メルクさんと温泉に入ってみた!
伊勢志摩に2年前に行った時の記憶で書いています。現在と違ったり、あり得ないことが起きても、フィクションだと思ってスルーお願いします。
「いやー、長時間電車に乗るのは疲れるねー。」
「体を動かしたら、凄くポキポキ音がなりますね。」
「ふふっ、そうだね。じゃあ、今から私がカメラを持って撮るから、あまのちゃんはちゃんとカメラ目線で話してね。」
「分かりました。途中で交代してくださいね。」
新幹線から電車に乗り換え、電車から降りて、レンタカーを取りに行き、最初の目的地についた私たちは、動画撮影を始めた。
ちなみに車の運転はメルクさんがしてくれたけど、次の運転は私がすることになっている。
あ、車内でもカメラを設置して撮影してたよ。
「はい、到着しました~!」
「あまのちゃんお疲れさま。まず、どこに来たのか説明をお願いします~。」
「はい。えーと、私たちは伊勢神宮に来ましたー!今日はおかげ横丁で散策をした後に、伊勢神宮にお詣りに行って、そのあと旅館に行きたいと思います。」
「良いですね~。それじゃあ行きましょー。」
「平日だけど人が多いですね~。海外の方も結構いますし。あ、この列は…赤福餅ですね。美味しいって有名なので、お土産として買って帰りたいと思います。」
隣でカメラを向けているメルクさんの方をたまに向きながら、進んでいく。
「凄く色々な店がありますね。あのコロッケも美味しそうだし、きゅうりの1本漬けも美味しそうだし…あ、あの伊勢牛の串焼きも美味しそう!」
「今日は私が買ってあげるから、何でも食べていいからね。」
「え、いいんですか?じゃああれ買ってください!」
「お任せくださいませ~。」
「あー、色々食べてお腹いっぱいです。どれも美味しかったです!」
「それは良かったよ。そろそろお詣りに行って、旅館に移動しよっか。」
「そうですね。6時までにチェックインですし。」
「こっちも人が多いなぁ。」
「ですね。でも、なんか神聖な感じがします。」
「昔は遠いところから歩いてでも来る人が多かったみたいだね。」
「あ、手水舎でお清めしていかないといけませんね。」
「あまのちゃんが先にしておいで。」
「ありがとうございます。終わったらカメラ代わりますね。」
「あ、ここからは撮影禁止だって。」
「みたいですね。えっと、それじゃあ今から参拝してきます。また終わった後に撮影しますね。」
「おぉ、なんというか…凄いですね。」
「あまのちゃんは来るの初めて?」
「はい。1度来てみたかったんです。」
「来てみてどう思った?」
「えっと…広いとか、大きいとかも思いましたけど、昔の人が時間をかけてでも行きたいと思った気持ちが分かったような気がします。」
「ふふっ、そっか。いい経験だね。」
「はい!メル…じゃなくて、お姉ちゃん、誘ってくれてありがとうございました。」
「どういたしまして。お礼に、敬語もやめてほしいなぁ。」
「んー…努力しますね。」
「ありがと。じゃあ、車に戻ろっか。」
「はい!」
「あまのちゃんは運転上手だね。」
「そうですか?ありがとうございます。」
「私も安心して乗れるしね。これで数ヵ月前に免許を取ったって言うから驚きだよ。まるで何年も車を運転してたみたいに落ち着いて運転してるしね。」
「あはは、毎週のように運転してるお陰ですよ~。」
伊勢神宮から出発して、旅館に向かっている。今は私が運転しながら、撮影をしている。
「私が運転するって言ったのに、あまのちゃんが嫌って断ったんだよ。すっごく頑固だよね。」
「そ、そんなことないです!お姉ちゃんが疲れてるかなって思っただけです!」
「そういう所も可愛いけどね。あ、次の交差点は右に曲がってね。」
「はーい。」
旅館に着き、チェックインを済ませて部屋に行った。
「お、画像で見たより綺麗な部屋だね。」
「そうですね。値段のわりには、かなり高級感がありますし。」
私たちの部屋は和室で、お風呂やトイレ、冷蔵庫に電子レンジと、この部屋だけで生活できるぐらいに快適な部屋だった。
「あ、ベランダからは海が見えますね!」
「この部屋から朝日が見れるんだよ。」
「おぉ、楽しみです!今日は早く寝ないと!」
「そうだね。あ、先にお風呂に入ろっか。」
「夕飯が19時からで、今が17時半だから…1時間ちょっともお風呂に入れますね!」
