決着-パラパラvs総駕
パラパラ-第11ターン-
「私のターンだ」
「ーー天流寺総駕のTCは残り4つ
ーー創世龍のエフェクトで後2ターンで片が付く」
現在総駕の場にはスペーシャルエクスカリバーキングのみ。
そしてディザスターイラプションを含めた2枚。
総駕の顔をジッと見る…
強張る表情、目にはギラつく闘志がある。
そしてカードを持つ力む手。
「ふむ…一度折れた心を持ち直したのがハッキリわかりますね」
ディザスター消滅しても尚生き続けるか…
感心しますよ。
総駕は歯を噛み締め睨みを効かせる
「その余裕…潤沢な手札からしてカウンターがあるんだろう?」
俺のスペーシャルエクスカリバーキングのATK13000に対して創世龍はATK12000…。
1ターン前に出てきた円卓の騎士ランスロット
あんなカードがまだ居る可能性が有る。
幸いランスロットを場に出すためのアロンダイトはトラッシュに無い。
「なら試して見たら如何ですか?
案外カウンターは無いかも知れません…
それともそんな勇気は有りませんか?」
パラパラが手札を向けて高笑いをする。
「ターン終了」。
ドゥクスが不安な面持ちで見守る
"あんなのは心理戦をかましてる訳でも何でも無い只の挑発…天流寺…"
総駕-第6ターン-
「カードドロー」
総駕の手札は3枚。
「俺はターンを終了する」
「攻撃せずターン終了ですか?」
「ああ」
「貴方のタイムクリスタルは残り4つですが、
このターン創世龍によってクリスタルが2つ破壊される事をお忘れ無く」
「さっさとしろ…」
「では遠慮なく…」
創世龍の両手から波動が放たれるー
ーー総駕が両手を前に堪える
バキンッーーバキンッーー
総駕 TC4⏩残り2。
砕けた破片を払い再び構える。
「次がラストターンなのに落ち着いてますね」
「俺は最後まで出来る事を最大限にやるだけだ」
総駕は胸元で片手を祈る様に握り締めた。
ドゥクスが頷く…天流寺は冷静だ。
「次のドローで手札が増えるからですか?
それは私も同じ事…」
パラパラはハッとするーー
ーー次のターン天流寺総駕は第7ターン目。
「…タイムカウンターを利用した追加ドローか」
パラパラ-第12ターン-
「ならば見せて貰いましょうか、最後のターンを」
「このターンは俺だけのターンじゃ無い」
総駕-第7ターン-
「俺とディザスターのターンだ!!」
ーー「カードドロー」。
"スペードリーマーハートラウムセブン"
織姫と彦星が描かれたコスト7カード。
この7ターン目と言う状況でこのカードーー
ーー行ける。
総駕の手札は4枚、そこから1枚を振り翳す
「TSディザスターイラプション
効力はスペーシャルエクスカリバーキングに」
大剣からプロミネンスが噴出…神殺しの力が再び宿った。
「これによりこのターンキングはディメンションモンスターを破壊できる」。
「だがこれだけじゃ及ばない事は解ってる…」
総駕はホルダーに手を乗せ心で祈るーー
ーータイムカウンターが取り除かれる。
「俺はゲームルールによってカードを追加でドローする」
ホルダーから射出されたカードを掴む…
再び手札が4枚になる。
真横でディザスターが頷いた様に見える
「ディザスター…」
引いたカードはTSコール。
手札の4枚全てがパラパラの障害物、妨害札を様々な角度で突破出来る貫通札だ。
高揚感で心拍数は高まる…。
消えて行った結衣やディザスター …
ーーー4億人の全ての人達を解放するんだ。
「TSトランプレッシャーを使用」
パワーを半減されて使い所を失ったカードだが今なら行ける…。
「俺は裸の王をトラッシュに送る」
スペーシャルエクスカリバーキングATK13000⏩up14300。
アーサー王=エクスカリバーキングの気力が満ち溢れる。
「素晴らしいパワーですね」
「白々しいな」
「ふふふ…分かりますか」
「今ので確信したアタック無効がまだ有るんだろ」
「俺はスペードリーマーハートラウムセブンを手札から捨てて7ターン目以降なら好きなトランナイトを加えるーー」
「ーー加えたカードはダイヤルブーツー、そしてそのテキストに記されたコストの制約を解き放つ」
「ダイヤルブーツーはコスト4以下のトランナイトが2回攻撃が出来る効果だがスペードリーマーハートラウムセブンによってコスト13のキングが2回行動を可能にする」
総駕 手札残り2枚。
キングの足の防具は赤のサバトンに換装。
後はアタックするしか無い…
残りの俺の2枚のカードで刺せるか…?。
大丈夫だ…勝てる。
全てのピースがピタリとハマる感覚ーー
ーーアドレナリンが駆け巡る。
「…スペーシャルエクスカリバーキングで創世龍にアタック」
拳を握る総駕、アーサー王の剣エクスカリバーに光が集約、創世龍目掛け跳躍し巨大化した大剣を振り下ろす。
「TS 八咫鏡
このターン相手のモンスターのパワーが変動しているならば変動した数値の倍のパワーを創世龍に加える」
神器の鏡が出現、スペーシャルエクスカリバーキングの姿を写しその力が創世龍に加わる。
形勢が逆転、パラパラが力で上回る
創世龍ATK12000⏩up14600
剣撃を回避した創世龍が光のブレスを放つー-
すかさず総駕はカードを切る
