3日目も温泉に入ってみた!
短め&旅行パートは飛ばしぎみです。
「んっ、まぶしっ…。」
太陽の光が顔に当たったのか、すごく眩しかったから目を開けた。
すると、すぐ目の前にメルクさんの顔があった。
その距離、3cmあるかどうか。あとちょっとだけ前に顔を動かせば、鼻が当たる距離。
「ちょ、ちかっ!」
驚いた私は顔を離そうとしたけど、案の定動かない私の体。今日は足で下半身を捕らえられ、メルクさんの右手が私の頭の後ろにあり、メルクさんの左手が私の頭の下にあった。
逃がさないという強い意志が感じられる寝方だった。
「起きて目の前に美人な顔があると、目が覚めるなぁ。」
そんな事を言いながら、メルクさんの顔を見つめる。
こんな綺麗な人にキスされちゃったんだって思うと、心臓がドキドキする。あぁ、告白もされたんだ。
「どうしよ…私は舞香の事が好きだし…。でも、こんな美人を振るのも勿体無いよね…。」
あー、凄く悩ましい。2人とも付き合いたい!
私には選べないよ…。
「ん~…あまのちゃんおはよ。」
私が悩んでいると、メルクさんが目を覚ました。
「おはようございます。お姉ちゃん、私を解放してください。」
「えー…もうちょっと一緒に寝ようよぉ。」
「浴衣も乱れてて、凄く目に毒ですし。」
「見ても良いんだよ?」
「いいから離してください…。」
寝起きのくせに力強いなぁ!
全然逃がしてくれないじゃん!
「あ、じゃあ温泉入りにいきましょうよ。」
「温泉でギューってさせてくれるの?」
「それはちょっと…。」
美人というか、単純に女性への耐性が足りない。
温泉で抱き付かれるとのぼせてしまうのは、初日に経験済みだし、さすがになぁ。
「えー、じゃあやだ。おやすみなさーい。」
「あ、目閉じないで!分かりました、許可するので温泉行きましょ!」
「あまのちゃんは本当に温泉が好きだねぇ。」
そういいながら、一回思い切り私を抱き締めたあと、メルクさんは解放してくれた。
「せっかく来たんだし、存分に味わっておきたくて。」
「そっかぁ。じゃあ、準備して行こっか。」
洗顔したりしたあと、また露天風呂に2人で入った。私はメルクさんの足の間に座らされて、後ろから抱きつかれている。頑張って、感触の事を考えないようにしてます。
「ねぇあまのちゃん。この3日間楽しかった?」
「はい、凄く楽しかったですよ。」
「それなら良かったよ。私も楽しかったなぁ。」
「まだ今日もあるじゃないですか。」
「それはそうだけどね。でも、こうやってあまのちゃんには触れられないでしょ。」
そう言って、より一層強く抱き締められた。心臓に悪いから抑えてほしい。
「そんなに私の事が好きですか?」
「好きだよ。綺麗だし、大人っぽいなって思ってたけど、意外と可愛いところも沢山あるし。それに、会ったばかりの私とも仲良くしてくれたしね。他にも沢山あるけど、あまのちゃんの全部が好きだよ。」
後ろから、私の耳元で聞こえるメルクさんの声。それだけでも恥ずかしいのに、内容は私にベタ惚れ。嬉しくないわけがない。
冗談っぽく聞いたのに、真剣に返されて凄く恥ずかしくなってきた。
「昨日は旅行に行こうって行ったけど、次は私の家においでよ。」
「家ですか?」
「うん。それならお金もかからないし、こうやってずっとのんびり過ごせるからね。」
「何もしないですか?」
「えっと…多分しないよ。」
「信用できないです。」
「あまのちゃんが魅力的すぎるのが悪いんだよ。」
「責任転嫁しないでください。」
「まあ、またおいでよ。車で迎えに行ってあげるからさ。」
「襲わないなら、行ってみたいです。」
「ふふっ、楽しみにしてるね。」
私たちは、しばらくのんびり過ごした。
温泉から上がって、荷物を片付けたりしていると、朝食の時間になり、その後すぐにチェックアウトした。
「ここからちょっとだけ車で走れば、船の乗り場があるんだって。」
「そうなんですね。楽しみです!」
エスペランサという船で風景を楽しんだあと、真珠の加工場?で買い物したり出来るんだとか。
車で運転すること10分弱。乗り場近くに車を止め、旅館で買ったチケットを提示して船に乗り込んだ。
船の見た目は、昔のヨーロッパの海賊船みたいな感じ。まあ実際に見たことはないんだけどね。
「思ったより大きいですね。」
「そうだね。今日は人も少ないみたいだし、撮影もできそうで良かったよ。」
そんなことを喋っていると、船が動き出した。
「おー、海の香りだ~。」
「結構早いね。風が気持ちいいよ。」
まだ朝だからそこまで暑くないし、こういうの好きだから、ちょっと楽しい。
色々見ながら喋っていると、真珠のモデル工場という所に着いた。
中に入ると、真珠の作り方とかを説明されたあと、真珠を使ったアクセサリーの販売が行われた。
「あまのちゃん、どれか買ってあげようか?」
「いやでも、安いのでも、そこそこに高いですよ?」
「旅の思い出に良いでしょ?」
「あ、じゃあこれをお互いにプレゼントするのはどうですか?」
私が指差したのは、まだ私でも買える額のアクセサリーだった。
「でも、あまのちゃんにお金を使わせるのは…。」
「お互いに同じぐらいの額を使うんですから、自分で買うのと同じですよ。」
「えー…。」
「じゃあ、私が2つとも買いましょうか?」
「私があまのちゃんのを買います。」
「よろしい!」
お互いに同じアクセサリーをプレゼントしあったのだった。
そしてクルーズが終わり、志摩マリンランドに行ったあと、お昼ご飯に伊勢うどんを食べて、新幹線に乗った。
伊勢うどんは、普段食べない味付けだったけど、美味しかった。
お読み頂きありがとうございました!
次回の最初でメルクさんとの旅行を終え、家に帰るというお話にする予定です。
旅行パートが飛ばしぎみですみません。




