34. 魔法大会④
魔法大会の第1日目は無事に終了した。
AからEまでの闘技場にて、それぞれ四回戦に出場する選手の名前が学園の講堂に張り出されている。
Aにはアステル、Bにはアリアとマイク、Cにはオリバー、Dにはレスターと、それぞれが順調に勝ち上がってきたようだ。
明日の対戦を確認する為に、張り出された表と名前を見て、アステル達が驚いていた。
「アステル様! E闘技場にエマ・ベルイヤの名前が!」
マイクがいち早くその事に気づいて叫ぶ。
マイクの叫びに、アステルやレスター、オリバーがびっくりして、表を確認しに来た。
「あ! 本当だ! なぜあの女の名前が!?」
アステルの叫びに、マイクやレスターも同意する。
「きっと、また汚い手を使ったに決まってますよ!」
「そうだ! あの女は平気で汚い手を使うからな!」
その発言を聞いていたオリバーは無言だ。
そこに、アストナ先生と共にアリアがやって来た。
「皆さん、どうされたのです? もちろん、皆さんも勝ったのでしょう?」
そういうアリアに、アステルはまず笑顔でアリアを労う。
「アリア、聞いたぞ。三回戦勝利おめでとう。よく頑張ったな」
「ありがとうございます。アストナ先生のご指導のお陰ですわ」
そう言って、アリアはアストナ先生に笑顔を向けた。
「いやいや、アリア嬢の実力だよ。私はほんの少しアドバイスをしただけだ」
アストナ先生はそう言って、アリアに笑顔を向け返す。
「ゴホッン。アリア、僕達もみんな勝ち上がって、明日の四回戦出場が決まったよ」
「まぁ! そうなのですね! 皆さん、おめでとうございます!」
マイクの報告に、アリアは皆に極上の笑顔を向けて、祝いの言葉を述べる。
「では何故皆さん、先程は何やら怒ってらっしゃったの?」
アリアの質問に、四人がハッとしてアリアに伝えた。
「そうだった! アリア、びっくりするなよ? あの女も四回戦出場になったんだ!」
アステルの叫びに、アリアとアストナ先生は首を傾げる。
「あの女?」
「エマ・ベルイヤだ!」
その名前を聞いた途端、アリアは不機嫌になった。
「何故、エマさんが? あの人、聖属性だけでしょう? 戦いは不向きだからすぐに敗戦するはずなのではなかったのですか?」
そう言ってアストナ先生の方を見た。
「確かに聖属性は対戦向きではない。しかも、エマ嬢は攻撃魔法をあまり取得していないはずだ。何故勝てたんだ?」
アストナ先生が分からないといった様子で考え込んでいる。
「どちらにしても、明日、エマ・ベルイヤの対戦を見に行ったほうがいいようですね」
オリバーが冷静にそう話すと、皆は神妙に頷いた。
対戦中は、側近として護衛する事を免除されているため、オリバーはその後、早々に帰ろうとしていた。
「あ、オリバー様。待って!」
アリアがオリバーの跡を追いかけて呼び止める。
「どうかされましたか?」
「あ、あの。オリバー様はどうお考えなのですか? エマさんの事について」
「どう、とは?」
「エマさんが、何か良からぬ手を使って勝ち抜いてきたと皆さんがお話したでしょう?
オリバー様も、そう思われますか?」
アリアの質問にオリバーは、少し考え込んだあと、ハッキリと言った。
「不用意に不確かな事を言うつもりはないですよ。明日、エマ嬢の対戦を見ればハッキリと分かるはずですから。
ご用件はそれだけですか?」
「え? え、ええ」
「では、失礼します」
そう言って今度こそオリバーは帰っていく。
「ラッキーアイテムの効果がまだ薄いのかな? もう一度、女神様にお願いしなくちゃ」
オリバーの後ろ姿を見ながら、アリアはそう呟いた。
その頃、エマはグレイによって特訓を強いられていた。
「ちょっと! グレイ! 少しは休憩させてくれてもいいんじゃない!? 大会の後にすぐ特訓って、どんだけ鬼畜すぎなのよ!?」
「お前は人より場数を踏んでないんだぞ? いいのか? 負けても。
運命に逆らうんじゃなかったのか?
お前の力を見せつけて、宝玉を取り戻す目標はどうなった?」
グレイが容赦なく攻撃魔法を仕掛けながら、私を煽ってくる。
「くっ! 分かったわよ! やればいいんでしょ! どうせ疲れはヒールで癒せばいいのよねっ!」
「ふっ。分かってんじゃねぇか」
その日は夜遅くまで訓練が続き、屋敷に戻った私は両親から散々叱られた。
理不尽!
グレイめ!
帰宅時間もちゃんと配慮してよね!




