プロローグ
まだ後半部分が書き切れてないので、途中でぶった切れます。
ヴァルハラシンドローム 4章不死と力と流転する世界
たゆたう意識が、急激に覚醒していく、あれ? 私は死んだはずじゃ?
私こと美奈坂七瀬は前回妹の綾瀬を助けるために、力を使い果たしその結果死亡した。
でも夢は見てた気がする? 死んでいても夢って見るものなのだろうか……
答えのでない模索は空をつかむようで、結局結論は出ないまま意識は覚醒していく。
ーー目が開く、覚醒する意識が最初に捉えたのはーー
目の前に立つ人影ーー
褐色のローブの女性、悪魔的な美貌をたたえる紫色と紅い瞳、いかにも人間じゃありません的な、死神系美女、うーん、やっぱり死んでるなこれと思った。 美貌に見入りそうになりながらもあたりを見渡す。
曇天の空にゴシック調の、古城が見える。 私は閻魔大王ではなく、サタンの供物にでもされたのだろうか? そんなに悪いことしてないと思うんだけどなあ?
とか無駄なことを考え始めた頃、じっとこちらを観察していた。 ローブの美女が恭しくお辞儀した。 所作からして美しい。 私とは生まれが違うな。
うん。庶民の動きじゃない。
「お初にお目に掛かります。私はナビゲーター、冥府の番人、エアリスと申します。
今日から、貴方様のお世話をすることになりました。どうかよろしくお願いいたします。
マスター?主様? 美奈坂七瀬様? なんとお呼びしましょう?」
また死後の世界とはいえお約束だなあ、とか思った。褐色のローブでほとんど服装は見えないが、いかにも冥府の番人という出で立ちの彼女は礼儀正しく、一礼した後、こちらの返事を待っているようだった。
コウモリをあしらったカンテラなど持っているのところが、なんとなくそれらしい。
「マスターっていうのはやめて、七瀬でいいよ。堅苦しいのは苦手なのよね」
「では七瀬様と呼ばせていただきます!」
彼女は堅く意思の宿った声で断言した。 覆すのは簡単じゃなさそうなので、もうここは両省の意を示す。
「では七瀬様、ご案内いたします。冥界へようこそ、貴方は死にましたーー」
バットで頭を殴られたような錯覚に陥る。まあこの状況で死んでないなんてあり得ないよね?
いや、びっくり、ホントに死んだんだ。私は……わかってたけど、結構ショックだったらしく、その後の声が頭に入ってこない。
「七瀬様、大丈夫ですか? 相当ショックだったのですね。 何度でも、言いますよ貴方は死にました、おおしんでしまうとはなさけない」
「それは言わなくていいよ……笑えないから……」
思ったよりユーモラスな人なのかもしれない?
「ではご案内を再開します。 冥界の名所旧跡などいかがでしょう。私もデエトというものに憧れていまして、その……チラ」
流し目をしてくるが見なかったことにする。
直視できなかったとかではなく、周りが悪趣味な血の池地獄やら、アイアンメイデンやら、いろいろあって、骸骨もそこかしこに転がっている。
何より、死んだと確定したあと、すぐにデエトとやらをする気分にはなれなかった。
「チッ、まあ、仕方ありませんわね。 では城主の元へと案内いたしますね。ついてきてください、七瀬様」
なんか聞いてはいけない音がした気がするけども、怖いので聞かなかったことにする。 そう言いつつ優雅な足取りで先へ歩いて行くので、迷子になりそうなので、素直について行く、城主はやっぱりサタンなんだろうか?
ドキドキを抑えきれず、心音を確認したら、脈がなかった。がっくり……そうだ死んでるんだった。
じゃあ、このエアリスさんからも心音がしないだろうか? 確かめてみたいが、セクハラになる可能性もあるので、自重する。
と彼女は私の手を取って、胸に当ててきた。びっくり、めっちゃ大きい。 私はスタイルは地味なので、そんなところもうらやましい。まあ愛嬌あるタイプの方が好みなんだけどね。
ふくよかな胸に手を当てると確かな心音を感じる。 うん、生きてるんだこの人?
「残念ながら、私は死に神ではありませんよ。 あくまで冥府の番人、まだ生きています」
といって、胸から手を離した。名残惜しい弾力が消える。 うん、確かに暖かい温度も伝わってきた。 生きてるっていいなあ。 急にうらやましくなってきた。
とスタスタと、歩きだしたので、彼女の後をそそくさとついて行く。 とにかく、居心地が悪い空間だった。
途中まで? は更新しますのでよろしく、後更新が土日忙しくなったので、金曜にしようか悩みましたが、基本不定期としながら金曜日11時頃に更新できればいいなあと?
この後の、中盤で別枠で投稿するエインフェリア達の意思という作品を同時投稿します。 重ならないように時間を空けるかもですが、よろしくです。 そっちは地味ですが独立してます。