メルクさんに聞いてみた!
あまのちゃんのTS要素が、たまにの男口調と、美人耐性がないだけになってることに、最近気づきました。
部屋に戻ってくると、また私は温泉に入りに行った。こっちに来て4回目の温泉で、明日の朝で最後だね。
卓球と、さっきの告白ごっこで変な汗かいちゃったからなぁ。
「メルクさんは来ないのかな~?」
相変わらず貸し切り状態の温泉で一人呟く。
今日は昨日より客がいるらしいけど、タイミングの問題だろうなぁ。もう9時半だし、自分もあがって髪を乾かしたら寝ようかな~。
「温泉に入りまくってるから、ちょっと肌の調子が良いかも。」
美味しい料理に質の良い温泉、好きなことを沢山して過ごして、心身ともにちょー健康だね。
ガラガラガラ
後ろでドアが開けられる音がしたから振り向くと、メルクさんがいた。一応タオルで体を隠してくれてるから、何とか耐えられた。
「あまのちゃんは温泉が好きだね。」
ぽちゃんと音をたてながら私の隣に入ったメルクさんが、そんなことを言った。
「はい、お風呂が好きなんですよね。」
「ふふっ、そっかぁ。」
話が切れて、何となく良い感じの空気が流れている。寝る前に聞こうか悩んだけど、今聞くことにしよう。
「ねぇ、お姉ちゃん。」
「ん、どうかした?」
「お姉ちゃんってスキンシップが多いですけど、誰に対してもそうなんですか?」
「嫌だった?」
「あ、そういうことじゃないです!ただ、ちょっと気になっただけです。」
「ふーん。じゃあ答えてあげる。」
じゃぼっ、って音がしたと思ったら、メルクさんが私に近付いてきて、左手を私の左肩に回し、右手を私の耳元に当てた。こそこそ話をするときのように。
「私はね…。」
メルクさんの声が超至近距離で聞こえる。しかも、いつもより色っぽい声だった。
「私はね、あまのちゃんの事が好きなんだ。」
「え、あ、ありがとうございます…。」
「勘違いしないでね?」
「あ、はい、ライクの意味ですよね!」
「違うよ。ラブの方だから。」
「…え?」
メルクさんの手が耳元から離れたから、驚いた私はメルクさんの方を向いた。
すると目の前には、少し赤いメルクさんの顔があった。
「あまのちゃん、私と付き合わない?」
「…ふぇ?あ、えっと…え?」
「ふふっ、そんなに慌てなくて良いよ。答えはまだ求めてないから。」
「あ、でも…。」
「まだ実際に会って2日だけでしょ?あまのちゃんにはもっと私を好きになってほしいなぁ。」
「それは…今でも十分好きですよ。」
「でも、もっと好きな人がいるでしょ?」
メルクさんは、私の目を見て言った。
「あまのちゃんは舞香ちゃんの事が一番好きなのは、今日までで十分わかったよ。でも、こんなに人を好きになったのは初めてなの。
だから、諦めるつもりはない。」
そのままメルクさんの顔が近付いてきて…。
「あ、ちょ…ん…!」
私の唇が奪われてしまった。
そして…舌が入ってきた。
「はぁ、はぁ…おねえちゃん…。」
「ごめんね。でも、まだこのキスはしたことないって言ってたから。」
そういえば、昨日そんな話をした気がする…。
「でも、こんな事しちゃったら、もう一生私の事を忘れられないでしょ?」
「それは…そうですけど。」
どれほどキスをしてたかも分からない。酸欠なのか、のぼせたのか、一瞬ふらっとした気がする。
でも、あの感触は忘れられそうにない。
「あまのちゃん。」
「は、はい。」
「また、こうやって旅行に行こうね。」
そう言って、メルクさんは出ていった。
「はぁ…やられちゃった。」
舞香の事が好きなのは、私もよく分かってる。でも、メルクさんの事を好きになっちゃってるのも分かってる。だって…嫌じゃなかったから。
「あーあ…メルクさんのばーかっ…。」
私は心を落ち着かせてから、あがったのだった。
部屋に戻ると、メルクさんは既に寝る準備を終わらせているようだった。
「おかえりなさい、あまのちゃん。」
「た、ただいまです。」
私はメルクさんの顔を見れないぐらい恥ずかしいのに、メルクさんは何も無かったかのように落ち着いていた。なんか負けた気分。というか、温泉で落ち着いたはずなのに、メルクさんの顔を見た瞬間にさっきの事を思い出してしまった。
「あまのちゃん、もう寝る?」
「え、あ、どうしようかな~。」
「明日は朝からエスパーニャクルーズっていうのに乗ったあと、志摩マリンランドに行って、そのあとに帰るから、今日はもう寝た方が良いと思うんだよね。」
「あ、じゃあもう寝ますね!」
私は保湿やらの寝る前の準備をして、布団に入った。今までで一番早かった気がする。
「じゃあ電気消すね。」
「は、はい!」
パチッっと音がして、部屋の電気が切れる。
外から入ってくる光のお陰で、真っ暗ではない。
「ふふっ、油断しちゃって。あまのちゃんは甘いよ。」
メルクさんがそういったかと思うと、私の布団に入ってきた。すぐ隣に寝てたから、拒む時間はなかった。
「あ…はぁ、どうしたんですか?」
「いやぁ、隣に大好きな人が寝てると思ったら、我慢できなくて。」
「すぐそういうことを言う…。」
毎回恥ずかしがってるのは私だけみたい。なんか悔しい。
「別に一緒に寝るのは良いですけど、何もしないでくださいね?」
「何もって…何を?」
「え、それは…色々ですよ。」
「お姉ちゃんには分からないなぁ。」
「あ、ちょっと、そういうのがダメって言ってるんですよ!」
気を抜いたら体を触ってくるのをやめてほしい。昨日の夜にも同じことをやったし。
「じゃあ抱きついて寝るね。おやすみなさい。」
「はぁ…おやすみなさい。」
私は多少のセクハラを諦めて、目を閉じた。意外と疲れていたのか、すぐに意識がふわふわとしてきた。
メルクside
「あまのちゃーん?寝たー?」
今日は寝言もなく、寝息が聞こえるだけ。
「あー!好き好き好き!だいっすきだよー!」
私はあまのちゃんを強く抱き締める。
「めっちゃタイプやし、ほんまに好きやわ~!温泉でのキスとか、あれでも我慢したほうやもんなぁ。よーさっきも襲わんかった!」
つい方言が出てしまうほどにテンションが上がってる。でも、大好きな人が隣で寝てるから仕方がないよね。
「あー、このまま襲いたいわぁ。絶対最高やもんなぁ。でも、ここで手を出したら嫌われるかもしれんし、我慢して寝るかぁ。こんなテンションで寝れるか知らんけど。」
私はあまのちゃんに軽く抱きつき、少し深呼吸してから、どうにか寝た。寝るまでに数十分かかった。
ということで、メルクさんは関西出身で、関東に出てきたっていう設定になりました。ただ、テンションが本当に上がって、あまのちゃんとかが聞いてないときしか、方言は出さないかもです。
関西弁は、自分の使ってるものを文字化しました。
お読み頂きありがとうございました!