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カードバトル/ダブルディティー  作者: KIRIー
l lステージ編
71/91

Blaze a Vanishing

blaze(ブレイズ) a() vanishing(バニシング)


肌を切るような緊迫した空気が2人を包む。

 総駕と紫宴がデッキをホルダーに装填する。


構えた2人が同時にホルダーの側面を叩く

『「タイムクリスタルーーー

       ーーセットアップ」』


連なるクリスタルが打つかり合い、空に弾ける。


『「survive(サバイブ)」』

総駕には文字通り、生き残りを掛けた魂の一戦。

覚悟を宿し前を見据える。


-第1ターン-

先攻、天流寺総駕

「クリスタルを解放」。


後攻、桜紫咲紫宴

「クリスタル解放」。


-第2ターン-


「クリスタル解放。更に、

クロックブーストで解放値を3へ」


総駕は鬼気迫る表情でカードを繰り出す--

「--サモン スペードルフィンスリー」

コスト3/パワー1000。

イルカのモンスターが出現。

「アタック」。


クリスタルが砕ける、、「ック」


紫宴 TC(タイムクリスタル)12➡️11。

クリスタルの破片を振り払いカードを引く。


「…クリスタル解放。

僕もクロックブーストを使わせて貰う」

紫宴の解放値も3になり、コスト3までが使役可能となる。


「サモン-パープルナイトメア」

コスト3/パワー300

紫色の外骨格に骨が剥き出しの馬が現れる。


「行け!パープルナイトメア」。

死をイメージさせる馬が走り出す…


パープルナイトメア/パワー300

VSパワー1000/スペードルフィンスリー


パワーが劣っているモンスターで敢えて攻撃…

総駕は身構える

「…何かある」


「そうさパープルナイトメアは、僕のクリスタルを1つ捧げる事で、自分よりパワーが高い同コストを破壊する」


次の瞬間-パープルナイトメアが霊体となり、

スペードルフィンスリーの身体をすり抜ける。


ドルフィンは身体を捩らせ悶えながら爆散する。


両者のタイムクリスタルが減少

総駕 TC12➡️残り11。

紫宴 TC11➡️残り10。


ドルフィンの破壊を噛み締め、紫宴を睨む。


-第3ターン-

「クリスタル解放」

総駕TC解放値4。手札3枚。


「俺はTS(タイムスペル)ワンペアを使用」

総駕はブラックローバーゲートとダークローバーゲートの2枚を公開。


「ワンペアのエフェクトでカードを2枚ドローする」。


引いたカードを確認した総駕は顔を顰める。


「ターン終了だ」。


その様子から苛立ちが感じ取れた。

「どうやらコスト4モンスターが引けなかったようだ」


紫宴の第3ターン。

「クリスタル解放…

畳み掛ける」。

鋭い視線でカードを切る


「サモン-パープルパペッティア」

傀儡子の操る紫の糸に繋がれし傀儡が動き出す…

カタカタと震えながら空中を浮遊し、ノコギリのような歯を見せつける。


「行けプレイヤーアタック」

パペッティアが総駕のクリスタルに襲い掛かる。


「パペッティアのアタックがヒットすれば次の僕のターンの終わりまで、互いにパワー2600以上のモンスターは呼び出せない」

--これで、ライガードラゴンを封じる。


「させるかッ!TS(タイムスペル)カットフォース」

総駕はホルダーからデッキを抜き取り紫宴に向ける。


「選べ…。カットフォースは相手がアタックした時、カウンターして俺のデッキから相手がランダムに選んだカードをワンターン場に出す」

タイムスペルだったらアタックは成立…。


総駕はデックを扇形に広げ紫宴に選ばせる


「それだ…。」

紫宴が指差すカードに紫色の糸が伸びる。


「お前が選んだカードはモンスター」。

総駕のフィールドに現れる…コスト8

「ヤギリスペード」

