花弁を追って
早朝に花弁の跡を追いかけるなんて我ながら馬鹿なことをしたものだ。自分の正気を疑ってしまう。白く小さな花弁。仄かに香りがするのが可憐といえば可憐。知識がないので花の種類は知らない。いずれ良くある花だろう。それが道に落ちている。発見したのは数分前。散歩をしていて気を惹かれる。花や花弁など普段は気にもしないが、どういった心のありようか。落ちていたのはごく普通の路上。何処の街にもあるアスファルト製で表面がざらついた道。もっとも、ざらつきがなければ上手く歩けないだろう。摩擦が生じないと滑って転んでしまう。