卓球勝負を配信してみた!
すみません、旅行パートを多めにカットさせていただきます。何故か旅館パートが長くなってしまって、話が進まないのです。すみません。
そして今回もほぼ旅館パートです…。
温泉でくつろいだ後、部屋に戻って荷物整理とかをしていると、朝食の時間になった。
「おぉ、朝からこんなに食べるのは久しぶりだなぁ。」
メルクさんがそんなことを言った。
テーブルには、焼き鮭や、多分鯛と思われるあらの味噌汁、納豆や海苔、野菜の和え物など、和食って感じの料理が並んでいた。
女性には少し多い気がするけど、朝食は普通の量だった。よかった。
「いつもは何を食べてるんですか?」
「パンとヨーグルトと牛乳。」
「一人暮らしって感じですね~。冷めちゃう前に食べましょう。」
「そうだね。朝食は撮影だけしておくけど、気にせず食べてね。」
「はーい。いただきます。」
私は昨晩あんなに食べたのに、朝食からまたお腹一杯まで食べた。太ったらどうしよ…。
「はい、今日は志摩スペイン村に来てます!」
「平日だけど、そこそこに人がいるみたいだね。」
「色々アトラクションとかもあるみたいですからね~。じゃあ、早速入ってみましょう!」
とりあえず広場みたいなところまで歩いてきた。
「おぉ、凄いですね。雰囲気が日本じゃないです。」
「海外って感じだよね。」
「あ、今日は早めに戻るんですよね?」
「そうだよ。どうせだから、30分ぐらいだけでも海に遊びに行きたいでしょ?」
「はい!足ぐらいは入れたいです!」
「だから、15時ぐらいに出て、海に行ってちょっとだけ遊んで、旅館に戻ろう。」
「はい!」
「あー、今日も疲れたー!」
「長時間日を浴びると、どうしても疲れるよね。」
「はい。お風呂がちょっと怖いです。」
「まずシャワーで肌を冷やした方が良いかもしれないね。」
17時過ぎにまた旅館に戻ってきた。
志摩スペイン村は、雰囲気が全然違う感じを楽しめては凄いよかったなぁ。昼御飯も食べたことのない料理だったけど、すごく美味しかったしね。
海も綺麗だったなぁ。たまたま人がいなかったから、好きに遊べたしね。海水はやっぱりしょっぱかった。
「はーいこんばんは。今から卓球勝負の配信をしていきまーす。」
「負けた方は罰ゲームとして、カメラに向かって、告白しまーす!」
「皆もあまのちゃんの告白を見たいよね?ということで、私を応援してくださいね~。」
「いや、皆はメルクさんのを見たいですよね?頑張って勝っちゃいますね~!」
チャット
:メルクさん頑張れー!
:あまのちゃんファイト!
:2人とも負けろ~!
:お互いに告白しろー!
「ということで、早速始めたいと思います。あまのちゃん、告白をする準備は良い?」
「メルクさんに勝つ準備はできてます。」
「ふふっ、じゃああまのちゃんサーブから始めてね。」
ふぅ…私の方が運動してるし、若いし、普通にやれば勝てるでしょ。遊び程度でしかやったことないけど、大丈夫!
「じゃあいきますね~!」
私は自信満々に、サーブをしたのだった。
「嘘だ…1点も取れないなんて…。」
「3試合もしたのに、一回も点数が入らなかったね?」
試合が終わった頃には、私は地面に崩れ落ちていた。
「なんでそんなに上手なんですか…!」
「中学の頃に卓球部だったんだよね~。意外と、10年以上経ってても出来るみたいだね。」
「経験者だったなんて聞いてない…。」
チャット
:見ててあまのちゃんが可哀想になったw
:経験者は草
:2試合目終わりのあまのちゃんの絶望した顔よかった
:メルクさん最高
「嫌だ…こんなの認められない…。」
「さっきもそう言ったから、3試合目もしたんでしょ?」
元々2試合先取だったけど、あまりにも勝てなかったから、1点でも取れたら3試合目は私の勝ちというルールだったのに…。
「うぅ…泣きそう…。」
「ほーら、負けた人はカメラに向かって告白してきてね。」
「告白って、隠してたことを言う方の…?」
「恋愛的なやつです。」
「嫌だぁ…誰にもしたこと無いのに…。」
チャット
:ザワザワッ
:これは…!
:俺たちが初めての告白相手ってことか
:男は対象外だろ
:それな 女性の視聴者対象だろ
:なぜ俺は男なんだ…
「ほら、早く早く!」
「経験者って隠してたくせに…。」
「後で何でも1つだけ言うこと聞いてあげるから。」
「なんですと…!よし、それじゃあ告白しまーす!」
「切り替え早いなぁ。じゃあ、お題を言うね。」
「え、お題があるとか聞いてないです!」
「言うことを聞いてあげる代わりに、条件が追加されるのです。」
「そんなぁ…。」
チャット
:メルクさんが何でも言うことを聞いてくれるだと…!
:うらやま
:これは仕方ないな
:お題はなに?