ヤギのツノを持つ小さな愛らしい目を持つモンスター…小柄なそれはリスだった。

スペードの紋様の剣を二刀流で持つ。


「ヤギリスペードはスペシャルサモンされたなら、バトルを終了させカードを1枚ドローする」

二刀流で八の字を描き、急速に時が進み出す。


紫宴のパペッティアとナイトメアが静止する。


「大富豪の8切りか運がいいな」

苦笑いをするが、総駕の堂々とした表情を見てハッとする。


'カットフォースはカードマジックでは選ばせてるように見せて本当は決めたカードに誘導する技…'


'総駕が僕を誘導だとすれば侮れない'


「ヤギリスペードはデッキに帰還する」。


ターンが流れる。


-第4ターン-

「ダークローバーゲートをオープンアップ

クリスタルの解放値を5へ…」

総駕のクリスタルが黒く染まり、黒い稲妻が走る。

「ダークローバー…ゲート…」

紫宴は息を呑む。

…総駕はこんなカード持っていなかった。

「クローバーの花言葉は復讐…

今の君にぴったりだな総駕…」


「黙れッッ、、お前は、

お前だけは絶対に許さない」

総駕は目に涙を滲ませ言った。


「なら、ディメンションモンスターを出しなよ僕を倒すんだろ」

紫宴は細く笑う。


「サモン-ダイヤフォーラム」

ダイヤ型の巨大なクリスタルモンスターが出現。

紫宴は意外な顔をする。

「ゲートが揃っていてコスト5までが使役可能でありながら、それで来たか…」


「お前がヘルドラゴンで攻めに来る事は読んでいる」

「成る程…僕がヘルドラゴンで自爆する事も想定してるのか」。

'血が昇ってる訳じゃないな…冷静、確実に僕を倒そうとする戦略を感じるよ'


「行けダイヤフォーラム!パペッティアにアタック」

高速回転するダイヤが傀儡に迫る。


ダイヤフォーラム/ATK1300

vsATK1200/パープルパペッティア


傀儡と傀儡師共々、スピンするダイヤに弾き飛ばされ爆散する。


紫宴TC10➡️残り9。


クリスタルの破片を振り払い、紫宴がカードを引く。

「僕のターン」

流れる紫宴の鋭い眼光が手札をスッと見る。


「さっ行くよ」

人差し指と中指でカードを切る。


燃え広がる炎陣、、輪の中にそれは姿を現す…。


「サモン-HELHEIM(ヘルドラゴン)δράκων」

外骨格を覆う、骨が剥き出しの不死の竜が出現。口元で陽炎が揺らめく。


「やれヘルドラゴンのアタック」

紫宴の戦闘命令でヘルドラゴンはダイヤフォーラムに向かいブレスを放つ--


「TS通貨と通過の代償…

場のダイヤ名称を持つトランナイトをトラッシュに置くことで一度だけ戦闘ダメージを無効にしてカードを引く!」

火炎放射を目前にダイヤフォーラムが姿を消す。


総駕TC(タイムクリスタル)stay11。

手札は再び4枚。


「躱された…やるね」。


「だが、パープルナイトメアがまだ居る」

死を呼ぶ馬が霊体となり総駕のクリスタルを襲う。


連続してクリスタルが砕かれる

総駕 TC(タイムクリスタル)11⏩9。

紫宴 TC stay9。


両者のクリスタルが並ぶ…。


-第5ターン-

「俺のターン」

総駕の覇気が広がる。


「いよいよ満を持して登場ってワケか」

紫宴の頬を汗が伝う…。


「サモン-ブラックローバーゲート」

黒の門が出現、総駕の盤面に2枚のゲートが揃う…!。


黒の門から炎が噴き出る…

「ディメンションサモン-Atomic(アトミック)Burn(バーン)LIGER(ライガー)Dragon(ドラゴン)-」

黄金の炎を纏うライガードラゴン、光る瞳が紫宴に突き刺さる。

確実な歩みで門から前進…。


「行け…ライガードラゴン」…

重たい身体は巨大な翼によって宙に浮かび上がる。


上空に舞い上がるライガードラゴンが強襲--

首の周りに立髪のように展開されたキャノン砲に炎が充填。

「アタック時、ライガードラゴンよりパワーが低いモンスターを破壊」

ATK2700

"アトミックバーンライガーシュート"


