蹲っており、ンア(次女)が見つけた時には小さな声で泣いていた。


「シクシク(本当にこう泣いていたらしい)」


 普段はやんちゃで勝ち気なンア(長女)だったが、実はンア(玉)を愛しており(無関心ではない。おそらく友情に近い感覚だろう)、殴られたことがとても悲しかったのだ。

 ンア(次女)はンア(長女)を呼んで、ンア(長女)からそうされていたように左くるぶしを優しく叩いた。ンア(玉)もまた、ンア(長女)に謝り、長い時を経てようやくンア(長女)はシホ(シホ(母)ではない)から出てきたのだった。

 しかし、戻ってきてンア(長女)が最初に見たのは、ンア(次女)の背後にいるドだった。

※緊急事態発生。この手記は一旦ウッンヌ族の女性(この前話した女性とは別)に預ける。

※(この記号なんだろう?)↑彼の要請により、一部語句に説明を追加した。

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