管理人
「はぁ〜。今日も、学校かよ。」
屋根裏部屋で1人の男が、鏡の前で制服に着替えている。
「夏希!さっさと降りてきな!朝ご飯できてるよ!」
着替えをしている夏希に、リビングからエプロンを着けた女性が大声で呼ぶ。
「分かってるよ、ララさん。今行く!」
夏希は、ララさんに呼ばれ急いで、制服に着替え、階段を駆け下りながらリビングに向かう。
「夏希。あんた、大丈夫なの?」
「何で?」
ララさんは、腰に手を当て夏希に、心配そうに質問する。それを聞いた、夏希は何のことか分からなかった。
「何でって、あんた、今何時だと思ってんの?」
「何時って、 7時半でしょ?」
夏希は、自信満々に今が何時か答えテーブルの上に置いてある、ララさんが作ったサンドイッチを食べ始める。
「………え?」
「え?」
「……う。」
ララさんは、リビングにある時計に指をさす。夏希は、ララさんがさす方向を向くとびっくりして、口にくわえていたサンドイッチを落としそうになる。なぜならリビングの時計は7時50分を指していた。
「え?、で…でも部屋の時計は……何で?」
「知らん、けど早く学校に行ったほうがいいって事は分かる。」
「そらそうだ!」
夏希は、急いでカバンを持ちサンドイッチを食べながら、玄関のドアを開け、走って学校に向かう。
「夏希!鍵!……はぁ〜」
大声で夏希に鍵を置いていっていることを伝える、しかし夏希にララさんの声が聞こえず。そのまま学校に行ってしまう。
「遅れる!ヤバイヤバイ!……何でこういう時に限って赤になるんだよ!」
信号に捕まった、夏希はイライラしながら信号が青になるまで待っていた。待っている信号がようやく青に変わる。
「良し!……え!?」
信号が青に変わった瞬間、夏希が一歩前に進むと辺りが真っ白になっていた。
「は?…何何何?………は?」
「www。そんな驚き方初めてw。」
真っ白な空間に入った、夏希は訳がわからず困惑していた、そこに笑い声が聞こえてくる。夏希は、笑い声が聞こえる方を向くが何もいなかった。
「誰だ!」
「……誰だって、失礼ね。君。普通相手の名前を聞くときは、まず自分からだろ。」
「………え…えーと、……夏色 夏希だ…です?」
夏希は、混乱していたせいか、とりあえず言われたとうりに自分から名前を名乗る。
「まぁ、知ってるけど。」
「知ってる?」
「そ。君の事は、全部知ってる。どんな女の子が好きかとか、嫌いな人。黒歴史も知ってるよ。」
「やっ…やめろよ!何なんだよお前!」
「僕は、管理人さ。」
声は、夏希の全部を知っていると言い証拠に夏希の黒歴史を言おうとする、夏希は顔を赤くし辞めさ声に何ものか聞く。すると声は、自分の事を管理人と名乗る。
「管理人?何の?」
「世界。」
「世界?」
「そう。世界。僕は、ある方のために世界を管理している。」
管理人は、ある方のために世界を管理していると語る。
「ある方って?」
「それは言えない、言ったら僕は、消えてしまう。」
「……まぁ良いや、……まてよ、もしかして俺異世界に、転生とかするの?」
夏希は、自分が読んでいる本と今の状況を重ね自分が異世界転生できるか管理人に尋ねる。
「いや、できない。」
「できないのかよ!じゃなんのために……もしかして!俺死んだ?」
「死んでもない。」
「じゃ何で俺ここにいるんだよ!」
夏希は、自分が何故ここにいるのか不思議に思い片っ端から心当たりを言い答えを探す。すると管理人は、真剣に話す。
「…力さ。」
「え?」
「君に、力を与えるためさ。」
「力?」
「そう。」
「なんで?」
「それは、言えない。」
管理人に呼ばれた理由は、夏希に力を与えるためと答える。力を与える理由を聞くと答えてくれなかった。
「すまないね。だが、これだけは、教えられる君以外にも、力を与えられた者がいる。」
「……誰?」
「それも言えない。」
「言えないことばっかじゃん。」
「まぁね。」
「じゃ。どんな力が手に入るんだ?教えてくれよ。」
夏希は、与えられる力ご何か気になり初め、管理人を問いただす。
「君に与える力は、吸収。」
「吸収?どんな能力なんだ?」
「吸収は、ものを吸収できる。」
「それって強いの?」
「まぁ、ある程度。」
夏希は、管理人から吸収の能力を聞きがっかりした。
「ある程度って、まじかよ。」
「ま。そういう事だからじゃあね。」
「え?」
管理人が、話を終えると夏希の目の前が真黒になり、数秒後に目を開けるとそこは、渡るはずだった信号の前にいた。信号は、青から赤になっていた。
「何だったんだ?」
信号が変わるのを待っていると、学校からチャイムが鳴る音が聞こえてくる。
「……あ。遅刻だ。」