降り注ぐ火炎弾がパープルナイトメアを襲う。


黒の馬が塵になって消え去る…。

クリスタルが砕ける

紫宴 TC9➡️8。

「クッ…」

汗を拭う紫宴に更なるアタックが迫る。


「ライガードラゴンのバトル」。

風を切り裂く剛爪がヘルドラゴンへ向かう、

--透かさず、紫宴の手が動く

「ディメンションガード、アタックを無効にして

カードを引かせて貰う」

紫宴の防御札から障壁が展開され、剛爪が弾かれる。


「ターン終了」。

アタックは防がれはしたものの、強い攻撃の意志が伝わりプレッシャーとなる。


「僕のターン…」。


「TSサクリファイスドローを使用」

次の瞬間、地中を突き破り2本の支柱がヘルドラゴンを挟むように出現…鎖が支柱から伸びて四肢を縛る。地面には十字架が刻まれる。


「僕のモンスターを生贄に捧げる…

ヘルドラゴンを破壊してカードを3枚ドロー!!」。


ヘルドラゴンが業火に焼かれ、消滅--

紫宴の手札は5枚、潤沢になる。


紫宴TC 8➡️残り7。


「下手に動いてもライガードラゴンの餌食だな…ターン終了」。


-第6ターン-


「紫宴のフィールドはガラ空き、ここで一気にクリスタルを破壊してやる」

引いたカードはコスト4か丁度いい…。

総駕は睨みを効かせカードを繰り出す。


「サモン-フォックスペード」

4つの尾の先がスペード型の狐のモンスターが出現。


「アタックだフォックスペード」

駆け出したフォックスペードがクリスタルに飛び掛かる。


「TSパープルシールド、パープルデーモンを見せてノーマルモンスターのアタックを防ぐ」。


「ライガードラゴンでアタック!!」


「TSディメンションガード、アタックを無効にしてカードをドロー」


「2枚目のディメンションガードだと⁉︎

クッ、ターン終了」

総駕は歯軋りをしてターンを終える。


紫宴 TC stay7。


紫宴は手札消費1枚でターンを迎える。


「さぁ、甦れ…HELHEIM(ヘルドラゴン)δράκων」

ターンが紫宴へと切り替わったと同時に、炎陣が出現。

ーー再び、ヘルドラゴンが姿を現す。


HELHEIM(ヘルドラゴン)δράκωνは死の世界より力を得た…。パープルカウンターをライガードラゴンに灯す」

ヘルドラゴンから噴き出る炎が、ライガードラゴンの心臓部に向かう。


「次のターンパープルカウンターの乗ったモンスターは破壊される…」。


「そして僕は、コスト6/ゲート-パープルデーモンをフィールドとクリスタルに配置」

悪魔が2体出現し、異次元の扉を開く。

扉の奥から渦巻く煉獄の紫炎が押し寄せるー

ー渦巻く炎がフィールドを包む。


「これが僕の本当の力だ…

ディメンションサモン」

次の瞬間、渦巻く紫炎がヘルドラゴンに集約する。


「ッ何⁉︎」

驚愕する総駕…。


--ヘルドラゴンが進化を遂げる。


紫宴が告げるその名はー

Purple(パープル)Blaze(ブレイズ) HELHEIM(ヘルドラゴン)δράκων」 。


コスト6/ATK3200/DS(ディメンションソウル)3。

触れた者を傷つける刺々しい外骨格を覆う骨の鎧、合間からは血管のように紫のエネルギーが循環する…。

そして、何者も近づけぬ迸る炎…。

冷たくも熱くも見える炎は、紫宴の感情を見ているようにも見えた。


Purple(パープル)Blaze(ブレイズ) HELHEIM(ヘルドラゴン)δράκωνは蘇ったヘルドラゴンをソウルとする事で呼び出せる」。


