それでもまだ評価が低い気がするボクシング世界チャンピオン井上尚弥選手
ラジオはよく聞くので、それもamラジオをよく聞くので、最近は野球の話をよく聞くことになる。
しかも大阪在住なので、地元の放送局は、すべてと言っていい位阪神ファンの方へ向けての放送を行っている。
阪神がダメだとか巨人が好きだとかを言っているのではないが、なぜ、野球というのが最大の娯楽のような放送の仕方をするのかが、わからない。
まぁ、いいんだけど。
需要と供給と言う話でもあるんだろうから。
ただ、ボクシングでね、昨日井上尚弥選手が2ラウンド早々のKO劇を演じた翌日の今日、それよりも三連敗の阪神の扱いが大きいと言うのはどうなんだろう、とは思う。
需要と供給、とは言え、だ。
井上尚弥選手の凄さって、もうそれは、嘘みたいな凄さでしょ?
昨日も戦った一年かけて行われているトーナメントの意味は、世界で一番強いバンタム級のチャンピオンを選ぼうというトーナメントなんだ。
ほら、有名な話だけどボクシングの世界って、世界中にボクシング団体が何団体もあって、それぞれの団体に『世界チャンピオン』がいるって図式になっているんだ。
なら、どの世界チャンピオンが一番強いのか、知りたくなるよねぇ。
でも、そんなことどの団体ももし負けたらわざわざ自分の団体の評価を下げることがわかっているから、となるとその後の興行収入にも大きく関わってくるから、基本絶対したくないことなんだ。
村1番の力持ちと言う評価を行っているのなら、わざわざ他の村の力自慢と戦う必要なんかない。なぜならその村だけで生活は成り立ち、尊敬も勝ち取っているのだから。
本来なら、誰もそんなこと望まないんだ。
それを、バンタム級の世界では行おうとしているんだ。
そしてね、井上尚弥選手って、本当はバンタム級なんかじゃなくて、その2階級下の体重の選手なんだ。
そこでも当然チャンピオンだったんだけどね。
そこから2階級上げて(ボクシングの世界で階級を上げると、背が低い状態で戦わなくてはいけなくなるから、つまりリーチが明らかに短い状態で戦わなくてはいけなくなるからメチャクチャ不利らしいのだが)バンタム級を目指したのは、この、今行われている世界1を決める大会に参加するためだったとか。
そして、その大会で(昨日が準決勝だったんだが)、世界チャンピオン級の選手ばかりの試合の中で、前回1ラウンド開始から70秒でKO勝ち、昨日の試合も2ラウンド早々とKO勝ち。
相手が格下という訳じゃないのは、試合のありようを見てみればわかる話で、その中で、圧倒的な勝利を収めている井上選手の凄さ。
ほかの日本人ボクサーの世界チャンピオンと比べてみればわかると思うけど、世界戦でKO勝利というのがすでにかなり珍しいことだし、それも1ラウンドや2ラウンドで自分の顔は綺麗なままで、なんて勝利は、まぁ、ほとんど見かけない勝ち方だと思う。
それくらい凄いんだ。
まぁ、知ってる人は知ってるとは思うけど。
私の知る限り、彼が今回成し遂げようとしている偉大な戦いは、現実ではなく、それこそ、マンガの中でしか知らない。
格闘技マンガの『修羅の門』という物語の中で、主人公がそこはマンガでそれこそバンタム級くらいの体格にもかかわらず、ヘビー級の(これは今バンタム級で行われているのと同じような世界統一王者を決める戦いに勝ち抜き)世界チャンピオンになるという話と、ほとんど遜色ないくらいの凄さだと思うんだけど。
まぁ、さっきも書いたけど、それを私なんかがこの場でどれだけ言っても意味がなくてね、私なんかが言うよりも、それこそ、amラジオのパーソナリティくらいに、熱弁して欲しい、と。
だから冒頭の話でね、いくら大阪でも、毎日毎日阪神タイガースじゃないでしょう、と。
井上尚弥選手を、語っておくれよ、と。
もう、頼むよ、ほんと。
ただ、その偉大さに見合った評価をしてあげて欲しいだけだよ、と。
それだけ、だよ。
蛇足だけど、彼の世界戦って、昨夜、1時間枠しか取ってなかったんだけど、そのうち、半分以上はこれまでの戦いとか彼のインタビューとかそういうことに割かれていて、実際に試合の映像が流れたのは30分を過ぎたあたりから。
で、1ラウンド3分が終わり、2ラウンド早々とKO勝利したわけだから、実質の試合時間は5分くらいでしょ?
だから、あまりテレビ局向きじゃないって話だ。
テレビ局にしてみれば、ほかの日本人ボクサーみたいな全ラウンドフルに戦って最後は判定で勝利、みたいな試合の方が、視聴者を確保し続けることができるから、スポンサーにもいい顔ができるんでしょう、おそらく。
逆に、彼の凄さは、テレビの枠からさえはみ出している凄さって言うこともできる。
くらい、凄いのである。
ゴールデンで、最初から1時間枠しか取らないくらいの。
まず、その中で勝利を収めるだろう、という。
まぁ、これは、うがった見方ではあるとは知ってるけどね。
でも、まぁ、そういう言い方もできる凄さを彼は持っているよねぇ。