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死者の行方と誘惑

早速死者の魂と感応してみる。


 見えるのは、綾瀬が苦しむ姿だった。

 まだ死にたくはなかった。

 あんなことはしたくなかったのにと嘆く声だった。


 どうやら洗脳状態から解けたらしく、本気で後悔しているようだった。


 次に葵の姿が見えてくる。 綾瀬との対決によってイグニスは力を使いすぎたらしく、イグニス本人はさらなるパワーアップのために旅に出たようだけど、葵はそういうわけにはいかず、反動で死者となってしまった。


 後悔しているという様子はないものの、やはり、悔恨の念があり痛々しかった。


 最後に坂崎の姿が見える。綾瀬に着られたときに、傷が完治しておらず、病院にも行かずに必死で情報を集めていた際に傷が開いてしまい、死亡してしまったようだ。

 病院に行けばよかったなどと、後悔しているようだったが、後の祭りである。


 以上仲間達の、悲痛な叫びを聞き、でも生き返るなんてできるの?

 という疑惑の方が先に立つ。 うん、これって詐欺じゃないのだろうか?


 ヘルは語る。


「妾、死者を飛べる冥界の王、すなわち、ある程度の融通を利かせることができる。


 生け贄だーー最近、このアルフヘイムを攻撃する輩がおってな。


 何、簡単なことだ、そいつら、を始末してくれればいいだけだ。 其方のヴァルキリアとしての力があれば余裕であろう?


 挑発のまなざしーーこちらを試すように、品定めするかのごとく……


 私は断ろうとするが、エアリスさんが手をつないできた。

 そして手に唇を当てて懇願する。


「七瀬様、私からもよろしくお願いします。 襲撃者は恐ろしく強いのです。

 ヘル様も完全な状態ではなく、私だけでは手に負えません。

 なんとかご助力お願いします。


 騎士のように頭を垂れるた後、そのまま上目遣いで見つめてくる。

 うん、なんか、言うこと聞かないと悪い気がしてきた。


「何、返事は急がない。 少し考えてみるがいい自分の命と、襲撃者の退治どちらが大切かを。


 そうそう、この城にいる間は使用人としてエアリスをつけてやろう。 存分に使ってくれて構わん、其方の望むこと何でも頼むがいい」


「はい、七瀬様のためなら、命をかけても悔いはありません、私は何でもいたします。

 全身全霊でご奉仕いたしますわ。 そう言って、上目遣いで見つめてくる。チラチラ、こちらの顔色までうかがってくるので、余計にノーとはいいにくい。


 例えばこんなことだってできますよ?

 そう言って、いきなり抱きしめられた。柔らかい感触が、身体を包む。

 いわゆるギュとするというやつだった。


 不意打ちで、びっくりして身動きがとれないと、耳にと息を吹きかけるように、

「望むのであればこの続きも、何なりと?」


 うーん、私そこまでチョロく見えるのだろうか? たが、身体は膠着している。

 意思に反して動けない。

 しばらく、抱きしめられたままでいたので、彼女は効果が薄いと思ったのか唇まで重ねてきた。

 ついでに、舌を絡めると同時に、何かしらの薬液を流し込まれたようだったが、そこで意識が途絶える。


「ふむ、ヴァルキリー殿はつかれがたまっているらしいな、エアリス、部屋へ運んでやれ、ついでに、衣装もより豪奢なものへと替えてやるがよい、フハハハ」


 そのままエアリスの身体へと体重を預けて意識が途切れた。 脳裏をよぎるのは甘い感触のみで、もはや何が何だかよくわからなくなった。


 ただ、生きているエアリスの身体の中で、生を実感する。生きたいと実感することしかできなかった。


 ゲームはほとんどやらなくなったけど、他の趣味が増えてしまって、暇な時間がない。 どうしたものかな?

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