「そして、このカードのエフェクト…1ターンに1度ディメンションソウルを使用する事で、敵モンスター全てにパープルカウンターを置く事が出来る」

DS(ディメンションソウル)3➡️2。


"Purple(パープル)Blaze(ブレイズ) Shock(ショック)"

迸る炎が飛散し総駕のフィールドのモンスターを蝕む。

フォックスペードにカウンターが乗り、ライガードラゴンも同様に2つ目が灯る。


呪いの炎で総駕のフィールドのモンスターは憔悴するのが見て分かる。


「バトルだ…行けッPurple(パープル)Blaze(ブレイズ) HELHEIM(ヘルドラゴン)δράκων」


"Purple(パープル)

    Blaze(ブレイズ)

      Circulate(サーキュレイト)"

ライガードラゴンに向かい、ヘルドラゴンの紫炎のブレスが放たれた。


ライガードラゴンが火炎弾で向かい打つも、紫炎は広がり勢いを増しフィールドを包み込む。


総駕のクリスタルが砕ける…

「ライガードラゴンのソウルを排出して…破壊を免れる」。


-Atomic(アトミック)Burn(バーン)LIGER(ライガー)Dragon(ドラゴン)/DS(ディメンションソウル) 2➡️1。


総駕 TC(タイムクリスタル)9➡️8。


-第7ターン-


「俺のターン…!」

総駕が構えたと同時に紫宴が宣言する--

「この瞬間、パープルカウンターが取り除かれる、まずはフォックスペードが破壊だ」


心臓部で揺らめく炎がフォックスペードの全身に燃え広がる……それは最後に鳴き声を上げ破壊される。


クリスタルが砕ける。


総駕TC(タイムクリスタル)8➡️7。


「魅せてあげるよ、パープルブレイズの更なるエフェクトをね…」

"Purple(パープル)Blaze(ブレイズ) Shock(ショック)"

紫炎が飛散し総駕のクリスタルが砕ける。


総駕TC 7➡️残り6。

目を見開き驚愕する総駕ーー「なッ…!」  


「パープルブレイズはパープルカウンターが取り除かれたらそのプレイヤーも襲う」

紫宴が細く笑う。


「そしてライガードラゴンも終わりだ…」

指差すその先で、蝕まれるライガードラゴン…

紫炎にその身を焼きながら叫びを上げる。


「パープルカウンターが2つ、ライガーのソウルは1つ。

つまりこれで破壊されて君は終わりだ…総駕」

冷たい目で紫宴が告げる。


「くたばって…たまるか…」

ライガードラゴンと総駕の表情が重なる。


苦しみに耐えながらも、憎しみを宿す眼ー

TS(タイムスペル)"ディメンションシフト"」

黒い稲妻をライガードラゴンは纏う…

黄金の炎、黄金の輝きは失われて暗く黒くその姿を変える。


「力を得たのはお前だけじゃない…

ディメンションサモン」


総駕は眉間に皺を寄せカードを切る

Dark(ダーク)Vanishing(バニシング)LIGER(ライガー)Dragon(ドラゴン)

パワー3400/DS(ディメンションソウル)2。

血走る眼に、黒い身体、禍々しいオーラ。


「…黒い…ライガードラゴン…」。


昇華したライガードラゴンは、パープルカウンターの紫炎を自身の力で抑え込んだかのようだった。


「、、死の運命を乗り越えたのか…」。


総駕TC stay6。


「行け…Dark(ダーク)Vanishing(バニシング)

