新幹線に乗ってみた!
本日2話目です。
2つ併せて、1.5話分ぐらいの分量になったはずです…?
なんやかんや、人混みに巻き込まれながらも歩き続け、無事に2人で新幹線に乗れた。
夏休みだから家族連れもいるけど、基本はサラリーマンばっかだなぁ。
「ふぅ…暑かったぁ。」
メルクさんが汗を拭きながらそんなことを言った。ちらっと横を見てみると、髪の毛が肌にくっつくぐらい汗が出ていた。ちょっとエr…じゃなくて、私のためにずっと手を引っ張って道を作ってくれてたからなぁ。
「ありがとうございました。」
「どういたしまして。あまのちゃんとはぐれなくて良かったよ。あ、お茶飲む?」
メルクさんの鞄からペットボトルのお茶が出てきた。その手提げ鞄にビデオカメラも入ってたし、重いのでは…?
「あ、そういえば準備しようと思ってたのに忘れちゃった。えっと…ありがとうございます。」
「車内販売もすぐには来ないだろうし、駅は人が多すぎて買えなかったもんね。」
「ごくっ、ごくっ…そうですね。ありがとうございます。」
「あ、蓋は閉めなくていいよ。私も飲むから。」
そういってメルクさんは私からペットボトルと蓋を受け取り、そのままお茶を飲んでしまった。あ、間接キスだ…。待って、そういえば元々ちょっと少なかった気がする。ということは…。
「あー、ちょっと温くなっちゃってる。ごめんね。」
「いえいえ!飲めるだけで満足です!」
「そう?あ、間接キスしちゃったね?」
「気付いてたけど言わなかったのに…!わざわざ言わなくて良いじゃないですか!」
「あまのちゃん声押さえて。ごめんね、私とするのは嫌だよね。」
「あ、そういう訳じゃなくて!美人なお姉さんとしたと思うと、恥ずかしいじゃないですか…。」
「ふふっ、あまのちゃん可愛い。あ、実際に会ったのは今日が初めてだから自己紹介するね。メルク改め、新島咲です。」
「可愛いとかあんまり言われないので恥ずかしいですね…。えっと、あまの改め、野々上彩未です。よろしくお願いします。」
ビデオ通話とかは何回もしたことあるけど、実際に会ったのは初めてだもんね。
それにしても…
「メルクって名前はどうやって決めたんですか?本名からって訳でもないみたいですし。」
「思い付きだよ。名前を決めるときに何となく思い付いたの。あまのちゃんは本名から取ったんだね?」
「はい、私と妹と名字の頭文字です。」
「じゃあミカノちゃんの名前は…まいかちゃんでしょ?」
「え、すごい!正解です!」
「やったね。じゃあご褒美に…一緒に写真を撮ろうよ。」
「良いですよー。」
メルクさんが腕を伸ばして撮ろうとしたから、私はメルクさんに顔を寄せた。
「じゃあ撮るよ。3、2、1…。」
チュッ、という音と共に、頬に何かが押し付けられた感覚があった。
「お、綺麗に撮れたね。さっきの写真と一緒にあげよーっと。」
私がぽけっ~としてるうちに、メルクさんがスマホを操作していた。
ポケットにいれているスマホがブルブルと震えたので見てみると、メルクさんからLINEが届いていた。
開いてみると、2枚の写真が送られていた。
1枚目はさっきの動画を撮ってくれたサチさんとの写真。そして2枚目は私の頬にメルクさんがキスしていて、私はビックリした顔をしている写真だった。
そしてまた通知があったから開いてみると、Twitterに2枚の写真をメルクさんが上げていた。1枚目は加工済みのサチさんとの写真。2枚目は私にキスをしている写真だった。
写真と一緒に、『1枚目は私の1番のファンとの記念写真で、2枚目はあまのちゃんと。今日から旅行行ってくるね~!夜には配信するよ!』というコメントが書かれていた。
横を見てみると、凄くニコニコしているメルクさんがいた。
「メルクさん…やりましたね!?」
「あまのちゃんへのご褒美ですよ~。」
「あの流れだとメルクさんへのご褒美でしたよね!?」
「じゃああまのちゃんがキスして?写真撮るからさ。」
「そんなこと出来ませんよ!?恥ずかしいじゃないですか!」
「ほーら、あまのちゃん落ち着いて。」
メルクさんはそう言って、私の頭を撫でてきた。
うぅぅぅ…みんなに見られるのは恥ずかしいんだよなぁ…。そりゃ嬉しかったけどさ…。
私は抗議の気持ちを込めて、メルクさんを睨んだ。
「あまのちゃんこわーい。あ、私をずっとメルクさんって言うのも良くないから、お姉様って言ってほしいな。」
「お姉様なんて言えませんよ!お姉さんで良いですか?」
「なんか他人行儀っぽいからダメ。」
「えー…じゃあお姉ちゃんで。」
「うん、それで!」
メルクさん改め、お姉ちゃんはニコッと笑った。くそぅ、綺麗な顔しやがって…!笑顔が魅力的じゃねぇか…!
というかもしかして、元々お姉ちゃんって呼ばせる気だった…?
ドア・イン・ザ・フェイスとかいうやつでは…!?
「もしかしてメルクさん、始めからお姉ちゃんって呼ばせるつもりでした?」
「お姉ちゃんって呼んでよ。」
「メルクさん。」
「お姉ちゃん。」
「…お姉さん。」
「お姉ちゃん。」
「くっ…お姉ちゃん、始めからそういうつもりだったね?」
「おー、さすがあまのちゃんだね。よくわかったねー、偉い偉い。」
また頭を撫でられる。めっちゃ子供扱いされてない?
「一応18歳なんですけど…。」
「ごめんね、あまのちゃんが可愛くって。あと、会えたのが嬉しくてテンション上がってるの。」
「それは…私もです。この3日間が凄く楽しみです。」
「良かったぁ。あまのちゃんが楽しめるように頑張るね。」
「はい…ありがとうございます!」
お読み頂きありがとうございました!
ブックマーク件数が700を超えました!
感謝です!
PVもあと1000で10万に達します!感謝です!
この様子だと思ったより話が進まないため、もうちょっと話数が増えそうです。