表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/36

寝顔写真を撮ってみた!

『あまのちゃーん。』


…ん?だれかのこえがする…。


『起きないのー?』


このこえは…おねえちゃんだぁ…。


『もう30分ぐらい寝てるよ~。』


ふぇ?おきてるよー?


『うわぁ、寝言で返事した。』


ちゃんとおきてるもん…。


『卓球しないのー?』


むぅ…あとちょっとだけ…。


『じゃあ今日は無しってツイートしとくね。』


むずかしいことわかんない…。


『難しいこと言ってないけどね?』


もうねる…おやすみ…。


『おやすみ、あまのちゃん。』


おでこになにかあたったきがする…。









ん?あれ、私いつの間に寝たっけ?

確か…あ!


「卓球するの忘れてた!」


忘れていたことを思い出し、大きな声を出しながら起きた。体も起こす勢いだったけど、何かに止められた。


「うぐっ…体が…あ、メルクさんがくっついてる。」


体を起こせないからおかしいと思ったら、メルクさんが私に抱き付いて眠っていた。腕で胴体を抱き締め、足で下半身を押さえられていた。

まるで抱き枕だね。


「というか、部屋が暗い…うっわ、4時じゃん。」


首を動かし、薄暗い部屋の壁にある時計を見ると、針が4時を指していた。発光してたから読めたけど、普通じゃ見えないぐらいには暗い。


「あー、あー、寝落ちしちゃった。ご飯食べ終わった後に一瞬で寝ちゃったなぁ。」


やってしまった。皆怒ってないだろうか…。

スマホを確認したいけど、捕まってるから動けない。


「どうにか抜け出すか…。」


こういう拘束から逃げるのは、舞香でなれてるからね。

起こさないように、ゆっくりと、メルクさんの腕を少しずつ解いていく。


「あともうちょい…よし、取れた。」


解いた腕は、メルクさんの体に乗せた。


「あとは足だけ…。あ、これは抜け出せるのでは?」


このまま手を使って、足から抜け出せそう。

上半身を起こし、腕で少しずつ後ろに下がっては、足をゆっくりとメルクさんの足から抜いていく。


「お、あとちょ「むぅ…まだ暗いじゃん…もうちょっと寝ないとダメだよ。」っと…あ…。」


もうちょっとで脱出できそうだったのに、一瞬起きたメルクさんが、また私を捕まえた。

今回は、足に抱き付いてる…というか、私の足の上で寝ている。足を動かすと、メルクさんの顔を膝で蹴ることになる。


「あー…詰んだ。はぁ…このままでいるかぁ。」


どうしようもなくなり、私はメルクさんの頭を撫でながら過ごすことにした。






どれほど時間が経ったのだろうか。

外が少しずつ明るくなってきて、部屋の中を見渡せるようになってきた。


「あ、こんな近くにスマホあったんだ。」


すぐ後ろに、私のスマホが落ちていた。


「スマホなぁ…あ、そうだ。」


私はカメラを起動し、メルクさんに向けた。

その時、ちょうど日の出が起きた。


「おぉ、綺麗…!」


メルクさんの顔に光が当たり、なんか神々しい感じになっていた。


「よし、良い感じ。」


カシャッ!


私は写真を撮り、それをTwitterにあげた。

朝の5時過ぎに起きてる人は…あ、意外といるみたい。もう数十いいねがきている。


「昨日は寝ちゃいました。ごめんなさいっと。」


一応謝罪ツイートをしておく。

あ、メルクさんも晩のうちにツイートしてる。


『あまのちゃんが寝ちゃったので卓球は中止です。ごめんね。』


という文と共に、私の寝顔写真があった。あー、やっぱり撮ってるよねぇ。

でも、寝てたのは仕方ないしなぁ。これは諦めよう。


「んっ…まぶしっ…あ、おはようあまのちゃん。」

「おはようございます、お姉ちゃん。」


太陽の光が眩しかったようで、メルクさんが起きた。


「あ、ごめんね、枕にしちゃってて。」

「別に良いですけど、2度寝しようとしないでください。」

「ふふっ、バレちゃった。うーん…寝不足だけど起きるかぁ。」

「昨日は寝るの遅かったんですか?」

「そうじゃなくて、いつもは9時間は寝てるから、ちょっと起きるのが早いだけだよ。」

「そうなんですね。あ、私今から歯磨きして、そのあと朝風呂に行こうと思ってるんですけど、どうですか?」

「おー、良いね。昨日とは違う方の温泉なんでしょ?」

「みたいですね。じゃあ歯磨きしてくるので、準備しておいてくださいね。」


私はやっと解放された足で立ち、歯磨きをしに行った。昨日はしないで寝ちゃったから、口の中が気持ち悪かったんだよね。


ここの旅館は毎日男女の温泉が入れ替わる。露天風呂の景色と、水質が違うらしいから、入りたかったんだよね。





「あー、気持ちいい~。」


やっぱり朝の温泉も貸しきりで、2人で色々入った。まあ、途中でメルクさんは上がっちゃったから、今は一人なんだけどね。


「相変わらずスキンシップが多いなぁ。今晩に聞いてみるかぁ。」


今日は志摩スペイン村に行った後、またここに戻ってきて配信をする予定だから、昨日出来なかった卓球配信の後の寝る前の時間に聞いてみよう。


「とりあえず、昨日みたいにのぼせる心配もないし、ゆっくりしていこーっと。」


私は朝日を見ながら、のんびりと温泉を楽しんだ。

お読み頂きありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