黒の稲妻となり姿を消すライガードラゴン。


Dark(ダーク)Vanishing(バニシング)LIGER(ライガー)Dragon(ドラゴン)

パワー3400

VS

パワー3200

Purple(パープル)Blaze(ブレイズ) HELHEIM(ヘルドラゴン)δράκων


ヘルドラゴンの前に一瞬で踏み込み、ライガードラゴンの剛爪が襲う…。


よろけるヘルドラゴンに噛み付き、鮮血が飛び散る。

Purple(パープル)Blaze(ブレイズ) HELHEIM(ヘルドラゴン)δράκων/DS2➡️1。


紫宴のクリスタルが砕ける。


紫宴TC7➡️残り6。


衝撃に紫宴は後ずさる。


「ここまで拮抗するとは…」。


「俺はタイムカウンターを取り除きカードをドローし、ターン終了」

総駕、手札3枚。


紫宴へターンが切り替わる。


「僕のターン」。


「僕はパープルブレイズのエフェクトを使用、

僕のクリスタルを1つ捧げ、手札のパープルモンスターをソウルにする」

ヘルドラゴンDS1➡️2。


紫宴 TC6➡️残り5/手札3枚。


「更に、パープルブレイズのソウルを取り除きパープルカウンターを乗せる」


"Purple(パープル)Blaze(ブレイズ) Shock(ショック)"

再び、ライガードラゴンを紫炎が蝕む。


「行け…パープルブレイズ!」。

パワー3200、それに対しライガードラゴンのパワー3400。

「何ッ…自爆特効…何か裏があるのか…」。


⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎


総駕と紫宴の戦いが繰り広げられる中、

エリアD、大会2回戦が殆ど終了していた。


「んー、なんか肩凝った気がするかも」

七瀬奈菜は試合の後外の空気を吸いに広場に出て来ていた。


「何アレ…」

少し先を見ると、凄まじい戦いが確認出来る。


紫の炎と黒の稲妻がぶつかり合い、硝煙が昇っていた。


⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎


Purple(パープル)Blaze(ブレイズ) HELHEIM(ヘルドラゴン)δράκωνはパープルカウンターが乗ったモンスターと戦うならそのモンスターのパワーを300ダウンさせる」


これにより、Dark(ダーク)Vanishing(バニシング)LIGER(ライガー)Dragon(ドラゴン)

パワー3400⏩down3100。


ヘルドラゴンのパワー3200が上回る。


紫宴が声を上げる


"Purple(パープル)

    Blaze(ブレイズ)

      Circulate(サーキュレイト)"


次の瞬間、紫の炎が渦を巻きライガードラゴンに向かう。


「そんな事か…無駄だ」

冷静に総駕は言った。


「ダークバニシングのエフェクト…」


"失踪(バニシング)領域(フィールド)"


瞬く間に、空間に灰色の波動が広がりライガードラゴンのステータスが回復する。


灰色の波動と紫の炎のブレスがぶつかり合い、辺りを揺らす。


-バキンッ-


紫宴のクリスタルが砕けた。


紫宴TC(タイムクリスタル)5➡️残り4。

Purple(パープル)Blaze(ブレイズ) HELHEIM(ヘルドラゴン)δράκων/DS1➡️0。


「…ック…そんなエフェクトが…」

紫宴がふらつく体制を整える。


「ダークバニシングはディメンションソウルを使用すればバトル中モンスターエフェクトを打ち消す!…」

Dark(ダーク)Vanishing(バニシング)LIGER(ライガー)Dragon(ドラゴン)DS2➡️1。


総駕にターンが切り替わる。


-第8ターン-

「パープルカウンターが取り除かれ、ライガードラゴンは破壊だ!」


総駕TC6➡️残り5。


「ディメンションソウルを取り除き、破壊を免れる」

Dark(ダーク)Vanishing(バニシング)LIGER(ライガー)Dragon(ドラゴン)DS1➡️0。


「更に、パープルブレイズのエフェクトは君を襲う」。

"Purple(パープル)Blaze(ブレイズ) Shock(ショック)"


