表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/36

舞香の気持ち

すみません、今回は凄く短いです。


また、まるごと舞香視点です。

舞香side



私は見ていた。お姉ちゃんが恵ちゃんをお姫様抱っこしたところを。


「「おぉー!」」


見学席にいた保護者や先生たちは、それを見て感心していた。


お姉ちゃんが無理をしていることは、私にしか分からないだろうな。

抱き上げたタイミングは前を向いていたから、一瞬だけ顔が見えた。抱き上げる勢いで体を反転させて、奥に走っていったその時の顔は、私が初めて見るような、凄く真剣な顔だった。


あぁ、お姉ちゃんは私が見たことのないような顔を、恵ちゃんのためにするんだね。中学の部活の時の顔よりも、普段勉強している時の顔よりも、もっともっと真剣な顔だった。



なんだか、凄くモヤモヤした気持ちになった。

周りの人がお姉ちゃんを凄いって誉めてたけど、私はそう思えなかった。

なんであんな無理をしてまで恵ちゃんをお姫様抱っこしたの?体を痛めたりするかもしれないのに。なんで?どうして?







「お姉ちゃん!」

「え?あ、舞香!どうしたの?」


お姉ちゃんは退場した後、そのまま恵ちゃんをお姫様抱っこして保健室に運んでいった。

ずっと無理してたくせに、恵ちゃんには笑顔で大丈夫って言ってた。


「お姉ちゃん、大丈夫?」

「え?あ、恵のこと?なんか一応病院に行くらしいよ。」

「そうじゃなくて!お姉ちゃんは大丈夫なの?」

「私?別に怪我とかしてないよ?」

「だから、ちがう!ずっと無理してたのに大丈夫かって言ってるの!」

「そんな大きな声出さなくても…。確かに無理はしてたけど大丈夫だよ。明日筋肉痛になればいいだけだしね。」

「お姉ちゃんが無理をしてたの分かってたんだからね?隠そうと思って誤魔化してたつもりかもしれないけど、全然隠せてないし。」

「あ…やっぱり分かっちゃう?誰にもバレてないつもりだったんだけど。」


お姉ちゃんはそういって、えへへって笑った。


「ずっと一緒にいるんだから、分かるに決まってるじゃん。ねぇ、どうしてあんな無理したの?腰を痛めたりしたら、大変なんだよ?」

「確かに腰はヤバイよね。んー…だって恵を運動場に一人置いていけないじゃん。」

「肩を貸すとかでもいいじゃん!私はお姉ちゃんに何かある方が嫌なの!これからはあんな無理しないでね!」

「うん。ごめんね舞香。心配してくれてありがと。」


お姉ちゃんは私に近づいてきて、ぎゅっと抱き締めてくれた。


「バカ…お姉ちゃんは優しすぎるんだよ…。」

「そんなことないよ。舞香の方が優しいしね。」

「ねぇ、お姉ちゃん。」

「ん?どうしたの?」

「今日は配信するんでしょ?私も一緒にやる。」

「え!?一緒にやるって、出るってこと?」

「うん。良いでしょ?」

「えー、でもなぁ…。」

「私もお姉ちゃんみたいに眼鏡して、ツインテールにして、マスクもするよ。これなら良いでしょ?」

「うーん…わかった。じゃあ今日は一緒にしよう!」

「お姉ちゃんありがと!じゃあ、今からの競技も頑張ってね!」

「ありがとね。頑張ってくるよ。」



お姉ちゃんはそう言って、着替えに行った。


お姉ちゃんは、最近ずっとダンスの練習をしてたから、忙しそうだった。

もしかしたら、私は寂しかったのかも。


…今日と明日はずっと一緒にいようかな。

ずっと、私と一緒にいてほしいな。

次は2人でライブ配信をすると思います。


もちろん、暗い話にはなりませんよ。

舞香は、最近ずっと恵といたお姉ちゃんが恋しくなったのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