表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/36

メルクさんに聞いてみた!

あまのちゃんのTS要素が、たまにの男口調と、美人耐性がないだけになってることに、最近気づきました。

部屋に戻ってくると、また私は温泉に入りに行った。こっちに来て4回目の温泉で、明日の朝で最後だね。

卓球と、さっきの告白ごっこで変な汗かいちゃったからなぁ。


「メルクさんは来ないのかな~?」


相変わらず貸し切り状態の温泉で一人呟く。

今日は昨日より客がいるらしいけど、タイミングの問題だろうなぁ。もう9時半だし、自分もあがって髪を乾かしたら寝ようかな~。


「温泉に入りまくってるから、ちょっと肌の調子が良いかも。」


美味しい料理に質の良い温泉、好きなことを沢山して過ごして、心身ともにちょー健康だね。


ガラガラガラ


後ろでドアが開けられる音がしたから振り向くと、メルクさんがいた。一応タオルで体を隠してくれてるから、何とか耐えられた。


「あまのちゃんは温泉が好きだね。」


ぽちゃんと音をたてながら私の隣に入ったメルクさんが、そんなことを言った。


「はい、お風呂が好きなんですよね。」

「ふふっ、そっかぁ。」


話が切れて、何となく良い感じの空気が流れている。寝る前に聞こうか悩んだけど、今聞くことにしよう。


「ねぇ、お姉ちゃん。」

「ん、どうかした?」

「お姉ちゃんってスキンシップが多いですけど、誰に対してもそうなんですか?」

「嫌だった?」

「あ、そういうことじゃないです!ただ、ちょっと気になっただけです。」

「ふーん。じゃあ答えてあげる。」


じゃぼっ、って音がしたと思ったら、メルクさんが私に近付いてきて、左手を私の左肩に回し、右手を私の耳元に当てた。こそこそ話をするときのように。


「私はね…。」


メルクさんの声が超至近距離で聞こえる。しかも、いつもより色っぽい声だった。


「私はね、あまのちゃんの事が好きなんだ。」

「え、あ、ありがとうございます…。」

「勘違いしないでね?」

「あ、はい、ライクの意味ですよね!」

「違うよ。ラブの方だから。」

「…え?」


メルクさんの手が耳元から離れたから、驚いた私はメルクさんの方を向いた。

すると目の前には、少し赤いメルクさんの顔があった。


「あまのちゃん、私と付き合わない?」

「…ふぇ?あ、えっと…え?」

「ふふっ、そんなに慌てなくて良いよ。答えはまだ求めてないから。」

「あ、でも…。」

「まだ実際に会って2日だけでしょ?あまのちゃんにはもっと私を好きになってほしいなぁ。」

「それは…今でも十分好きですよ。」

「でも、もっと好きな人がいるでしょ?」


メルクさんは、私の目を見て言った。


「あまのちゃんは舞香ちゃんの事が一番好きなのは、今日までで十分わかったよ。でも、こんなに人を好きになったのは初めてなの。

だから、諦めるつもりはない。」


そのままメルクさんの顔が近付いてきて…。


「あ、ちょ…ん…!」


私の唇が奪われてしまった。

そして…舌が入ってきた。






「はぁ、はぁ…おねえちゃん…。」

「ごめんね。でも、まだこのキスはしたことないって言ってたから。」


そういえば、昨日そんな話をした気がする…。


「でも、こんな事しちゃったら、もう一生私の事を忘れられないでしょ?」

「それは…そうですけど。」


どれほどキスをしてたかも分からない。酸欠なのか、のぼせたのか、一瞬ふらっとした気がする。

でも、あの感触は忘れられそうにない。


「あまのちゃん。」

「は、はい。」

「また、こうやって旅行に行こうね。」


そう言って、メルクさんは出ていった。


「はぁ…やられちゃった。」


舞香の事が好きなのは、私もよく分かってる。でも、メルクさんの事を好きになっちゃってるのも分かってる。だって…嫌じゃなかったから。


「あーあ…メルクさんのばーかっ…。」


私は心を落ち着かせてから、あがったのだった。








部屋に戻ると、メルクさんは既に寝る準備を終わらせているようだった。


「おかえりなさい、あまのちゃん。」

「た、ただいまです。」


私はメルクさんの顔を見れないぐらい恥ずかしいのに、メルクさんは何も無かったかのように落ち着いていた。なんか負けた気分。というか、温泉で落ち着いたはずなのに、メルクさんの顔を見た瞬間にさっきの事を思い出してしまった。


「あまのちゃん、もう寝る?」

「え、あ、どうしようかな~。」

「明日は朝からエスパーニャクルーズっていうのに乗ったあと、志摩マリンランドに行って、そのあとに帰るから、今日はもう寝た方が良いと思うんだよね。」

「あ、じゃあもう寝ますね!」


私は保湿やらの寝る前の準備をして、布団に入った。今までで一番早かった気がする。


「じゃあ電気消すね。」

「は、はい!」


パチッっと音がして、部屋の電気が切れる。

外から入ってくる光のお陰で、真っ暗ではない。


「ふふっ、油断しちゃって。あまのちゃんは甘いよ。」


メルクさんがそういったかと思うと、私の布団に入ってきた。すぐ隣に寝てたから、拒む時間はなかった。


「あ…はぁ、どうしたんですか?」

「いやぁ、隣に大好きな人が寝てると思ったら、我慢できなくて。」

「すぐそういうことを言う…。」


毎回恥ずかしがってるのは私だけみたい。なんか悔しい。


「別に一緒に寝るのは良いですけど、何もしないでくださいね?」

「何もって…何を?」

「え、それは…色々ですよ。」

「お姉ちゃんには分からないなぁ。」

「あ、ちょっと、そういうのがダメって言ってるんですよ!」


気を抜いたら体を触ってくるのをやめてほしい。昨日の夜にも同じことをやったし。


「じゃあ抱きついて寝るね。おやすみなさい。」

「はぁ…おやすみなさい。」


私は多少のセクハラを諦めて、目を閉じた。意外と疲れていたのか、すぐに意識がふわふわとしてきた。











メルクside




「あまのちゃーん?寝たー?」


今日は寝言もなく、寝息が聞こえるだけ。


「あー!好き好き好き!だいっすきだよー!」


私はあまのちゃんを強く抱き締める。


「めっちゃタイプやし、ほんまに好きやわ~!温泉でのキスとか、あれでも我慢したほうやもんなぁ。よーさっきも襲わんかった!」


つい方言が出てしまうほどにテンションが上がってる。でも、大好きな人が隣で寝てるから仕方がないよね。


「あー、このまま襲いたいわぁ。絶対最高やもんなぁ。でも、ここで手を出したら嫌われるかもしれんし、我慢して寝るかぁ。こんなテンションで寝れるか知らんけど。」


私はあまのちゃんに軽く抱きつき、少し深呼吸してから、どうにか寝た。寝るまでに数十分かかった。

ということで、メルクさんは関西出身で、関東に出てきたっていう設定になりました。ただ、テンションが本当に上がって、あまのちゃんとかが聞いてないときしか、方言は出さないかもです。


関西弁は、自分の使ってるものを文字化しました。


お読み頂きありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