総駕TC5➡️4。


"タイムクリスタルが再び並ぶ"


"これでお互いのディメンションモンスターはソウル0"


"次のバトルで勝てば…

   「お前は」

    「君は」詰みだ"


互いに同じ思考、同じ脈を打つ…。


「俺はTS(タイムスペル)レイズを発動」

指定したDMはパワーが500上がり、DM同士のバトルに勝った時、発動時に捨てたカード-1枚をデッキから加え1枚引く。


「俺はハートリプルビー、シックスペードラゴンを捨てる」


Dark(ダーク)Vanishing(バニシング)LIGER(ライガー)Dragon(ドラゴン)ATKup3900。


「これで決める…ダークバニシングライガードラゴンでアタック!!」

黒の雷となりライガードラゴンが姿を眩ます。


余力を残す紫宴は鼻で笑った

「TSパープルリチュアル。僕はパープルブレイカーを手札から捨てる」。


紫宴の場に新たなモンスターが現れる

「ガーディアンモンスター…

コスト4/パープルタンク」

重装備の紫の鎧の兵士は巨大な盾を構える。


「パープルリチュアルは手札からパープルカードを捨て、同じコストを持つモンスターを場に呼び出す」。


「だがバトルは続行!俺の勝ちだ!!」

ライガードラゴンが闇から姿を現し、ヘルドラゴンを狙う。

しかし、パープルタンクが前に踏み込み、攻撃を受ける。


「違うねガーディアンモンスターは優先して攻撃される」。

パープルタンク/DEF1800。

ライガードラゴンのパワーに押し切られ消滅。

総駕は舌打ちをする。


「ッ…レイズのエフェクトで俺はワンポーカーを加え1枚カードを引く」。


「更に俺はワンポーカーを使用…」。

紫宴と総駕はカードを捲る。



「コスト3パープルスピリット…」

「俺のカードはコスト11のクジャックローバー…

よって、俺のダークバニシングにソウルが追加される」。


ターンが流れる。


「僕はパープルブレイズのエフェクトを使用、僕のクリスタルを1つ捧げ、手札のパープルモンスターをソウルにする」。


紫宴TC(タイムクリスタル)4➡️残り3。


パープルブレイズヘルドラゴン

ダークバニシングライガードラゴン 共にDS1。


「更にパープルブレイズのエフェクト!」


"Purple(パープル)Blaze(ブレイズ) Shock(ショック)"

ライガードラゴンに紫炎が灯る。


「そして僕はTSパープルコンフュージョンを使用!僕のターンパープルカードを取り除いたならこれはソウルになる」。


「そしてタイムカウンターを取り除きカードをドロー!」。


「行けパープルブレイズヘルドラゴン!!」…

紫宴の攻撃宣言、パープルブレイズヘルドラゴンの口に炎が充填される…。


「向かい打て!ダークバニシングライガードラゴン」


ーーーーーーー


気迫の篭った2人の間に七瀬奈菜が歩み寄る…。

「紫宴くん⁉︎それに総駕君まで…」。

2人は横目で奈菜を見るが、直ぐに視線を戻し睨みを効かせる。


Purple(パープル)Blaze(ブレイズ) HELHEIM(ヘルドラゴン)δράκων

ATK3200


"Purple(パープル)

    Blaze(ブレイズ)

      Circulate(サーキュレイト)"

渦巻く紫炎がライガードラゴンに迫る。



「戦う時モンスターのステータスがダウン!!」


Dark(ダーク)Vanishing(バニシング)LIGER(ライガー)Dragon(ドラゴン)ATK3400➡️3100


"失踪(バニシング)領域(フィールド)"