「お題は…『ツンデレな女の子が、自分のプライドと戦いながら好きな相手に告白するけど、振られそうになるから、プライドを曲げてデレながら告白する』です。」
「何それ、めっちゃ恥ずかしいし、すごく難しいんですけど。」
チャット
:ありがとうございます!
:メルクさんの趣味では?
:自分がやらないからって、高難易度すぎるwww
「うぅ…わかりました!やりますよ!」
「おー、さすがあまのちゃんだね!じゃあカメラの前に立ってね。」
くそぅ…メルクさんに何でもお願いできるという権利に釣られた結果がこれだよ…。
よし、やるなら本気でやってやろう。18年間も演技しながら生きてるんだから、これぐらいはやってやる!
そして、後でメルクさんにお願いを聞いてもらうんだ!
「準備は良い?」
「ちょっと待ってくださいね。」
カメラの前に立ち、後ろを向いて目をつぶる。
うん…このイメージでいこう。
「じゃあ私はカメラの後ろに立ってるから、私に向かって言ってね。」
余計に恥ずかしいけど…誰もいないところに向かって言うよりはマシか!
「ふぅ…じゃあやります!」
「おっけ。それではあまのちゃんの、ツンデレ告白まで…3、2、1、どうぞ!」
私は前を向き、表情を作った。多分少し顔が赤くなってるはず。息を止めて頑張った。
「ふぅ…あ、えっと…わ、私があんたと付き合ってあげる!感謝しなさい!
…え、他に好きな人がいる?ほ、他の人より私を選びなさい!あんたなんかが私みたいな美人と付き合えるなんて、人生で最初で最後なんだからね!分かってんの!?
そんな…なんでよ、なんで私を選ばないのよ!え、お前がなんで付き合いたいか分からないって?そ、それは…わ、私があんたのことが大好きだからに決まってるでしょ!なんでそんなことも分かんないの!
え、それでも断るって…?うぅ…ぐすっ…あんたなんか死んじゃえ!この…バカッ!もう、絶対に一生喋ってあげないんだからね…!」
私は涙を流しながら、カメラの写らない場所に歩いていった。
「ふぅ…メルクさん、どうでしたか?」
私は涙を拭いながらメルクさんの方を向いた。
すると、なんか辛そうな顔をしていた。
「あまのちゃん、私と代わりに付き合おう。」
「いや、さっきのは演技ですからね!?」
「うぅ…こんなにも心臓が締め付けられるような辛さは始めてだよ。あまのちゃん演技力高すぎない?」
チャット
:辛い…
:正直泣いてる
:最後の後ろ姿が悲しすぎる
:なんで動作全てまで細かく演技できるんだ…?
:代わりに付き合って慰めてあげたい…
「うっわぁ、チャットまで…。そんなに上手でしたか?」
「うん。すごく辛い…。」
なんか真剣にやったら、メルクさんとか視聴者を苦しめてしまったようだ。
もしかして、私は卓球じゃなくて、演技力で勝負するべきだったのか…?18年間も演技していた効果だろうなぁ。
「あー…これは断った相手は一生忘れられない瞬間だわ。振った相手に後味が悪い感じが凄い上手だよね。俳優でも目指す?」
「あはは…俳優はなぁ、お仕事がきたらやりますね。」
私はそんな冗談を言ってみる。
「ということらしいので、皆さん拡散お願いします。」
チャット
:任せろ
:切り抜き作っとく
:コネを使えば良いんですよね?分かりました。
「あ、冗談ですよ?私なんかにお仕事がくるわけ無いじゃないですか。あ、あはは、皆さんノリがいいですね~。」
「私もTwitterで切り抜きをリツイートするから、作ったら教えてね。」
「あの、メルクさんまでやめてくださいよ…。」
「いやぁ、これは忘れられないね。視聴者も私も、皆凄い苦しみを味わった同士になっちゃったし。」
チャット
:今でも辛い
:泣いてる
:初めてされた告白がこんなのだなんて辛すぎる…
:俺たちは同じ苦しみを味わった同士だ
「あー、えーっと…今日はここまでで配信を終わります!皆さんご視聴ありがとうございました!」
私は無理矢理終わらせて、配信を終了した。
「メルクさん、部屋に戻りますよ!」
「はーい…。」
機材を片付けて、撤収した。
あはは、まさか本当にお仕事とかこないよね?
さすがにまだ、そこまで人気じゃないもんね?
翌日には、メルクさんとのコラボで伸び続けていたチャンネル登録者が1万人を超えて、1万5000人になってた。怖い、本当に仕事がきそうな勢いで怖い。
お読み頂きありがとうございました!
あまのちゃんの告白は、学校の校舎裏、いつもツンツンしてる美少女からの告白で、声はご自身の好きな声優で、皆さんの豊かな想像力を働かせてお読みください。
次回で旅行の2日目の晩を終わらせます。
あまのチャンネルは、開始から4ヶ月ぐらい経っているという設定なので、徐々に勢いに乗ってきたと思っていただけると幸いです。