GAGA流-〜MASAMUNE〜
伊達 岳史はディザスターそして花乃慶次と同じ大学に通っていた。
「あの頃俺達は何の繋がりも無かった」
伊達はステージに残された前田利益を手に取る。
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俺がディザスター達と出会ったのは2年前だ、中坊までの俺はカードで遊んでたがそれ以降は全くと言って触らなかった、、だからかね冷めた俺は大学でふと見かけた彼奴らが真剣な面しながらカードやってて稚拙に思えた。
「お前ら大学入ってまだ紙切れなんかやってんのか」
この言葉が俺が彼奴らに掛けた一言目だった、
思えば最悪なファーストコンタクトだ。
「…続けるぞ」
ディザスターはそれでも表情一つ変えずにゲームを続けた、そんで慶次の野郎はムスッとしてたっけか…
「なんだい!彼奴、気取りやがって」
「気にするな、ほらお前のターンだぞ」
「げっ!いつの間にそんなの出してたの!」
「ふっ、お前が余所見するからだ」
「そんなぁ〜」
慶次とディザスターさんは純粋に楽しんでたのが今ならよく分かる、過去に遡れば大学に入ってから荒れていた俺の方がよっぽど幼稚だった。
まぁ…昔話は目の前の奴をぶっ飛ばしてから思い返すとしよう、今の俺をディザスターが作ってくれた話を。
なんだかんだ長いようで短い付き合いだった。
けれどあいつらと過ごした時間の濃さは計り知れないものがある…
この異次元に来てから数日間は特にそうだ、命賭けでみんなで戦って激しい喜怒哀楽を何度も共にして…
家族、それ以上かも知れない仲間意識さえ感じていたんだ。
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悲壮感の中で伊達は思う
「…こんな事になっちまったがカードが俺達の絆を作ったんだ」
伊達はステージにデッキをセットする。
「タイムクリスタルセットアップ」
伊達の怒りが形となる…
俺が悲しみから沸騰するまでに時間はかからなかった。
ジークフリートは否応なくクリスタルを展開する。
「「サバイブ」」。
ジークフリートからの先攻でゲームは始まる、
-1ターン目-。
ジークフリートと伊達は互いにTCを解放して終了する。
「奴に向かってクリスタルの輝きが道を照らしている俺は進み続ける…」
順当にターンは進む。
−第3ターン−
ジークフリートは始動する。
「クリスタルの開放値は3。よってコスト/3のモンスターを呼び出す」
手札のカードを顔前に突き出す。
「サモン!人喰らいし古竜」
パワー/500
「ダイレクトアタック」
長い尻尾を振り回し伊達のTCを2つ砕く!
バキンッッバキン!!
「クッ!」
伊達 TC12⏩残り10。
「ターンエンドだ」。
ターンが切り替わると同時に伊達は流れる動作でカードを運ぶ。
「ドローカードセット…、これで開放値は3
コスト/3 GAGA流-Ladyをサモン!」
パワー/300
伊達の場にド派手なドレスを纏い、サーベルクローを手に持つ女が現れる。
「バトル レディで人喰らいし古竜にアタック」
人喰らいし古竜
パワー500vs
300 GAGA流-Lady
「仕掛けてくるか」
「レディは手札のGAGA流と名のつくカードを捨てモンスターと戦う時パワーを1000upする、更にモンスターを破壊すれば追加でクリスタルを砕く」ーー
ーー「俺はGAGA流-パーリィーを捨てる!」
Ladyは目にも留まらぬ速さでサーベルクローを振り回し古竜を撃破する。
ジークフリート TC12⏩11▶️残り10。
−第4ターン-
「貴様伊達と言ったな…」
「それがどぉした」
「名の通り派手好きと言う訳か」
「テメェは俺がド派手にブチのめす」
ジークフリートは鼻で笑う
「今のお前は強い言葉で見栄を張ってるだけだ
本当は恐怖を抱いているのにな」
図星だ、俺より強え慶次もやられた
俺は勝てるのか?…頭ん中で何度もチラつく!