「ダークバニシングのソウルを使用!!」


ステータスが回復しダークバニシングが再び、

パワー3400となる。



Purple(パープル)Blaze(ブレイズ) HELHEIM(ヘルドラゴン)δράκων

ATK3200VS ATK3400

Dark(ダーク)Vanishing(バニシング)LIGER(ライガー)Dragon(ドラゴン)


ライガードラゴンの黒の稲妻が紫炎を引き裂き、ヘルドラゴンを襲う。


「…僕はパープルブレイズの最後のソウルを使い、耐久する」。


紫宴 TC(タイムクリスタル)3➡️残り2。

総駕 TCstay4。


「僕はターンを終了…総駕 君の負けだ」。


"総駕のダークバニシングはパープルカウンターによって破壊が確定している"


そして、最後のディメンションソウルを失ったため耐久は出来ない。


「負けるのはお前だ…紫宴!」

「なに…?」


殺伐とした2人を見た奈菜は声を張る

「紫宴君!なんで本気で戦ってんの!?」


「仕方ないんだよこれは」


「仕方ないって⁉︎…総駕君も怖い顔して、、

さっきまで仲が良かったのになんで」


「そいつが!そいつはなぁ!小学生の女の子を、、、

顔色一つ変えずに消滅させたんだよ…!」

荒々しい総駕の様子に、奈菜は言葉に詰まる…。


「、っ、紫宴君…本当なの…⁉︎」

「あぁ、事実だよ…」

「決着を着けてやる、後2回も俺が勝つ!!

俺がお前を殺す」。


-第9ターン-

総駕にターンが切り替わる。


「総駕…さよならだ。パープルブレイズのエフェクト…!

これで君も消滅する」


紫の炎が心臓部から燃え広がりライガードラゴンを包む。


TS(タイムスペル) トランプペアレント…

破壊を一度だけ免れる…」


ライガードラゴンが透過し、炎が鎮火する。


「耐えたのか…」

「バトル…!」

ライガードラゴンが飛び立つ…。


「ダークバニシングでアタック時TSトランプレッシャーを使用」

攻撃時デッキから好きなトランナイトをトラッシュに置きそのコスト×100場のモンスターのパワーを上げる。バトルに勝った時このカードはDSになる。


「俺は"(ノーアーマー)(クラブキング)をトラッシュに送りパワー1300を獲得…!」

ダークバニシングの力が漲る…ATK3400⏩up4700。


「ダークバニシング」

爆ける黒の稲妻…


「来い…総駕」

"君が最後のアタックを撃ち込んだら…

僕のタイムスペルで全てが終わる"


Dark(ダーク)Vanishing(バニシング)LIGER(ライガー)Dragon(ドラゴン)

ATK4700vs ATK3200

Purple(パープル)Blaze(ブレイズ) HELHEIM(ヘルドラゴン)δράκων


2体のドラゴンから溢れるエネルギーに奈菜は息が詰まる程の緊迫感を感じる。


"紫宴君の手札…アレが発動したら総駕君は…!」


「アタック!!…」


"""バニシングフィールド""""

総駕の気迫の篭った最後の一撃。

…それを紫宴は細く笑う。


「結衣は!!…俺にとって……

妹みたいな存在だったんだよッ…!!」

喉を潰すような総駕の悲痛な叫びとダークバニシングライガードラゴンの咆哮がフィールドを揺らす。


「……妹…」。


紫宴の手が、カウンターするタイムスペルを出す指が止まる。


他人の感情は思わない…考えない…

でも…僕は…何で今総駕の気持ちを思う。


"何を感傷的になっているんだ…⁉︎僕は"


僕と同じ苦しみ、愛すべき人を失ったからか?

僕と同じ復讐者の顔をしている…。


総駕を…友達だと、信頼出来る仲間だったのに

傷つけたからか?

