君の気持ちに踏み込めない、初めの一歩!
___僕は、好きな女性の事で悩んでいた。
僕の好きな人は、8個上の女性のひとだった。
___僕の一番上の姉の女友達だった。
よく姉は、その友達を家に連れてきていた。
晩ごはんも、うちで食べていく仲になっていたし。
僕たち家族とも、物凄く仲がよかったんだ。
・・・だけど?
別々の進路を選ぶ事になると? 姉とその友達は一緒に居る
事がなくなり、お互いの新しい友達ができたみたいだった。
___姉は、大学でできた友達を家に連れてくるようになる。
僕以外の家族は、みんなその友達とも仲良くなっていたが。
___それから数年後。
僕は、彼女が家に来てほしくて姉に1度だけ、聞いたことがある。
『___ねえねえ、お姉ちゃん? あの友達は、もう来ないの?』
『・・・えぇ!?』
『___美菜香って、女の子だよ!』
『___何よ! 孝昇、美菜香の事! お気に入りだったの?』
『・・・・・・』
『___何よ! そんなに照れないでよ! 図星じゃん!』
『・・・もう、いいよ!』
『___今度! 久しぶりに会う約束してるけど? 会いたい?』
『・・・まあ~会えるんだったら! 会ってもいいかな?』
『___また~素直じゃないんだから~!』
『___そんな言い方すんなよ! 恥ずかしいだろう!』
『___可愛いところもあるんだねぇ~』
『___からかうなよ!』
『___ごめんごめん! じゃあ、来週の日曜日に美菜香うちに連れて
来るわ~それでいい?』
『___うん!』
___彼女とは?
あれから随分と、会っていない!
どれぐらい会っていないのか?
僕も、気がつけば19歳になっていた。
彼女は現在! 27歳になっているのだろう。
あっという間に、月日は過ぎていったが、僕の気持ちは
あの頃と何も変わっていない! 19歳だというのに好きな人も
彼女もいない! 僕はあの女性の事を忘れられないでいるからだ。
・・・でも?
彼女は、27歳だとしたら? 好きな人や彼氏がいるかもしれない。
それどころか! 旦那もいて子供もいる家族が出来ているかもしれない!
そう考えると? 僕は、不安も感じるけど。
それでも、僕は彼女に会いたい気持ちを止める事が出来なかった。
どうしても、彼女に会いたい!
会って! 僕の気持ちを彼女に伝えたい!
___そして、日曜日。
姉は、久しぶりに彼女を連れてきた。
彼女は、相変わらず綺麗で僕の目を惹きつけた。
彼女が、僕と目が合うと僕にこう言った。
『___えぇ!? 孝昇クン? 凄くカッコよくなって~
お姉さん! びっくりしちゃったよ~!』
『___美菜香さんも、相変わらずお綺麗ですよ!』
『___大人の男になってて! ステキね、孝昇クン!』
『・・・あの? 少し、話したいことがあるんだけど?』
『・・・えぇ!? 二人?』
『・・・ううん!』
『___ちょっと待っててくれる! おじさんとおばさんに挨拶して
来るから! それと、リンナちゃんにもね!』
『___うん! 僕の部屋で待ってるよ。』
『___じゃあ、後で行くね!』
『___うん!』
___30分後。
僕の部屋に、美菜香さんがやってくる。
【コンコン】
『___美菜香さん! 入っていいよ!』
『___うん!』
そういうと、美菜香さんが僕の部屋に入ってくる。
『___ふーん! こんな部屋にずっと居たんだね、孝昇クン!』
『・・・もぉ~あんまり見ないでよ!』
『___話って? 何かな?』
僕の方を見ないで、美菜香さんが僕に聞いた。
『___僕はずっと、美菜香さんの事が好きだったんだ!』
『___ううん、その事なら! お姉ちゃんから聞いてたよ。
私も少し、意識しちゃってたさ~でもまだあの頃、子供だったんだよね
孝昇クン! だから、恋愛対象としては見てなかったけど? 今なら
大人でカッコ良くなってるし! 恋愛対象になるかなぁ~』
『___ホントに!?』
『___うん!』
『・・・だけどね? 私、つい最近! “結婚したばかりなの”
だから! ごめんね、孝昇クン! もう少し、早くに告白してくれたら?
孝昇クンと付き合ってたかもしれないね!』
___彼女は、僕にそう言うと? 薬指につけた指輪をにこにこしながら
僕に見せてくれた。
『・・・・・・』
『___じゃあ! お姉ちゃんの所に戻るね! また!』
『・・・ううん。』
___僕は、彼女の話を聞いても諦めきれなかった。
こうなったら? “浮気相手でもいい!” どうしても彼女の傍に
居たいと思ったんだ!
この気持ちを止める事は出来ない!
きっかけは、どうでもいい!
彼女との初めの一歩を踏み込まないと何も始まらない!
僕は、【彼女の事をどんな事があっても! 諦めない!】
そう誓ったんだ! 旦那から彼女を奪い取ってやるってね!
最後までお読みいただきありがとうございます。