だから魂を奮い立たせる。
俺がやらなきゃならねぇからだ。
「確かにお前の言う通りだ」
「ならなぜ挑む」
「この恐怖に打ち勝たなきゃ俺はこの先、
強敵が立ちはだかる度に逃げ出しちまう
自分にも誰にも負けねぇ、仲間を護るために。」
「誰にも負けず誰かを護るだと?
人は皆私利私欲の為に戦っている
俺が強さの限界を教えてやる」
「サモン、メタンハイドレートドラゴン」
冷気を放つ無色透明の竜が現れる。
コスト/4パワー1300
「メタンハイドレートはデッキの上から三枚をトラッシュしてタイムスペルが有れば自身を破壊し相手のモンスターを破壊する」
ジークフリート のカードが捲られる
「Tsフレイムアローが有った事によりGAGA流-レディを破壊する」
伊達・ジークフリート 共にTC10⏩9へ
「更にメタンハイドレートドラゴンが破壊されたターンモンスターが二枚以上トラッシュに送られていたなら次にTcが破壊される時それを2つ減らす」
メタンドラゴンが青色の炎に包まれ焼失する。
ジークフリートのクリスタルが青色の炎を纏う。
「攻防一体か」
伊達は眉間に皺を寄せる。
ターンが切り替わりカードを引いた伊達は鼻で笑い、小さく言った
「適材適所で使えるもん引いた時はやっぱり嬉しいぜ」。
カードをチャージし開放値は4になる。
「サモン 灼熱火山の戦士!」
コスト4|パワー1400
大柄の男は弾薬を体に巻きつけ重火器をその手に持つ。
「ディザスターの入れ知恵か」
「俺のデッキはGAGAのカテゴリーデッキ、だがあらゆる事態を想定し非名称カードを採用しているのさ。
灼熱火山の戦士はフィールドで発揮されているモンスターエフェクトを焼き払う!!」
メタンハイドレートドラゴンの青炎が赤色に染まり鎮火する。
「行け!灼熱火山の戦士ダイレクトアタック」
ジークフリートTC9⏩残り7に減少。
「成る程、伊達にオリジナルの構築で環境を左右してきたわけだ」
「ターンエンド…」
伊達は胸元のタブレットに目をやる…
第5ターン
「俺のターン。
俺の運命は適材適所のカードを常に引き込む」
クリスタルが5つまで開放され眩い輝きが闇夜を照らす。
「サモン永久凍土の戦士」
コスト5|パワー1700
毛深い体毛に覆われた大男は巨大なアイスピッケルを担ぐ。
「何っ…」
「俺もドラゴン以外を採用しているという事だ」
「永久凍土の戦士がいる限りタイムスペルは使用出来ずこの能力は無効に出来ない、
モンスターエフェクトを対処する灼熱火山の戦士と対の存在」。
フィールドが凍てつく…
「バトル永久凍土の戦士で灼熱火山の戦士に攻撃」
永久凍土の戦士 パワー1700
vsパワー1400 灼熱火山の戦士
永久凍土の戦士が灼熱火山の戦士に襲いかかる
すかさず重火器を乱射し攻撃を阻むがブリザードにより弾が空中で凍てつく!
…そして巨大なピッケルが灼熱火山の戦士の脳天に打ち込まれる。
「なんて奴だ…」
バキンッ!!
伊達 TC9⏩8に減少。
"ウホホッ…"闇夜で真紅の目を光らせるイエティが真っ赤に染めたピッケルを片手に伊達を睨む。
背筋がゾッとするような感覚。
「TSを封じられてんならやるしかねぇ」。
伊達はカードを引き永久凍土の戦士…イエティを恐ろしい気迫で睨み返す。
「見せてやる…俺のディメンションモンスターをな」