罪悪感に僕の手が止まっている…?。


ダークバニシングライガードラゴンの黒の稲妻が肉体に滅びを与え--

パープルブレイズヘルドラゴンが砕け散る…。


紫宴のクリスタルが全て砕かれる-。


紫宴TC 0。


紫宴が膝をつく…。


「紫宴君…!」

奈菜が歩みよる。



「さぁ立てよ紫宴、あと二回お前を倒してやるよ」。


紫宴は力を込めてゆっくり立ち上がる

「あぁ、望む所さ…」。


「どうして。2人は友達じゃ無いの…⁉︎」

悲痛な表情の奈菜。

総駕は声を張り言い切る

「そんな奴もう友達じゃない!!」。


紫宴は前に出る奈菜を手で下がらせる--

「これは僕達の戦いだ」。


「僕達の戦い…?!紫宴君本当は戦いたく無いんでしょ?…」

奈菜は紫宴の手を取り、ゲーム終了間際に持っていたカードを取り上げた。


「なっ⁈」。


「総駕君!!、これを見て…」

突き出したカードはファイナルタイムスペル…。

パープルヘイズ

パープルカウンターがゲーム中3つ以上取り除かれているなら使用出来る。バトル時相手モンスターのパワーを元々の数値-300したものとする。


「これが発動していたら俺が負けていた⁉︎」

総駕の心臓が急速に脈を打つ。


それと同時に1つの疑問がよぎる

「、、なぜ使わなかった…」。


「、、偶々さ」

紫宴は総駕の目を見て静かに言った。


冷や汗が止まらないーー。

…俺は消えていた。


憐れむ様に総駕を見る七瀬奈菜。


「ふざけんなっ…」

総駕は拳をブルブルと握る。


こっちは命懸けで殺す気で戦ってたんだ…

なのに、同情、敵に情けをかけられ…

七瀬奈菜のあの目は何だ⁈。


「"本気で戦えよ‼︎‼︎"紫宴!!」

総駕の怒りの眼差しが紫宴を見る。


それに応えるべく、紫宴はホルダーに全てのカードを再び装填。


ーその時だった。


「何のつもりだよッ」

総駕は怒鳴る。

七瀬奈々がホルダーを構えて紫宴の前に出て、

立ちはだかるからだ。


「まだ戦うなら私が相手をする」

覚悟を決めた強い意志が伝わる。


「邪魔すんじゃねぇよ」

総駕が睨みを効かす。


「なぜ君が戦う…」

紫宴が問う。


「本当は分かってるでしょ…

紫宴君は総駕君と戦いたく無い、、」。


「総駕君だって本当に悪いのは戦う様に仕向けてるパラパラとこの世界だって事が」。


総駕は目を逸らす。


「憎しみのまま戦っても

そんなの思う壺だよ」。


総駕は言葉にならない叫び声を上げるーーー

頭を乱雑に掻き回し発狂する。


俺はなんて惨めなんだ。


2人と目が合わせられない。


情けない気持ちで背を向け、行く当ても無く逃げ出すように走り出したーー。


紫宴に手を抜かれ、七瀬奈々にも結果的に救われたんだ。

あのまま止められず戦えばきっと紫宴には敵わなかった。


走る最中、低い段差に躓き前のめりに転ぶ。


勢いよく転んだのに痛みがない…

目まぐるしく感情が渦巻くからだ。


総駕は後悔した。


俺が結衣を救えなかったんだ。

自分を犠牲にすれば救えたのに本当はそんな覚悟は無くて…

ちっぽけで、チープな人間なんだ。


薄っぺらくて、紫宴の言うように中途半端で、他人のせいにしてんだ。


地べたに這いつくばりながら涙を零した。


「オレは何も出来ない」。


「何も変われない…」。



⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎



暗い部屋で彼女は呟く…。

「天流寺…」

悲痛な顔でレルはホルダーを装着して部屋を後にする。


x月6日 午後。


日が沈み夜が訪れようとしていた。

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