「TS"コール"
このターン自分のトランナイトがパワーを上昇させ相手がカウンタースペルを使用したならば同じ数値を加算する」
総駕 残り手札1枚。
スペーシャルエクスカリバーキングATK14300⏩up16900
キングが光のブレスを切り裂く、そして降下しつつ再び剣を振り下ろす。
「何ッ⁉︎」
パラパラがたじろぐ
「これで再びスペーシャルエクスカリバーキングのパワーが上回ったわ」
ドゥクスが手に汗握る。
「終わりだッパラパラ!!」
「まだだっ」
パラパラがカードを切るーー
ーー次の瞬間創世龍の姿が透過する。
スペーシャルエクスカリバーキングの斬撃はそのままパラパラのクリスタルを2つ砕く…
パラパラTC6⏩残り4
クリスタルの破片が宙に浮く…
「私はTS 八尺瓊勾玉を使用した…デッキからTSをカード名を無視して強制発動」
「発動したカードは…インビジビリティクローク」
本来は絶対装甲の王ジークフリート専用カード。
場のジークフリートが戦闘する際、そのバトル中場に居ない扱いにしバトル後相手のパワーを500奪う。
創世龍が再び姿を現す…、キングはオーラを吸収されそのまま地上に着地。
創世龍ATK12500。
スペーシャルエクスカリバーキングATK12500。
「これで再び創世龍に敵わない!!」
パラパラが高らかに宣言した。
スペーシャルエクスカリバーキングと創世龍のパワーは同値…
ドゥクスが青ざめる
[ダイヤルブーツーで再度攻撃権が残されているが、破壊されるのはスペーシャルエクスカリバーキング…ディメンションソウルが有る創世龍は場に残ってしまう]
ダメなのか…天流寺ーー
ーー視線を向けた先で総駕が最後のカードを公開した
「TSチェック」
「ッ⁉︎」
「バトル終了後に数値が下がったトランナイトはこのターンの終わりまで直前のバトル時のパワーになる」
スペーシャルエクスカリバーキングATK12500⏩up16900
再び力が漲る、凄まじいオーラを身体から放ち大剣には光のプロミネンスが噴出。
「バカなッ」
皆の力が剣に宿っている…
今までの瞬間がここで勝つ為だったと確信する。
スペーシャルエクスカリバーキングが聳え立つ神=創世龍に向かい跳躍
「"インフィニティスラッシュ"」
銀線が乱反射し創世龍を切り刻む。
クリスタルが砕ける
パラパラTC 4⏩3
「まさか…この私が…」
「バトルに勝った場合続けて攻撃が出来る」
スペーシャルエクスカリバーキングATK16900
「パラパラにカウンタースペルが無い…
TSチェックの効果が生きる!!」
"行け、天流寺"
「"インフィニティスラッシュ"」
創世龍が切り裂かれ、肉体から光が血飛沫の様に放出される
パラパラ TC3⏩2。
パラパラが脱力し俯く。
「もう一度だ!!
インフィニティスラッシュ」
パラパラTC last 1。
「多くの人を弄んだ報いを受けろッ!!
これで終わりだ…インフィニティスラッシュ」
最後の一撃…これで皆んなを元の世界に…
ーー俯いたパラパラの両肩が小刻みに震える
「何かある!…天流寺!!」
ドゥクスに呼ばれた総駕はピクリと反応を示すが攻撃は止まらない。
不気味に震えた両肩のワケ…顔を上げたパラパラは笑い声を漏らし次第に声が大になる
「ハッハッハッハッハッハッハッ
ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ
ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ」
スペーシャルエクスカリバーキングATK16900⏩ATK0
「 」
総駕は言葉を失う。
スペーシャルエクスカリバーキングが創世龍の破壊の波動によって消滅ーーバキンッ!!
総駕 TC2⏩last 1。
目を見開き立ち尽くす総駕
現実を受け入れられない。
高笑いするパラパラ。
「…そんなのありなの⁉︎」
驚愕するドゥクス。
フィールドにゆっくりと着地する金髪碧眼の男ーーしかし、それはアーサー王=スペーシャルエクスカリバーキングでは無い。
「スペシャルサモン」
"-円卓の騎士-モルドレッド"
バトルの瞬間、創世龍に立ち向かったアーサー王を背後から襲いパワーを奪ったのだ。
「このカードは円卓の騎士ランスロットを使用したならばバトル時にデッキからスペシャルサモン出来る、バトル中の相手のパワーはこのターン0となる」
「デッキからサモンですって⁉︎
そんなのがあったら天流寺は初めから勝てない⁉︎」
「どうです?私を追い詰め良い夢が見られましたか?クファッハハハハ」
「ぐぅっっ」
総駕の精神が崩壊する
号泣し顔がグシャグシャになる。
「「「「""うあァァァッ"""」」」」」
喉が潰れる奇声を上げた。
「オレはッ…、、、負けちゃっ っっ」
天空に光が充ちる…ゲームエンドが迫る。
"俺は…俺は負けちゃいけなかったのに"
「創世龍のエフェクト」
総駕のクリスタルに向かって破壊の波動が放たれる。
ーー無防備な総駕は創世龍の攻撃から逃げるように背を向け走り出す…。
嘲笑うパラパラの声。
総駕のいた場所が衝撃で粉々になり、直後に再生が始まる。
総駕 TC1⏩0。
ーー天流寺総駕は敗北した。