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カードバトル/ダブルディティー  作者: KIRIー
l lステージ編
66/91

空白

x月5日。

この日はエリアBの展示場にて大会が開催される。


昨日総駕は結衣と戦った後にエリアDに向かう為に移動を始めていた。


バスで移動する為に二人は乗り込むと、その他プレイヤーも見受けられた。


「意外と私達以外にも向こうに行く人いるんだね」

結衣が言った。向こうとはエリアDの事だ。


「そうだな…」

総駕が周りを見渡すと皆重々しい顔をしていた。


「…皆んな1日でも時間が欲しいんだよ」。


エリアDの大会は明日6日に行われる、

きっと精神的に思う事が有るんだと察する。


一方、総駕達が向かう訳は他の者達と違っていた。


⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎


昨日、全プレイヤーに大会情報のメールが送信された、それがエリアBとDの日程。


その後、紫宴から着信が有ったのだ。


「調子はどう?総駕」

返答に若干迷いつつも総駕は明るい様子で答える

「実はもう二回負けちまってさ」


それを聞いた紫宴は驚きを露わにする

「君が2回も⁉︎一体どれほどの強敵だったんだ」

皮肉っぽく笑って答える

「確かに1番手を焼いたよ、解決したけどな」

結衣を横目で見るとバツが悪い思いをして苦笑いをする。


察した紫宴は頭を巡らせた

「てことは1人のプレイヤーと完全決着を?

もう5回戦ったのか?」

「いや、それがな…戦ったのはその二戦だけ」。


「どうゆう状況だい」

紫宴は困惑した様子だった。


「今度話すよ、それでどうしたんだよ」

「そうだな今来たメールは見たかい?総駕」

「ああ見たよ」

「落ち合う約束してたろ

どっちに出る予定だい?」

「えっと今Bに居るし、こっちだな」

「そうか…」

紫宴から何か考えた様子が伺える


「エリアDに出る予定か紫宴?」

「そうだったんだが僕がそっちに出向こうかと思ったわけさ」

「えっ?」

「もう後が無いだろ?だったら僕が勝ち星を分けに行った方が良いんじゃ無いかと思ってね」

「それは有難いけど、良いのか?」

「当たり前さ。君が居なきゃあの場所で僕も消えていた」

2人で共闘したタッグ戦を思い出す。


「助かる、だったら俺から出向く」

「分かった」

至り尽せりでは悪いと言う事だろうと察した紫宴は頷く。

「じゃあ明後日会おうぜ」

「ああ会場で」

紫宴からの電話が切れる。


「今の人誰?」

結衣が訊ねる

「昨日言ったろ?この世界で出来た友達だよ」

「へええ」

「それでエリアDの大会に出ようと思うんだ」

総駕はあらましを結衣に説明すると納得し、現在へと至る。



⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎


時を同じくして、ディザスターはエリアBの会場にて1回戦を行なっていた。


Disaster(ディザスター)Schwarz(シュバルツ)EVIL(エビル) Dragon(ドラゴン)でアタック」


"Schwarz(シュバルツ)Lance(ランス)"


漆黒の龍の黒槍が死神、デンジャラスリパーを貫き滅する。


ディメンションモンスターの破壊が決定打となる

「ありがとうございました」

ディザスターは頭を下げると待機所に向かう、試合開始から5分で決着が着いた。


上階に上がる為に移動すると他のプレイヤーは激戦を繰り広げている。


開けた観戦スペースには有る男が座っていた。

光郷院(こうごういん)(つばさ)


[あれが光の結社ってやつの教祖か、

こんな奴までいるとはな…]

2人の視線が合わさる。


光郷院はディザスターを見ると細く微笑む。


ディザスターは無表情のまま過ぎ去る

「余り世間の噂には興味はないが、どうやら良い話を聞かないってのは本当見たいだな」。


彼奴には戦った様子が見られない、

その証拠に支給された電子ホルダーは携帯していなかった上に試合開始から時間が経っていない。

そして、あの澄ました表情は戦わずして勝っていると言わんばかりだ。


会場を見渡すが変わった様子は見られない

「やはりパラパラは姿を現さないだろうな」

ジークフリートの情報も有って万が一の可能性を考えディザスターはエリアBに出場した。


どのみちステージを勝ち上がるしか選択肢は無いのだから、焦る必要はない。


「目の前の事をこなすだけだ」。


時は進み、5回戦へ進む…

朝9時半から準備が始まり15時が過ぎる。


ディザスターは順当に勝ち上がり5回戦目も難なく勝利する事になる。


5回戦が完全に終わると4勝以上が抽選されたトーナメント形式に切り替わるアナウンスが流れた。

そしてこの5回戦の過程でもいたが、セカンドステージ内で5度の対戦を済ませたプレイヤーは大会からドロップする事が出来た。


ディザスターは大会中、今の回戦を持ってドロップの権利を得られた。

そして液晶画面をタップし棄権を選択する。


このトーナメントは勝ち抜けば景品が用意されている事は知っているが会場を後にする。


「長居は無用だな」

会場の出口から同じタイミングで他のプレイヤーも散り散りになって行く。


展示場からひらけた場所に出ると見知らぬ女が声を掛けて来る「--- ---」。

その一言でディザスターは歩みを止める。

この世界に来て初めてフルネームで呼ばれたからだ。なぜ俺の本名を? がそれを気にしまいと冗談で返答する「ナンパなら間に合っている」


その女は金髪縦ロールの髪に、碧眼、胸元が空いたドレスを纏っていたドゥクスだった。

「あら残念 意外と冗談も言うのね」

「タイプじゃないんだ」


真顔で言うディザスターに失笑する

「失礼 けど一度話して見たかったの。

私はドゥクス」

「ドゥクスか、それで俺の名前を知ってたがどういう訳だ」

「大会を運営してたからよ」

「なるほど」

ディザスターの視線が鋭くなる。


「そう身構えないで、ただ聞いてみたい事が幾つかあるの」

「分かった、それで」。


「まずはなんでドロップしたのかよ」

ディザスターは数歩歩き背を向けた

「このゲームは回数を重ねる事に意味があるんだろ、それも強いプレイヤーが」


「察してるって訳ね」

「否定しないな」。


ドゥクスは応答せず続けて質問をした

「貴方なら賞品を狙えると思ったのだけど、

現に5回戦まで全勝だったじゃない」

「確かに魅力的だが、あの場の雰囲気も良いものでは無かったしな」

「どういう事?」

「光郷院が居ただろ、あの取巻き十数名が上位に行こうと動いているのはわかっている」

「勝てる自信がないの?」

「手の内をこれ以上明かす事と、何が有るか分からないゲームを重ねる事がマイナスだ」

「ふぅん成る程…」


あそこに居る者全員が本気で戦っていたなら観戦してく価値も有っただろうが

「奴等の仲間内で当たった時の試合は見るに値しない、帰って寝た方が有意義だ」。


「ドロップした理由は分かった。

それともう一つ、貴方が何の為に戦うのか」


ディザスターとドゥクスの視線が合わさる


「答えを見つける為だ」

「答え?」

「俺は自分が正しいなんて思わない、確かめる為には常に相手が居る。だがそれ消し去り独りよがりな世界を作るのは気に入らない」

それを聞いたドゥクスが一枚のカードを差し出す。

「なら貴方の答えをいつか見せてちょうだい」

それを受け渡しドゥクスは会場に戻って行く。


そのカードは白紙のカードだった。


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