「あまのちゃんはお風呂好きなの?」
「はい!部屋にもお風呂があるけど、温泉の大浴場もあるみたいですし、露天風呂もあるんですよね!これも凄く楽しみでした!」
「じゃあ要るものを持って、温泉に行こ。ここの浴衣はお洒落だから、これを着て配信もしたいんだよね。」
「良いですね!あ、だからさっき許可を取ってたんですね!」
「うん。事前に連絡してたけど、一応確認しとこうと思ってね。」
「準備とか色々ありがとうございます。私は何もしてないのに。」
「私が誘ったんだから、このぐらい当たり前だよ。」
「そうですか…?じゃあ、甘えさせてもらいますね。」
「お姉ちゃんに任せて。これからも楽しめるように準備してるから。」
「ありがとうございます!」
「おぉ、こんなに広いのに貸し切りですね!」
更衣室の窓から、広い浴場がよく見えた。
「今日は客が少ないって言ってたよ。だから施設内ならどこでもカメラを回していいって言われたしね。」
「じゃあ、ご飯の後に卓球しましょう!」
「いいね!負けたら罰ゲームもしよっか。」
「えー…まあ良いですよ。負けませんし。」
「言ったね?まあ、とりあえず入ろっか。」
「はい!」
今、私は危機に陥っている。
よく考えたら、一緒に入るってことは、メルクさんの裸を目にするということ。
同級生ならともかく、あんな大人のボディを生で見てしまっても大丈夫だろうか…。
シュルッ シュルッ
後ろから、布の擦れる音が聞こえる。
つまり、メルクさんが脱いでいるということ。
やばい、ドキドキしてきた!
あと、身長のわりにはぺったんこな体を見られるのがちょっと恥ずかしい!
「あまのちゃん…脱がないの?」
「ひぃっ!」
耳元でメルクさんの囁き声が…!
「もしかして…私に脱がせてほしいの?」
「大丈夫です!先に入っててください!」
「そう?じゃあ先に体を洗ってるね。」
メルクさんが離れていく音が聞こえた。
「ふぅ…よし、覚悟を決めるか!」
私は服を脱ぎ、正々堂々と大浴場に入っていった。
「うぅ…暑い…。」
私は見事にのぼせてしまった。
ずっと耐えてたのに、後ろからメルクさんが抱き付いてきたのが決定打となってしまった。
今は椅子に座り、ドライヤーで髪を乾かし、冷風で頭を冷やしていた。鏡越しにメルクさんの姿を見ないように目を閉じながら。
「あまのちゃん、こっち向いて。」
後ろからメルクさんに声をかけられた。
「はい?何ですか?」
私は後ろを向き、目を開いた。
「ちょ、お姉ちゃん!なんでそんな格好してるんですか!?」
目を開くと、バスタオルを体に巻いたメルクさんが、スマホをこちらに向けていた。
「いやー、ちょっとのぼせちゃって。いつもはこんなに長風呂しないからさ。」
「あと、何撮ってるんですか!」
「あまのちゃんの髪を下ろしてる姿が珍しくって。後でTwitterに上げようと思って。」
「いや、私は良いですけど、鏡でメルクさんの姿も入ってますからね?」
「大丈夫、あまのちゃんで体は隠れてるから。というか、顔赤いけど大丈夫?色っぽいけど。」
「私もちょっとのぼせちゃったんです。誰かさんのせいで。」
「そっかぁ。それは大変でしたね。」
「他人事みたいに言ってますけど、メルクさんが抱き付いてきたせいですからね!?」
「ふふっ、そうだっけ?あ、動画はここまででーす。」
メルクさんはそう言って、録画を終えたようだった。
「あまのちゃん、写真撮ろうよ。」
「あ、無視するんですね…。いいですよ。」
「じゃあ撮りまーす。」
メルクさんはそう言って、後ろから私に抱き付いてきた。
うっわ、背中にめっちゃ柔らかい感触が!というか、これ下着着けてなくない!?あ、バスタオルだった!
「鏡越しに撮るから、前を向いてね。」
鏡を見ると、メルクさんは器用に、私で体を隠していた。
「はいチーズ。よし、いい写真が撮れた!…あまのちゃん、顔真っ赤だよ?」
「お姉ちゃんのせいだよ!早く離れて!」
「もっと抱き締めてって言ってもいいのに。」
そう言いながら離れるメルクさん。
なんかどんどんスキンシップが増えてる気がする。
私が女性のことを好きって分かった上でやってるなら、どういうつもりなのか…。
「じゃあ着替えてくるね。」
「そうしてください!」
私はちょっとモヤモヤした気持ちが心に生まれた。
お読み頂きありがとうございました!